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日本語が変・仕組まれた言葉の罠

新しい言葉、最近作られた言葉には注意が必要だ。

そもそも日本語というのは奥が深く、その語彙力を増やせば様々な気持ちや物事を自在に表現することが可能だ。古典や小説など、私達は日本語の豊かな表現にふれ、そこから自分の言葉を増やして表現力を磨いていくことができる。

しかしながら、新しい言葉をたくさん作ってそれを周りの人に吹き込む人がいる。

例えば最近だと、
ウィズコロナ、アフターコロナ、ソーシャルディスタンス、三密などだ。

確かに時代は変化するし、時代に合わせた言葉は必要かも知れない。しかし、その言葉が特定の価値観を押し付けて思考停止に陥らせてしまうとしたら有害だ。その言葉が生まれた背景が前提から間違っている可能性だってある。

既存の言葉を使わずに新しい言葉を生み出す必要がどこにあるだろう?その言葉を作った人間の意図はなんだろう?

新規性。
新しいことに人は飛び付きやすい。それは、様々な可能性を感じるし、時代の新しいものを先取りする感覚になるからだ。また、「新しい」というだけで今までの価値観が通用しないと感じてしまう。「パラダイムシフトが必要です」などと言ったりする。
そして、今までの価値観が通用しなければ、それに対する批判を無効化することができる。そのような感覚を持つ人々に訴えかけて、言葉に込められた価値観を広めてもらいたい、そういう意図がある。

思考停止。
時折、言葉には前提というものがある。
例えば「学歴詐称」
そもそも学歴を偽って仕事に就くのは間違ったことであるという前提がある。

例えば「ウィズコロナ」
コロナ時代というものが存在し、人々はその従順さが試されている、そして人々はコロナ時代に順応して賢く(?)生きなければいけないという前提がある。

また、言葉の使い方次第でも前提が定められる。
例えば「治療」
「あなたには治療が必要です。」と言えば、何か悪い症状があることを前提にしている。

こんな場面を想像して欲しい。
あなたは暗い部屋に閉じ込められ、椅子に縛られている。ロープは固く、逃げることができない。白装束の教祖様らしき人がゆっくりと近づいてきて、微笑をなげかける。何に使うのかわからないハサミを持っている。「逃げ出そうとするなんて、悪い子ですね。私はあなたの幸せを祈っているのに。あなたには治療が必要です。」

ひぇー!

そう、新しい言葉は新興宗教、特にカルト教団において作られる。新規性、思考停止、にはもってこいだからだ。
信者達は一生懸命、新しい言葉を学習し、新しい考え方を身につける。そうして、どんなに理不尽な状況にも喜びを感じて自らの命さえ投げ出すようになるのだ。

若い人、10代から20代は特に耐性がない。例えば子どもなんかは新しい言葉を覚えるのが大好きだ。(自分が知らなかった言葉、という意味での新しいだが。)覚えると、嬉しくなって積極的に使う。

どうも、新しい言葉を覚えて使うことは脳の報酬系を刺激するようだ。

ただし、子どもなら誰でも新興宗教の新しい言葉に耐性がないわけではない。裸の王様のように、小さな子どもは物事の本質を見抜き「王様は裸だよ!」と言えるのだ。

社会に順応しつつある、10代から20代の若者が危ない。本質を見抜くことではなく、順応することで社会に溶け込めることを知っている。新しい価値観を身につけて適応すればそこで新しい人間関係が築けることを知っている。しかし、悪意を持った人が洗脳して他人の人生を食い物にしていることは(実感を伴って)知らない。

新しい言葉の危険性はもう1つある。そもそも、新しい言葉は既存の言葉を組み立てて作られる。

例えば「ネトウヨ」はネット、右翼。しかし、ネトウヨは本当に右翼なのか疑問が残る。
実は右翼にも様々な考え方がある。第二次世界大戦中の慰安婦問題を反省するべき、海外のことにかまけてないで自国の産業を立て直すべきと考える人もいる。モンロー主義?
一方、アジア系の外国人に汚い罵詈雑言を浴びせかけ、他方、外資系に従順で海外に土地を売る政権や政治家を称賛する人もいる。ネット右翼は顔が見えないし、その実態はわからない。本当にそのような考えを持つ人々なのか疑問だ。もしかしたら自分の考えではなく、誰かに言わされているだけかも知れない。自分の考えではないが、誰かに言わされているだけならばそのような考え方は世の中に存在しないことになる!

そうであるなら、「ネトウヨ」は「右翼とは何か」という前提を変えてしまっている可能性がある。人造イクラがイクラとして扱われるのと同じだ。(筆者は右翼ではない。)

このように、その新しい言葉が作られることで既存の言葉の定義をあやふやになってしまうことがある。そしてそれは時折、意図的に行われる。

新しい言葉を作る人々の意図は何か。それを考える癖をつけてみるのはどうか?

まとめ
・言葉によって思考が作られる
・言葉には思想や価値観が含まれる
・言葉には前提がある
・言葉の使い方次第で前提をあやふやにすることができる
・新しい言葉を連発する人、作る人には要注意!

言葉の乱れは思考の乱れ。今後、ニュースやオピニオンリーダー、思想や哲学、宗教を見る目が変わるかも知れない。

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