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#5【触るグリフ体験記】夫の事・困ってる事はないけれど

夫が読み書き出来なくても子供4人と生活できるだけの仕事もあるし、困ってるって感じた事はありませんでした。ちょっと面倒に感じる時もあるけどそれは適当に折り合いをつけて。

別に読み書き出来ないとかだけじゃなくてもさ、結婚したら他にもいーっぱい折り合いつけないといけない事ってありますよね。ただその中の1つって感じでした。

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今日は2022年8月。
1年半前の2021年の初め、夫が43歳の時に触読学習シート「触るグリフ」を始めて、読み書きがかなりできるようになりました。このnoteはその簡単な記録です。

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「旦那さんってどんな人」と聞かれたら

「夫が読み書き出来ない事を意識した事ない」

私のこの感覚をどう表したら他人に伝わるかな?と考えていました。強いて言うなら

誰かに「旦那さんってどんな人?」と聞かれたら、「アホで〜、明るくて〜、ふざけてて〜、面白くて〜、仕事が好きで〜、短気で〜、俺様で〜、脚めっちゃ細くて〜、器用で〜、、、」って答えると思う。

「読み書き出来なくて〜」って思い浮かばないと思います。20コぐらい捻り出したら出てくるかも?それぐらい夫が読み書き出来ない事って私の中で占める割合は少ないです。

LINEの返信は 🐿

よくよく考えてみれば、「読み書き出来ない人との生活」みたいなものはありますよ。

例えばLINE。LINEが登場する前は夫とメールってほとんどしなかったんですよ。LINEをするようになっても、一方的に送るだけ。返信はほとんどありません。なんで返信ないかとか聞いた事もない。

一応読みやすいように簡潔に

明日 9時 山下さん 電話📞して
猿渡(さるわたり)さん OK
お昼🍚 遅くなります

とかね。絵文字付けたり、スペース空けたり、読み仮名付けたり。ひらがなばっかりも読みにくいからその匙加減とかも考えてますよ。そこまでしても「LINE来たけど何?」って電話かかってくる時もあります。

夫からはたまに

めしわ?

と来るぐらい。珍しくちょっとした文章打ってきたら何書いているか分からない時も多くて、その時は解読。

マイベスト解読は

シーといえば

これ、何か分かります?
「強いて言えば」だったんですよ。Cと言えばかと思った!ウケた。

またある時夫から

🐿

こういう返信が届いて、解読しようとしたけど分からなくて。聞いたら「了解」の意味らしいです。娘が高校生になって自分のスマホでLINEを使うようになったら、「了解」の意味で「り」とか「りょ」とか使うのを知って。「文章打たなくても良いんや〜」って夫的にはすごく気楽で嬉しかったらしく、「り」とか「🍎」とか返信来るようになりました。それもたまにですけど。

でも連絡手段はもっぱら通話。便利ですよ。是非使ってみてください。


困る事はないけれど

で、ここから。

困る事は無いけれど、ずーっと引っかかってる事がありました。Twitterもこのnoteも夫に書く事を言ってるけど、今から書く事は夫に話した事はありません。


#2で書いたけど

字を書く時は少し不機嫌

そんな時はなんとなく私も大人しく黙ってた。さらに

私が代筆してる時も少し不機嫌

ヘラヘラといつものように馬鹿でいて欲しいのに、自分で字を書いてるわけでもないのに少し不機嫌で、やっぱり私は大人しくしてました。些細な事でイライラする事もありました。

私は「読み書き出来ないコンプレックスで不機嫌なのかな?そのストレスで私にあたっているのかな?」と思っていました。

正解は分からんけどね。

陸運局で喧嘩

車の名義変更する為に、陸運局にいつものごとく2人で行きました。受け付けで名前を呼ばれた時に私が座っていたら、夫も席を立たず2人で顔を見合わせました。そうしたら夫は「なんで取りに行かんと?」って少し怒ったんですよ。私は、用紙受け取るぐらいできるやろって思ったけど、黙って席を立ちました。そうしたら夫はサッと受付へ行って用紙を受け取り、記入する台へ向かいながらなんか「俺が書けば良いんやろ」とか「そんなんやったら2人で来る必要ない」とかなんとか文句言ってた。

代筆はするけど用紙受け取るぐらい自分でできるやろ?と思って私はすっごい腹立って、1人で歩いて家に帰りました。(陸運局から家は近かったから)

丸1日くらい考えたけど、私は「読み書きコンプレックスのせいで、些細な事でイライラしてなんで私が怒られなあかんの!」って思ってました。でも夫はもちろんそんな風に考えてなくて「俺が書けなくて(この場合は用紙を読むも入ってる)陸運局に2人で来てるのに、なんで手続きせんと?俺に嫌がらせしてんの?」って思ったんだと思います。

「夫は読み書きコンプレックスで不機嫌になる」ってそれが当たってるかどうかは分からんけど、とにかく夫自身は自分の事をそう思ってないし、だから言っても分からんな…って思って謝りました。全然悪いと思ってないけど。

大きい出来事はこの陸運局の事ですけど、同じような小さい出来事はちょくちょくありました。

例えば、子供と有料のプレイルームへ行ったら混んでて順番待ち。順番が来て用紙に名前とか記入する時に私がトイレとか行ってたり手が離せなかったりするとイライラしてるんです。普段は良識のない大人のくせに「お店の人が待ってるやろ!」みたいに言われたり。

こういうピリピリした場面があって、それがすごい嫌だったし、そんな夫が可哀想で悲しくもありました。

それって普通!

それともう1つ。私が夫の読み書きコンプレックスを感じる場面はそれって普通やでって事が言えない時。

私は読み書き出来ますけど、やっぱり字を書く事が少なくなって漢字って忘れてるんですよ。それで「えーっと、この漢字ってなんだっけ?」とかよくあるんですけど、外では夫は絶対それを言えないんですよ。

夫の場合忘れたんじゃなくて元から書けないんですけど、「他人にはそんなの分からないから、漢字が分からない時は『この漢字なんだったけ〜?』って忘れたふりしてスマホで調べれば良いやん。」と言っても言えないんです。絶対に。

俺以外の人はどんな漢字でも書ける

ぐらいに思ってて、私とか身近な人の前では平気ですけど外の世界では頑なに隠そうとするんです。

生まれ持った「弱みを見せたくない」って男らしい部分でもあると思うんですけど、やっぱり読み書きコンプレックスも混ざってるんじゃない?もうちょっと気楽になったら良いのにって思ってました。

読み書きコンプレックスを払拭する為に

夫の読み書きコンプレックスを払拭する為に、私なりに考えてはいました。

  • 読み間違いを正さない

これ、昔は正してたんですよ。でもある時、夫がお菓子の名前を読み間違えて正したら、「またこんなの間違ってしまった」って困ったように笑ったんです。いつも威張ってて俺様な夫にこんな笑い方は似合わないなと悲しくなって間違いを正すのはやめる事にしました。

この困ったように笑ったり、苦笑いとか照れ笑いとか、、、書けない読めない時に誤魔化すように笑うんです。そんな夫を見ると胸が痛かったです。

それと、私はただ単に間違ってるから教えてあげたぐらいのつもりでも夫には「間違いを指摘されてる」ってきつく受け止めるかな?と思って。

  • 「この漢字なんやったっけ〜」とやたらと言う

漢字が思い出せない時に夫がそばにいると「この漢字なんやったっけ〜?」とわざと聞こえるように言ってました。こんなの普通やでって教えてあげたかったから。

  • 「この漢字なんて読むんか分から〜ん」てやたらと言う

同じように、読めない漢字がある時は「この漢字なんて読むんか分から〜ん」難しい漢字があると「この漢字難しいな〜」とか「書け〜ん」とかやたらと言いました。別に知ってる漢字を知らないフリするとかじゃなくて。

このぐらいかな?意外に大した事してなくて自分でびっくりしました。もうちょっと色々してると思ってたのに。

こんな感じで18年間過ごしたわけです。それで夫の読み書きコンプレックスは払拭されたかと言うと、成果はほとんど無かったと思います。でもこの生活をどちらかが死ぬまで続けると思っていました。

夫に読み書き出来るようになって欲しいと思った事はありません。夫が読み書き出来なくて困った事はありません。ただ、この読み書きコンプレックスがどうにかならないものかなぁとずーっと頭の隅にありました。

そんなある日、偶然触るグリフを知ったんです。

ん?触覚で文字を認識するルートを作る?これ、読み書き訓練とは違うなぁ。いけそう!

読み書きコンプレックス払拭のためにやってみたい(やらせてみたい)とすぐに思いました。

終わりに

そこだけクローズアップすると、すごく気を使って生活をしているように見えるかも知れないけど、別にそんな事はありません。

夫が面白い読み間違いをしたら子供達が大笑いしたりもして、ある種笑いの種にもなっていました。

「旦那さんってどんな人?」って聞かれたら、こんな人!

子供が小さい時に行った阿蘇が楽しくて、子供ら大きくなったしまた行こうよ〜と行った時。お洒落な椅子があったので「写真を撮るわ」と言ったらふざけて格好つけた夫。

2020年 42歳

次回はやっと触るグリフの話!

触読学習シート『触るグリフは』こちら

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