『アリスとテレスのまぼろし工場』感想

2時間のまぼろしを映画館で見れたことに感謝
映画館を出て初めに思ったのは、今私はまぼろしを見て来たということだった。ストーリーから何か偉大なメッセージを受け取ったりはしなかったし、このキャラクターは自分のようで感情移入できるということは無かった。このように言うとまるで時間を無駄にしたようだがそんなことはまるで無く、あの幻の作品!と言われるようなものが今そこにあるという気がした。幻の作品になるのは何か理由があるのであって、それがこの瞬間映画館でかかっているというのは、まさにまぼろしなのではないだろうか。

登場人物は全員性格クソだと思って見た方がダメージが少ない
ちょっといい奴もいるかもしれんが、大体の人物は性格がクソである。具体的に言うと親父の弟とか、ヒロインの父親、ヒロイン、園部、主人公あたりだ。いい性格をしていると言った方が言葉としては良いだろう。あの町の住人は閉鎖環境に10年以上?置かれてしまった為精神が限界なのでおそらく仕方がないことなのだ。こいつは実はいい奴に違いないとか甘い考えで見ていると頭がおかしくなってしまうので、初見でこいつ性格が悪い奴と認定しておいた方が楽しく鑑賞できる。園部に関しては負けムーブをしてからバキバキになって消滅したのに、その後の生活にほとんど影響しなかったのでかなりまぼろし感あった。ヒロインは性格終わってるがパンツを2回も見せてくれるので好き。

クライマックスは白熱のカーチェイス!泣いて嫌がる子供を現実に送り返せ!
中学の同級生やカルト傾倒者が人類の偉大なる発明自動車を駆り、久野美咲ちゃんを奪い合うというのは、12時間寝たときに見た夢の内容のようだ。ここらのシーンはテンポが良く、画面がバキバキに割れてお祭りが始まり、花火が上がったりと、見た目が派手な為この映画のピークと言っていいだろう。車がぶつかり派手にクラッシュするし、機関車も参戦するのでアメリカの映画みたいだった。あの走っている車を横からぶつけるっていうのはよく見るけどそれで止まって上手くいったのはちょっと見たことが無い。
久野ちゃんはおおむね最後まで現実世界に帰ることを拒んでいるので、帰そうとしている主人公側に対してそれでいいのか?という感想を抱いてしまう。敵対するカルト側も親玉も含めて牧歌的なので緊張感は全くない。遊園地にある子供でも乗れるタイプのジェットコースターのような物だが、無いよりはあった方が良い。
ヒロインは私も一緒に行くから帰ろうねって感じだったのに一転「主人公の一番好きなのは私。私が好きなのも主人公です。」と言わんでもいいことを言ってやっぱりまぼろしの世界に残ることになるので久野ちゃんは泣いてしまったのでかわいそうだと思った。

かなり変なアニメなのでおすすめ
雪上でエッチ行為するシーンなんて見たのは失楽園以来だ。彼らまぼろしの民はぼんやりとした存在の為寒さを感じにくいらしく、風邪を引く心配は無いだろう。彼らは生きている実感を得るために過激な遊びをしているが、元気にやっているよ。

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