『竜とそばかすの姫』は★豪華★夏のよくばりクォーターだ!

皆さん、ピザはお好きですか?私は大好きです。
ピザハットのプレミアムマルゲリータを生地薄いやつにして緑の辛いやつをかけて食べるのがベストですね。このところ、以前は無料で付いてきた緑の辛いやつが別料金(32円)になったのでネット注文する時は気を付けなければならない。あと、トマトとチーズがメインで肉が入ってないので食べた後に「肉入りの奴にすればよかったかな」となってしまうことがありますがそこが魅力でもあります。

ここでは、拝見したアニメ映画『竜とそばかすの姫』を4つのピザに例えて分割し考えてみることにする。

1.すずさんの日常と成長を描く高知パート
過去に心の深い傷を負った主人公のJKすずさんは基本的に陰サイドの人間となっているものの、お母さんの知り合いのおばさん4人組(豪華キャスト!)や頼れる幼馴染の男子、ファンキーでPCに詳しい友人に囲まれてそれなりに生活していた。しかし序盤、トラウマによりすずさんは嘔吐してしまう。あまり見ないくらいリアルなので大丈夫かと不安になってしまったが、嘔吐をターニングポイントとしてその後は面白くなるだけなので全くの杞憂であった。
すずさんと友人はある人物の正体を探すことになるのだが、ぽっと出のキャラクターであることは無いのがお約束としてあるから、我々視聴者はこいつかな?こいつかな?と推考するよう仕向けられていくようになっている。
物語が進行するにつれて1人ずつ除外されていくので、最終的にすずさんの飼い犬である、意味深に脚の欠けた犬がそれなのかという結論に達した。登場人物と同じ意識で楽しめる、劇中で最もエキサイティングした所のひとつである。PC画面の表現もyoutube風だったりtiktok風だったりしてナウい感じになっていたり、特定あるあるも出てきて親近感が持てる。

この映画のメインどころなので飽きの来ないとろけるモッツァの贅沢マルゲリータとしよう。

そばchang

不審すぎて笑った


2.バーチャル世界に突如として登場したBelleさんのお話
本作の劇中歌はとても素晴らしく、Belle役の歌手の人の澄んだ歌声とドンドコ盛り上がる調子でいい感じになる。バーチャル世界「U」はなんだかふんわりした説明しか無いので、全世界で大人気のサービスとか言われても違和感があった。あのモブ達はUの中で一体何をして過ごしているのだろうか?とりあえずBelleがクジラとたわむれて歌い出すと音楽のおかげでいい感じの映画を見てる気分になるので余計なことは考えないようにした。

ピザの例えだが、素晴らしい音楽を高級食材のロブスターに例えてロブスターと海老のアメリケーヌソースだ。


3.竜
Uの世界で大暴れるするアカウントの「竜」さんはで腕っぷしがとても強く、劇中で正義の集団「ジャスティス」との抗争を1人で繰り広げることになる。竜さんが無限湧きするジャスティスの戦闘員をバッタバッタとステゴロでなぎ倒していく様子がスピード感たっぷりに描かれており、これも見どころの一つだ。竜さん自身のデザインもかっこよく、週明けの小学校で竜ごっこがなされるかもしれないが、かなり迷惑と言える。

これは男の子にウケそうな肉々しい3種のミートミックスだ。


4.知らない親子のDVを解決したい
前半にチラ見せされていた親子が物語終盤で重要人物となってしまう。すずさんが深夜バスで東京まで揺られるシーンは旅情感があって良い。しかし着いた所はざぁざぁ雨が降っており心配になってかわいそうだった。問題のDVだがすずさんが来てくれたおかげて被害者の子が問題と向き合う気になったということでこの話は終わる。

4つもピザがあったら1つくらい謎のピザが紛れ込んでいるものである。これは和風もちベーコンといったところか。


この4つの味を1つずつ食べきるのではなく、あっちを食べこっちを食べしているのが本作だ。クォーターピザ商品の問題点として、気に入った味があっても2切れで終了してしまうところがある。ふんふんこんなピザかと思った途端、次のピザが始まってしまうのだ。この映画についても通ずるところがあり、それぞれはとても美味しいピザなのだがクォートされているバラバラのピザで、一枚物のピザのように1つの味を十分満足できない。なので物足りないと感じることもあるだろうが、一瞬でも美味しいと思えるところがあったので美味しいピザだという印象が残った。そんな映画だった。

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