悪人の特徴・予言をする人々

悪人と言えばどんな特徴があるだろうか?一概には言えないが、私自身の経験から、他人を支配して優越感を得たり私利私欲を満たすタイプの人間にフォーカスを当ててみよう。

単に悪いことをすると言っても盗みや誰かに暴力を振るったりなどは目につきやすく、犯罪者として扱われやすい。しかし、本当は悪いことをしているのにあからさまには罪に問いにくいタイプの悪人がいる。

このタイプは見かけはすごくいい人で、ムードメーカー。周りの人を盛り立たせたりしているようにみえる。周りの人も積極的に彼を誉めそやす。フェイクの顔はすこぶる人格者、立派な人物のようだ。

しかし、彼の楽しみは他人の幸せではない。他人の幸せを祈っているように見えるのは表の顔だ。本当は他人を自分の手で動かすことに喜びを感じている。

ストーリーを組み立て、配役をし、望み通りの結果になることを楽しみにしている。その際、相手が幸せになるか、不幸になるかはストーリーと気分次第であるが、自分自身の株が上がるような結果になることが大前提だ。相手が自分の預かり知らぬところで楽しそうにしているのは気にくわない。

そして彼は、"予言"をする。
予言とは未来を予測し、的中させること。主に悪い結果を予言する。相手を良い気分にさせたい時は良い結果をほのめかすこともあるが、主役はあくまでも悪い予言である。「あなたはいずれ破滅する」とか悪い未来、不幸な人生が待っていることを伝える。

悪い予言は(彼の思惑どうりに進めば)必ず当たるようになっている。あなたはぎょっとするが、それが思うつぼである。
彼はあなたに悪いことが起きないように相手に力を貸すという。ついつい不安になって真面目に耳を貸してしまったが最後、ボロボロになるまで搾取される。

これはよくある催眠商法の1つなのだが、興味深いことに、私の関わった人は予言を利用して相手を動かしたり金銭を巻き上げることよりも、予言を的中させることに喜びを見いだしているようだった。事実、彼の予言の1つ「お前は俺を裏切る下らない奴だろう」は的中していて、私は彼を裏切って逃げ出した。今ではそれで良かったと思っている。

予言が的中することは彼にとって何を意味するのだろうか?

先見の明がある、賢い、思惑通り、人の運命を左右する優越感などが挙げられる。まさに、神にでもなったような気持ちになれるのだろう。

他人を動かして破滅させる人間は愉快犯の側面もあるし、コンプレックスや恐怖を誤魔化す手口として利用している側面もある。彼が神にでもなったような気持ちになりたいのは早い話が自分に自信がないからだ。
もっとも、彼は自信満々で何でも知っていて何でもできるかのように振る舞うから、表向きにはとても自信が無いようには見えないかも知れない。

予言するなんて面白いしミステリアスで素晴らしいんじゃないかと思ったそこのあなた、逆に考えてみてはどうだろうか。

仮に、善良な人物が筋道を立てて考え、未来を予見したとする。その未来は本当に現実になる確信は持てるだろうか?そこまではっきりと、「お前は破滅する」とか「いつかお前は俺を裏切るだろう」とか断言できるだろうか?そもそも、未来とは不確実なものである。そこまで責任を持って「必ずこうなる」と断言できるものではない。もしも嫌な予感がしたなら、相手を不安にさせすぎないように注意をはらって必要な忠告を与える。悪い結果を懸念しているを理由を筋道だてて説明し、相手に考えるチャンスをやるのが正しいやり方だ。

不安にさせることは相手から思考力を奪う。はっきりと悪い未来を"予言"として断言する目的は1つしかない。彼自身が予言者であることを宣言する為だ。彼がそれを実現するか、実現することを望んでいるのだ。

もしもあなたの周りに人の不幸を予言する人がいたら注意して欲しい。そしてそのような人物は政治や財界、世の中の重要なポジションやマスコミのなかでひときわ影響力を持っていることもある。

先見の明がある聡明な人物、困っている人に手を差しのべる人物として知られているかも知れない。あるいは誰かを、いずれ悪いことをする人間だと決めつけ、精神的に追い込んでいるかも知れない。

彼は"予言"をする。そのような確信があるのはなぜだろうか?なぜ断定するのだろうか?そのことを疑ってみるべきではないだろうか?

最後まで読んでいただきありがとうございます。



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