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あらためて、「ECOMMIT」とは何者なのか

みなさんこんにちは。エコミットの川野です。めちゃくちゃ久しぶりのnote更新となってしまいました。

最近は、
・はじめての大型資金調達
・新サービス「PASSTO」のローンチ https://www.passto.jp/
・名だたる大企業との業務提携
・海外法人設立
・あたらしい幹部メンバーの参画
・本格的に開始したパブリックアフェアーズ
・ベルギーの企業との連携での自動選別パイロットプラントの建設
・リブランディングに伴う社名変更(小文字から大文字へ)
・プライベートでは大学への復学、、、
などなど、書きたいことが多すぎて、(というか死ぬほど忙しすぎてw)全く書けていませんでしたが少しずつ書いていきたいと思います。

そんな中今日はnote復帰第一弾として、あらためてエコミットは何者なのか、そして向き合う社会課題は何なのか?について新サービス「PASSTO」にも触れつつお話したいと思います。
記録的な長文になる可能性ありますが、、、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。。。

進まないサーキュラーエコノミー

「サーキュラーエコノミーが重要」と言われるようになって、そろそろ10年くらいになりますが、皆さん、生活に身近なところでその変化を感じられることがありますか?
大量生産大量消費大量廃棄の結果、起きている深刻な天然資源の枯渇、そして資源の採掘〜生産〜消費から廃棄までのプロセスで大量に発生する温室効果ガスが原因の一つとされる地球温暖化。それにより引き起こされる未曾有の自然災害。というような、やや危機を煽るような記事やニュースも頻繁に目にするようになりました。
 そして、その人間の行動によって引き起こされたこのとてつもなく大きな課題を解決するもはやはり人間しかいない。様々な解決策が打ち出され、世界中で取り組まれている中、重要な打ち手のひとつとされているのがサーキュラーエコノミーの推進だ、ともよく言われるようになりましたよね。

その割には一向に進んでいないように思うのです。

世界中で一定の危機感と機運が高まっている昨今ではありますが、サーキュラーエコノミー(以下CE)という言葉の浸透に対して、企業活動や人々の生活においてどこまでそれが実態として浸透しているでしょうか?

確かに、レジ袋の有料化、マイボトルの普及etc,,,、頻繁に見かけるようになったCE関連の勉強会やイベントなどなど、ムーブメントになっていきそうな気配は感じますよね。。。

しかし、東南アジアを中心とした海外でモノが作られ、日本に持ち込まれ、消費され、そして地域にごみとして埋め立てられていく直線的なバユーリェーンは未だ変わりません。

いつでもどこでもスマホ一つで買い物が出来て、明日明後日には商品が家に届く。リテールや流通といった消費を助ける仕組みの進化に比べると、その重要性が謳われているにも関わらず一向に進まないCEの仕組みづくりとは、大きなギャップがあるのではないかと思います。
 
様々な課題が複雑に絡み合ってなかなか実現していないCE。では僕たちエコミットはこの大変大きな課題に対してどう向き合い、どこからどのように解決していくべきなのでしょうか?

僕らはごみを減らすだけの会社じゃない

『エコミットは不要品を回収をしてごみをなくす会社ですよね?』と言われることが多いのですが、先ず言っておきたいのは、ごみを減らすだけが僕らの仕事ではないということ。
というのも、

実は不要品を回収し、ごみを減らす仕組みをつくるだけでは大量生産大量消費の流れ自体を変えることは出来ないのです。

今年エコミットは生活に身近な資源循環インフラの窓口として「PASSTO」https://www.passto.jp/というサービスをローンチ。

どれだけ手放せる窓口が身近になったとしても、消費の在り方や販売の仕方、モノの作り方が変わり、生産量や天然資源の流入量を減らさなければ根本解決には至りません。
手放すのが簡単になっただけでは『簡単に出せるなら気軽に新しいものを買おう!』と、かえって大量生産大量消費を助長してしまう可能性すらあるのです。
 
また、CO₂などの環境インパクトという観点で見ても、実は捨てられ焼却処分されるよりも圧倒的に排出量が大きいのは『つくる時』や『流通させる時』なのです。

つまり廃棄だけでなく、生産、流通それぞれの課題解決しなければ、大量生産大量消費大量廃棄問題を解決することはできないのです。

では、僕たちはなぜPASSTOをローンチしたのか?どうやったらこの複雑な問題を解決できるのか?
その答えにたどり着くためにも、先ずはバリューチェーン上のそれぞれの課題についてもう少しブレイクダウンして説明しておきたいと思います。

それぞれの課題

それぞれの課題を、つくるとき=生産流通させるとき=販売買うとき=購入捨てるとき=廃棄に分解し、アパレル業界に例えて整理してみます。
僕たち生活者に近い「廃棄」から順にいってみましょうか。

①、捨てる時=廃棄

なぜ大量に捨てられてしまうのか?この問いの答えはズバリ圧倒的なインフラ不足だと思っています。
特に日本においては歴史的な背景と島国ならではの事情から、ごみの「無害化・減容化」を図るため、焼却処理技術が発展してきました。結果的に世界トップクラスの「数・率」の焼却処分場(施設数は中国に次ぐ世界No,2)を全国に有しており、圧倒的に捨てるというインフラが整った半面、そもそものごみを減らす取組みであるリデュースやリユースに関してはどんどんと衰退していき、昔からあったはずの日本ならではの「もったいない精神」が失われていくことになります。

一つの例をご紹介すると、これだけ全国にリユースショップが数多くあり、メルカリやヤフオクなど、CtoCが本当に身近なものになっているのにも関わらず、1年以内に不要品を『買う、売る』などでリユースをした人は、全人口のたった30%程度というデータがあります。
つまり7割の人は捨ててしまっているとも言えます。特にアパレルに関しては毎年約50万トンもの量が焼却され、灰として埋め立てられているのが現状なのです。(環境省のリンク貼っておきますhttps://www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion/

これだけサーキュラーエコノミーが重要だと言われているのになぜ??
『わざわざ持って行くのは大変』『自分で売る時間がない』『身近に出せるところがない』などなど理由は様々ありますが、一言で言うと、

捨てるを上回るメリットがない
(捨てるのが一番楽)

ということだと思っています。
捨てるというインフラが整い過ぎてしまった結果、昔はあったはずのリデュース、リユース、リサイクルの仕組みが無くなってしまった結果、
だれも捨てたくて捨てているのではなく、選択肢が少ないがためにどこか後ろめたさを感じながらも捨てるしかないという状況なのではないでしょうか?

②、買うとき=消費

次に消費についてですが、先に結論を述べると、

再生原料由来の商品は高い
(なるべく安いものを買いたい)

ということだと思います。再生原料由来の製品は天然資源由来の製品と比べて、様々なコストが原価にのってしまうため、一般的には通常よりも高い傾向になるのが実態です。
最近では多少高くても再生原料など地球にやさしい商品を選ぶ消費者も増えてきているものの、まだまだそういう方ばかりではありません。
様々な物価が高騰する昨今だと尚更です。少し高くても環境にいいものを買おうという人は残念ながらまだまだ少数派なわけです。

また、これは少し違った視点ですが、最近『環境にやさしい』と言われる商品をよく目にするようになりました。これ自体はとてもいいことだと思うのですが、一言で環境にやさしい商品と言ってもそれがどのようにどれくらい環境にいいのか?が非常にわかりにくいのも課題だと思っています。
環境活動をやっているフリをするいわゆるグリーンウォッシュ的に『この製品は環境にいい商品です』というような、詳細は全くよくわからん製品も多くみられます。消費者にとって何が正しいかわからないのも課題だと考えています。

③、流通させるとき=販売

次に販売サイドの課題です。
ここは実は消費の課題と深く関連しています。というのも、販売している企業からすると当然ビジネスですので持続的な収益を上げなければなりません。つまり会社を存続させるためには、売れるものを沢山売らなければならない
さらに、販売サイドは消費者に選ばれるものを常に在庫を切らさずに売り続けなければ儲かりません。少数派のために高い再生原料由来の商品を売るよりも、安くて売れる商品を売った方がお客様に選んでいただけるわけです。
また、利益率を高めるためには大量のロットで原価を下げて、売り切れにならないよう一定の在庫を抱えておく必要があるのです。これらのことから販売の際の課題は、

安くて大量につくられたものが売れる
(消費者のニーズに合わせないと生き残れない)

ということになります。
企業として生き残るため、消費者のニーズに合わせていった結果、このような構造にならざるを得ない。
ということは、この状況は私たち消費者が作りだしたものであると言っても過言ではありません。

④、つくるとき=生産

最後に作り手の課題について。アパレルの作り手は非常にバリューチェーンが複雑で糸、生地、製品が分業になっているケースが多いのですが、ここではまとめて『作り手』とします。
 その作り手の課題を2つにまとめると、
1、再生原料はバージン原料に比べると一般的には高くなってしまううえ、安定調達が難しい
2、売り手、消費者のニーズに合わせ機能性や品質を重視すると再生原料は使いにくい

つまり、

再生原料の安定調達が出来ない
量と質を担保できない

ということがここでの課題です。
基本構造として売り手(販売者)は、使い手(消費者)のニーズに合わせて作り手(生産者)へ製造を依頼します。アパレル問題が取り上げられる際、作り手の大量生産が問題視されることが多々ありますが、実はこの構造は、安くて着心地のいいもの、機能性や価格を重視してきた我々消費者が作り上げてしまったバリューチェーンなのです。

大量生産大量消費大量廃棄の本当の『悪』はなんなのか?

ちょっと物騒なタイトルですが、敢えて課題を悪としたときに、誰が、そして何が直線的なバリューチェーンの根源的な課題なのか、結論を出してみます。

ここまでアパレル産業のそれぞれの領域での課題をざっくりと説明してきましたが、それぞれの課題を整理すると、誰もが意図的に環境負荷に繋げようとしている訳ではないことがわかります。
たまに記事などで見かける、『大量生産している生産者が悪の根源だ!』は根本原因ではありません。
では販売者や消費者が悪なのか?それも違うと僕は思います。誰しも機能性や利便性、そして価格を求めるものです。

大量生産大量消費大量廃棄、これを引き起こしている原因、それは、

環境を追求すればするほど儲からない、利便性や経済性を追求して成長した経済システム(直線的なバリューチェーン)そのものです。

この結論に辿りついた今、その恩恵を受けて何にも不自由なく育った僕らは、利便性や機能性といった人々の豊かな暮らしや経済発展を目指して一生懸命働いてきた先人たちを批判することはできないと思います。(僕は出来ません)でもこのまま何もしなくは何も変わりません。ではどうするのか?

どう解決するのか?

シンプルに先程あげた①~④課題を順に解決していくことだと考えています。

①、捨てる時=廃棄の課題と解決策

課題は、『捨てるを上回るメリットがない』(結果的に捨てるしかない)  これを、『捨てるより気軽で、気持ちよく次に繋げられる生活に身近な仕組みを作る』ことで全国に循環のインフラの窓口を構築していきます。

「捨てる」を「繋ぐ」へ変える

①の課題のところでお話したように、本当は捨てたくないけど捨てざるを得ないという人が沢山います。ここを解消するため、生活に身近な場所に捨てると同じくらい気軽に次に繋げられる仕組みを作ります。

ECOMMITは約6年まえにその一連の工程をトラッキング、可視化するトレーサビリティシステムを開発しました。さらに企業向けのCSR・販売促進支援につながる資源循環サービス『PASSTO』をローンチし、店舗やマンション、大型オフィス、郵便局などへPOSTのようなボックスを設置し、全国で衣類、服飾雑貨などの回収をスタートしました。

さらにボックスに入れる際にポイントやクーポンを発行するアプリも開発、ローンチし既に多くの企業様に導入いただいています。

消費者がごみを捨てるのと同じくらい気軽に出せるうえ、「捨てる」を上回るメリットを得られる大きなインフラにすることでごみになってしまっているものを大幅に減らしていきたいと思っています。


②、買うとき=消費、④つくるとき=生産の課題と解決策 

次に②④の課題解決についてです。
PASSTOの拡大は直線的なバリューチェーンをUPDATEするファーストステップに過ぎません。全国へ展開し、生活に身近な存在になったPASSTOを活用し、捨てる時の課題解決と同じように買うとき、売るとき、作るときで定義した課題を解決していきます。

この解決策は、再生原料を安定かつ安価に提供する仕組みを作り、再生原料を当たり前にすることです。

再生原料由来の商品が高くなってしまう原因はいくつかありますが、そもそもの原料原価が高くなってしまう状況を改善する必要があります。
石油由来の天然資源と違って一度市場に出回ったモノを回収し原料にするには一定まとまった物量かつ、安定的に製造ラインに投入することが出来ないと人件費や製造にかかる設備費などのコストが下がりません。

繊維商社や化学品メーカーなど、再生由来の原料を使った商品開発や原料の開発技術は日進月歩で進んでいるものの、安定的に、しかも極力運送などのコストをかけずに効率よくものを集めるということが出来ない限り、どれだけ技術が進んでもこの問題は解決しません。ここをわれらがPASSTOが担おうということなのです。

現在はまだPASSTO含めた回収拠点は3,000ヶ所程度ですが、現在マンションや駅、商業施設や大型オフィスなど、導入が一気に加速しており、5千、1万と増えていくことで取り扱い重量は飛躍的に伸びていく予定です。2024年は1.2万トン、2030年には25万トン(シェア50%)まで拡大していけると考えています。

また、そもそもの原料をなるべく安くメーカー側に供給することも重要です。家庭で不要になった衣類をテクノロジーを駆使して徹底的に運送コストをコントロール。さらに回収したものを素材別に分ける必要があるのですが、そこにおいてもいかに手間をかけずに選別できるかがコストを下げる上での重要なポイントです。

エコミットは創業当時からこのポイントをクリアすべく開発を進め、他社に簡単には真似できないナレッジとして蓄積してきました。
また、これは今度どこかでしっかりと書きたいのですが、今年創業初の出資を受け9.4億円の資金調達をおこなったのですが、その資金を使って世界初となる衣類の自動選別ラインを建設中です。これにより低コストで安定的に原料を選別・供給することが可能になります。

商品の回収=原料の調達が当たり前の世界を創る

エコミットが回収のインフラを構築し、安定的かつ安価に原料を作り手に提供することが前提となれば、作り手は作る段階から再生のしやすさ、回収したモノの原料への歩留まりなどを意識した商品の設計が可能になります。
そもそも再生しやすい素材選び、分解しやすい設計、といった「循環思考設計」が当たり前になり、やがて再生素材を使ったモノづくりが当たり前になることで、天然資源投入量を大幅に減らすことができると考えています。

データも重要
これは企業秘密の部分なのであまり細かくは書きませんが、エコミットは人の手を離れたモノの回収~選別~再流通のトラッキングをすることで、モノづくりに役立つ様々なデータを収集しています。原料のCO₂削減量などの環境インパクトや商品のリサイクル率などですね。これをメーカーに提供できるのは他社にはなかなか真似できない強みであり、モノづくりを根本から変えていくためには必要不可欠なものなのです。

再生原料にさらに環境インパクトなどの付加価値を付け、作り手はそれを仕入れてモノづくりをすることで、天然資源利用を減らせるだけでなく、本質的に環境にいい商品=お客様から選んでいただける商品=売れる商品を作ることができるという好循環を起こすことが出来ると確信しています。

③、流通させるとき=販売の課題と解決策

ここでの課題は、安くて大量につくられたものが売れる(消費者のニーズに合わせないと生き残れない)でした。
つまりアパレル企業など商品を販売する側からすると環境を追求しても儲からないという状況です。
これを解決するためには、逆に環境を追求すればするほど儲かるという仕組みを作る必要があります。ではどうやってそれを実現するのか?
結論を先に述べると、

一度売った商品が返ってくることが前提になれば、商品のライフサイクルを伸ばし、天然資源投入量を減らしつつも売上を維持・拡大する仕組みが作れる 

言い換えると、

一次流通と二次流通の境界線を無くし、安いものを沢山売りっぱなしにするより、長く使えて商品の価値が高いものを売った方が儲かる

という流れを作っていきたいと考えています。
ちょっとここはしっかり説明しますね。

先ずは現在、欧米で急拡大している市場、「リセール」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?
実は今、アパレルやスポーツ系のブランド企業が自社商品を回収し、一部を中古車のように認定中古品としてブランド企業自ら販売する流れが加速しています。
日本だと今年に入ってユニクロさんが回収した古着の一部をリセール品としてポップアップ販売されたことも話題になりました。
いわゆる一次流通と言われるブランド企業が自ら回収し、二次流通の市場に参入するようになりつつあるのです。

この背景の一つと言われているのEPR(拡大生産者責任)という概念です。

これは、「自分たち(メーカーやブランド)が作ったものを自分たちで市場から集めて責任を持って最後まで面倒みようね。」というような考え方なのですが、時代の流れとともにあらためてEPRが重要であると言われるようになってきました。日本ではPatagoniaや土屋鞄などが有名ですが、ファーストリテイリングも15年以上前から店頭で回収を行っていますよね。このように、自社製品を回収し、もう一度補修、生産して認定中古品として販売する企業も増えてきてるのです。

しかし、一度自社市場に出回った商品をもう一度回収するのは本当に大変です。ECの市場が伸びている現代においては尚更ですね。回収する運送費などがボトルネックでなかなか進みません。また、自社のリアル店舗だけでは回収できる物量に限界があるのです。

ここでもまた我らが「PASSTO」の出番です。

全国に展開しているPASSTOを活用しブランド企業の自社製品回収を請け負い、独自のガイドラインで選別したリセール品を再度ブランドにお返しする。あるいは販売まで代行させていただきます。
回収~選別~再流通のアセットとその過程で得られるデータなどのナレッジを持っているエコミットだからこそ担える役割です。

これによりブランド企業は自社で回収するよりもはるかに安く、そして大量のものを市場から回収することができ、一部を再販、一部を原料へ回すことが可能になります。
回収~再販が当たり前になれば、新品で販売した際の売上に加え、認定中古品として同じ商品で二度目の売上を得られる仕組みが作れます。
しかもその商品は新品と比べてどれだけ環境インパクトがあるのかも明示可能。安くいものを大量に売りっぱなしにするよりも、長く使えて再販価値の高いものを売った方が結果的に利益が出せる構造になれば、そもそものものの作り方に加え、売り方も変えられると考えています。
(デポジット制度やサブスク、レンタルなどの加速)

グローバルな視点も重要

それぞれの解決策に共通する重要な視点、それがグローバル視点です。
何故なら、モノづくりのバリューチェーン自体が既にグローバル化しており、衣類に関しては既に98%が輸入です。つまりモノづくりニッポンで栄えた日本は、モノづくりの現場を持っていないのです。

ということは、どれだけ日本で回収率が上がってもその原料を必要としているのはモノづくりが主要産業となっているASEANの各国なのです。

また、リユース品に関してもASEANの市場が圧倒的に伸びています。
タイ、マレーシア、韓国など10代を中心に古着ブームになっており、既に日本よりも高い価格で売買されるものも多くなってきているのです。

このようなことから、本質的なCEを実現させるためには常にグローバルを前提に考えておかないと持続可能ではないということです。
エコミットは来年春、海外初の拠点をタイに設け、そこをハブとして国際資源循環を加速させていく予定です。

つまり、エコミットは何者なのか

いや~、あっという間にとんでもない長文になってしまいました…。ここまで乱筆にお付き合いいただき本当にありがとうございます。

さて、ここまで①~④のバリューチェーン上の課題に対する解決策を書いてきましたが、今回はエコミットが何者なのか?を明確にするため、CE(サーキュラーエコノミー)が進まない理由について、現在のバリューチェンそのもの、そして、それぞれの過程にそれぞれの課題があり、それをどのように解決していくべきなのか?を「PASSTO」という資源循環サービスの説明と重ねて話してきました。
最後に解決策のまとめとともに、エコミットが何者なのかの結論に入ります。

解決策のまとめは、作り方、売り方を変え循環型のバリューチェーンを創り、環境を追求すればするほど儲かる経済システムに変えていくこと。

一見するととてつもないことに思えるかも知れませんが、創業から17年という年月で培ってきたアセットやナレッジがあるからこそ実現できるという蓋然性についても多少はご理解いただけたのではないかと思います。
そしていよいよ、この本題、エコミットは何者なのか。

くどいようですがエコミットは不要品を回収し、ごみを減らす会社ではありません。

循環のインフラを構築することで、新しいモノづくりになくてはならない仕組みを作る会社なのです。

大量生産大量消費大量廃棄の負の連鎖の直線的なバリューチェーンから、天然資源利用を半減以下にしてもちゃんと経済発展していける循環型のバリューチェンを作り、一過性のムーブメントではなく、環境を追求すればするほど経済も発展する一大産業を起こしていく会社なのです。

守るべき自然と先人から繋がれたこの命


最後の最後に全く関連のないような話をしてしまい恐縮なのですが、僕は今、鹿児島県の日置市という本当に自然豊かな海辺の町に住んでいます。

近所にパワースポット的な神社があるのですが、そこには戦時中にこの町から出兵して亡くなった方のお名前と年齢が年次別に書かれているのですが、この小さな小さな町からこれだけ多くの方がたった十数年のうちに「日本のため」にと命を落としたのかと思うと、強く胸を締め付けられます。

しかも驚くのはその年齢、殆どが10~30代なのです。終戦に近づくほどその年齢は若くなり、最後は10代ばかりになります。

息を吞むほどの素晴らしい鹿児島の自然。そして若くして失われた沢山の命の上に成り立っている自分たちの命。

常にこの二つを身近に感じられるからこそ、生まれたときから何不自由なく生きてきた僕たちこそが、ものづくりニッポンと世界を牽引してきた先人にかわり、新しい循環型のモノづくりでもう一度世界をリードし、人類の存続という意味でこの素晴らしい地球環境と、命を、次世代に繋いでいくべきなのではないか。と考えてしまうのです。

大げさかも知れませんが、何かの縁あって鹿児島で起業した僕は、勝手にあたえられた使命だと考え、人生を捧げて向き合っていこうと思っています。

しかし、僕たちが目指す世界は、一社だけでは到底実現できるものではありません。この壮大なプロジェクトに一人でも多く、一社でも多くの方に賛同いただき、みんなで実現していければこのうえない幸いです。
 
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。


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