#2 【触るグリフ体験記その前に】夫の事・結婚後
前回の記事を書きながら、夫の読み書きについて思い出そうとしたけど、なかなか難しいですね。読み書きできない事に関する記憶は捻り出さないといけません。
夫が
「俺、字が書けんっちゃが〜」
「俺にそんなの書けるわけないやろ?」
みたいに言うので、その積み重ねでいつの間にか私が代わりに読み書きしてあげるという生活になっていって、どの程度書けないのか?と考える事はなかったです。
そもそも読み書きってそんなにする?
夫の場合、塗装職人で独立して自営業のせいもあり、普段、読み書きする場面ってあまり無かったように思います。
スーツ着て会社行ってパソコンカタカタ打つような仕事なら(ホワイトカラーの想像力乏しくてすみません。)当然必要かも知れないけど。
取引先やお客さんから電話があって、現場に行って長さとか測ってパソコンで見積書作って、仕事が決まれば材料屋さんに電話で発注して、段取りして道具持ってペンキ塗りに行く。
ほとんど読み書きは必要ではありません。新しい材料なんかは説明会に行ったり講習受けたり材料屋さんに教えてもらったり、、、やっぱりそれも対面で、電話で、口頭で。何かを読む事はありません。一応なんでも説明書がありますが、ああいうのって説明書通りでは上手く行かない事も多いので、読み書きできる人でも説明書を重要視してる職人ってあまりいないと思います。現場主義!
だから仕事でも読み書きですごく困る事ってなかったと思います。それよりも、腕!
夫は腕と愛嬌はあると思います。
字を書く時はいつも少し不機嫌
仕事で数少ない手書きする場面の1つは
領収証
ペンキ屋さんの場合、あらかじめ金額は分かっているのでお客様の所へ集金に伺う前に私が代わりに書いていました。1度、時間がなくて「書いてない〜お客さん所で自分で書いてよ〜」と言ったら
「書き間違えたらどうすっと?」
「(名前の)漢字が分からんかったらどうすっと?」
と少し怒ってました。
「漢字が分からんかったら聞けば良いやん」
と言ったら
「説明聞いて分からんかったらどうすっと?『富士山の富です』とか言われても、俺、富士山が分からんとよ?」
って。いや〜あの時は悪い事したな〜。
確かに富士山の富どころか「木辺にフルトリです〜(←椎 宮崎によくある苗字)」とか言われたら全然分からんよね。怒らせはしたけど夫への理解は少し深まりました。
段々と仕事が忙しくなって、時間的余裕がなくなり、大半は自分で領収証を書いて行くようになりましたが、一緒にいる時は私が書いています。字を書く時は緊張して、ものすっごいエネルギーを使ってるように見えます。
いつもふざけてて明るい夫が、字を書く時は真面目で、少し不機嫌でした。
その姿を見るのがちょっと悲しかったです。
子供の名前
そんなこんなで子供も次々と産まれました。
名前は夫が読みを考えて、私が漢字を考えることにしました。最初は夫と私は別で名前を考えて案を出し合ってたんですが、夫は漢字コンプレックスのせいか、ヤンキー気質のせいか、凝った漢字を使いたがるんです。なんかダサかった。
そこで「読み方はなお君(仮名)が決めて私が漢字を考えるのはどう?」と提案しました。
子供の名前を書き間違えたら夫は恥ずかしいだろうな
と考えて、夫でも書き間違えない、調べなくても書ける簡単な漢字をあてる事にしました。
夫が「ななこ(仮名)」と考えて、私が「七子(仮名)」と漢字をあてました。普通なら菜とか那とか凪とか湖とか胡とか?こういう漢字が使いたくなるところですが夫は書けないのでやめました。
でも選択肢が狭まったおかげでシンプルで可愛い字面になったと満足しています。夫も簡単な漢字で良かったと今では言ってくれています。次女も長男も次男も4人とも同じように名付けました。おかげで書き間違える事なく今まで来ています。
、、、って夫が子供の名前を書く場面ってないんですけどね!
公的機関での手続きや契約
保育園の申請とか不動産の契約とか車庫証明とかその辺はもちろんいつも私が行っています。それは読み書きできるできないに関わらず奥さんが担当という夫婦もいると思うので違和感ないと思います。
ちょっと違和感があるとしたら、病院。病院にもついて行きます。
夫は視力が悪くて、結婚後、コンタクトにしようとなったんですが、そういうのも1人では行けないんですよ。問診票とか書かされるのが嫌みたい…あとは生まれついての甘えん坊。雨に濡れた捨て犬みたいな眼をして(、、、着いてきて、、、)ってこっち見るんですよ。
「何か書かされたらどうすっと?」
「何か読まされたらどうすっと?」
という不安と、甘えん坊気質が融合して、眼科へ行くのものも、いつもついて行ってました。
眼科で問診票を代わりに書いて、コンタクト屋さんで一緒に説明を聞いて。ずっとそうしてました。これは半年に一回でめちゃくちゃ面倒臭いので、1人で行くように何回も言って、ちょっと前から1人で行くようになりました。
この間、その事、子供に自慢してた。
練習すれば書けるようになると思ってた
そんな夫も字が読めるようになりたい。書けるようになりたい。とたまに言っていました。それはただ単に俺も、もう、大人やしな〜ってぐらいの軽い気持ちだったと思います。私も夫も練習すれば書けるようになると思ってました。
いつ頃かな?忘れたけど読み書きする練習に取り組む事にしたんですよ。私が考えた
新聞買ってきて社説を切り抜いて大学ノートに糊で貼って、それを書き写す
って方法。2回半ぐらいやったかな?あまりにも大変そうで辞めました。漢字は確かに知らなくて、ほとんどの漢字を初めて書くような感じでした。
でもその時、漢字を知らないだけじゃなくて
単語がまとまりで読めない。
読んでる文字の先を目で追うって事ができていない
行が変わると次の行がどこか分からない
「てにおは」読み間違い。
文末が推測したように読み替え。
文字をひっくり返して読む。
見ながら書き写すのも難しい
この辺の事に気づいて
小学校の時に音読が下手だった子ってこれか〜
と思いました。大人になっても下手と言う事は、上達するのなかなか大変じゃない?って思いました。
文字を書く訓練はやめた!
漢字をかなり知らない事は分かった。読むのもとっても苦手って事も分かった。
なのでその後も小学生の漢字ドリル買ったり、なんかしようとした事が数回あったけど、すぐ辞めました。
すっごい大変そう…って言うか苦行って感じ。
この苦行に比べれば読み書き出来ない今のままの方が全然良いわ!
という事で、文字を書く訓練はしないって決めました。
終わり
ここまでが結婚後2〜3年だと思います。
ただ読み書きが下手なだけ。
勉強嫌いだったから読めない、書けないだけ。
練習したらできる。
と思ってた頃。この後、そういう次元じゃないな⁈と気付きます。それはまた次回。
おまけ
その頃の夫と長女(2歳半)と次女(11ヶ月)。阿蘇に行った時の写真。
次女は赤ちゃん時代、運動能力が高くて、私が「運動能力高い証拠として柵に1人で座らせて写真を撮っておこうよ!」と言ったら、夫がビビって手を離せなかった時の写真。
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