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GoToは癒着により停止できない?

コロナ禍で露呈した、マスメディアと視聴者の関係、情報の大切さを考察する。

・はじめに
・新規コロナ感染者数の実態
・厚生労働省の会見・発表
・GoToトラベルの政府意見
・医師会等の意見
・報道は正しいか?
・GoToは続けるべきか
・まとめ

<<はじめに>>

このマガジンは、
「情報の大切さと、怖さ」
を理解してもらうべく、執筆している
毎回、記事冒頭に、批判覚悟で訴える。
・「情報はすべての行動の基本になります」
・「考えることなく、情報を鵜呑みにしたら、知的生物ではない」

コロナ禍で露呈した、マスメディアと視聴者の関係、情報の大切さを考察する。

<<新規コロナ感染者数の実態>>

昨日(2020年12月11日)付のニュースである。
全国で2700人超 東京で595人感染
12/11(金) 19:06配信 FNNプライムオンライン

11日、全国で新たに確認された新型コロナウイルスの感染者は、これまでに2,700人を超えている。
東京で過去2番目の多さとなる595人、大阪で357人の感染が確認されたほか、神奈川県では、これまでの過去最多を30人以上上回る285人の感染が確認された。
また千葉県では、船橋市立船橋高校の運動部員らの感染クラスターが新たに24人増え、あわせて70人に拡大したほか、神奈川県では、東海大学と神奈川大学でクラスターが確認されている。
全国の新規感染者は、これまでに2,730人で、重症者数は前の日から11人増えた、554人となった。

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<<厚生労働省の会見・発表>>

また、昨日(2020年12月11日)時点でのコロナ患者数を筆者がまとめた物である。
新規陽性者数  2,948人
PCR検査数 44,612件
入院治療等を要する者の数 +963人
退院又は療養解除となった者の数 +1,997人
死亡者 +37人 累計+2,501人
重症者 +11 現在 554人

太字の項目に注目してもらいたい。
新規陽性者数が約3,000人なのに対し、入院等は約1,000人(33%)。
しかも、退院者等は入院者の約2倍である。

以下は、厚生労働省のサイトからの抜粋である

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00087.html

厚生労働大臣定例記者会見:(抜粋:重要項目太字は私が加工)
令和2年12月、大臣記者会見概要 12月8日(火)
 また国民の皆様にも日々の感染対策についてご協力等をいただいており、重ねて御礼を申し上げます。
 今回、『「#(ハッシュタグ)広がれありがとうの輪」プロジェクト』と題して、感染予防の徹底と、医療従事者をはじめ、感染者やその周囲の方々に対する差別・偏見の解消を図ることを目的としまして、SNSを通じた対話型情報発信プロジェクトを開始することといたしました。賛同いただく組織、個人の皆様とつながり、一丸となり推し進めてまいりたいと考えております。
 具体的には、「感染予防の重要性」や「医療従事者をはじめ身近な人々への感謝の想い」を、各SNS等で「#(ハッシュタグ)広がれありがとうの輪」をつけて投稿いただきたいと思っております。
 表現方法は、文章・写真・動画・音声・イラスト・歌・ダンスなど、可能な方法でいろいろな形で発信いただければとありがたいと思っておりますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、もう1点ご報告を申し上げます。感染拡大をしており、医療機関がいろいろとコロナ等の患者の方々の対応をいただいておりますが、なかなかコロナ禍において、病院を運営する中で財政的に厳しいというお声をいただいております。
 厚生労働省としては、いつも私申し上げているんですが、補正予算や予備費によって、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる医療機関に対する病床確保料ですとか、それから診療報酬も引き上げております。更に申し上げれば、院内で感染拡大を予防するための費用という形でもご支援させていただいている訳であります。
 この補正予算や予備費等で約3兆円の予算を確保しているんですが、これがうまく伝わっていないというところがあります。また、都道府県から交付される分もございますから、それがまだ十分に行き渡っていないということもございます。

また、厚生労働省からの注意喚起は以下の画像である。
2020年12月12日現在

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今年4月にあった、不急不要の外出の件はないのである。
元々、不急不要の外出自粛は緊急事態宣言に関するものであって、
現在はGoToの推奨も含め、積極的な外出を認めている。
(マスクや3密は注意喚起の継続)

<<GoToトラベルの政府意見>>

2020年11月25日衆議院予算委員会で

御利用された四千万人泊について、まず、全員に検温をしておりますし、その後全てフォローをさせていただいておりまして、今言われた百八十数名の皆さんも、保健所からの連絡を受けた人間について、全てその数値を公表しております。
 詳しく申し上げますと、その中で、チェックインからチェックアウトまでの滞在期間中に感染された方は四十七名でございまして、その方々から他への感染があったということは聞いておりません。

よって、GoToが直接的な原因とはいいがたく、
GoToトラベルの経済的効果を優先して行っているものと思う。

<<医師会等の意見>>

政府の分科会の尾身会長は、「GoToトラベル」について東京などステージ3相当に該当する地域については、運用を一時停止すべきとの考えを示しました。
政府がGoToトラベルを延長することについて、「(新型コロナを)しっかり抑えて下火にしてから国民の理解を得てやる方が経済的にも影響がある」と指摘しました。

など、意見を唱えている。

一方、専門家を名乗る意見として

JCastウォッチ 2020年12月12日
「GoToトラベル利用者はコロナ発症が2倍」東大チームが初調査 「根拠あり」で菅首相はどうする?(2)
https://www.j-cast.com/kaisha/2020/12/08400610.html?p=all

GoToトラベルキャンペーンの利用者のほうが、利用しなかった人よりも新型コロナウイルス感染を疑わせる症状が多いという調査結果を東京大学などの研究チームが発表した

また、別の記事では

およそ2万8000人を対象に、新型コロナへの感染が疑われる嗅覚や味覚の異常、発熱や頭痛などといった症状があったかを調査しました。
 研究チームは「GoToトラベルの利用で感染リスクが増加した」、もしくは、「感染リスクの高い人の方が積極的にGoToトラベルを利用している」の2つが考えられるが、いずれにせよ、「GoToトラベルが感染拡大に寄与している可能性がある」と分析しています。

こちらは、ネット上でのアンケート形式での集計あり、
あくまで、自己申告。一般的な発熱や頭痛は起こる事であり、コロナ禍が騒がれればそうかもしれないと思う可能性は十分にある。
また、確認はできていないが、このチームのメンバーが
「あくまでアンケートの結果であって、エビデンスにはなりえない」
旨の発言をしている様である。

先に述べたJCastウォッチの記事で

エコノミストの門倉貴史氏はこう投稿した。
「このような調査が出てきて、GoToトラベル事業が観光需要とともに新型コロナの感染までV字回復させた可能性が高まってきた。観光・旅行は他の経済活動と異なり、いくら感染予防策を徹底しても、移動を伴うため『3密』を完全に回避することが難しい。GoToトラベルが感染拡大の一因になっているとすれば、経済効果どころか、それをはるかに上回る経済損失を発生させてしまう。この政策は『本当に経済効果があるのか』『感染拡大を助長していないか』など詳細な検証が必要で、一刻も早く全国一律で一時停止とすべきだ」

筆者は、Yahoo!ニュースで、この門倉氏の発言をよく見るが
慶應義塾大学経済学部卒業と書いてあり、経済学の知見は筆者より多いはずだ。
揚げ足を取る様で心苦しさはあるが、
「GoToの予算を雇用に回すように」
と書いていた記事が有った。現在は働く場所が無いので雇用に回すと言うのは言葉がおかしい。失業率が高いかもしれないが、有効求人倍率は100%を越えている。
そして、本質的に言えば、雇用の拡充ではなく、休業手当に回すべきであろう。
他の記事では、
「GoToキャンペーンが長期化すると、ありがたみがなくなり景気浮揚につながらない」
「コロナ禍の収束を持ってして、開始しないと、罹患者が増え結果的に、経済は死滅する」
等をコメントしている。
コロナ禍が収まる予想(インフルエンザと比較)で来年4月以降だろう。
4か月以上、経済活動の低下を招けば、どの様になるかは知っているはずである。

餅は餅屋であり、素人の私が専門家に意見するのも憚る面はあるが、
少なくとも、「情報学」の面から言わせてもらう。
・医師会は、GoTo停止を求めるのであれば、エビデンスを示すべき。
・示せない状態で、経済に口を出すのは場違い。

門倉氏は、専門家を名乗るのであれば、影響力を考え発言するべきである。
GoToとコロナ拡大の因果関係を示さず、GoToが原因と発言する事は慎んでもらいたい。
門倉氏は、経済学であり、医師でも疫学者でもない。
なぜ、公の場でこうも断言できるのか。

この様なことが続くから専門家を名乗る全体の評判が落ちる事だろう。
この構造は、既存メディアも同様である。
(もっとも、テレビ朝日等に出演していた岡田氏は最たる者だろう)

<<報道は正しいか?>>

先に、FNNの陽性者数のニュースを取り上げた。
速報として、数値はそこそこ妥当な線であろう。
疑問として、どこに、どの様に問い合わせたかである。
都の担当者に、陽性者数だけ聞けばこれらの数値も出てくるのは間違いない。しかし、回復者の数を聞かなければ答えることはないだろう。

もう一度、掲載するが、太字も掲載しなければ実体がつかめないはずである。
新規陽性者数  2,948人
PCR検査数 44,612件
入院治療等を要する者の数 +963人
退院又は療養解除となった者の数 +1,997人
死亡者 +37人 累計+2,501人
重症者 +11 現在 554人

また、先の東大チームの発表に関しても一応文章に「可能性」の文字は入っているが、見出し及び文の書き方から見るとGoToトラベルのリスクが2倍になったと印象付けられる人が多いだろう。
そして、インターネット上でのアンケートである事が書かれておらず、あたかも東大チームが疫学的に調べた様にも受け取れる。

つまり、新規感染者のニュースも含め、書いてある事は真実だとしても、他の判断基準になる情報を報道していないのである。

<<GoToは続けるべきか>>

これは、医学的・疫学的・経済学的に素人である筆者の私見である事を断っておく。
1:第3波はGoToが原因か
2:局地的に増えている場所と原因
3:GoToが直接的な原因でないと思う理由
4:経済的効果
5:政府への要望
6:野党・マスコミにしてもらいたいこと
7:医師会等へ

1:第3波はGoToが原因か
結論から言えば、可能性は低いと考える。
根拠として、
「今年の4月から冬にはまたピークが来る」
と言われていた。
それが現実化しただけである。
GoToトラベルが開始されたのは、2020年7月後期から。
感染者爆増は11月後半からである。徐々に広まったとしても、4か月はかかり過ぎである。
よっぽど、11月から始まった外国人の流入がトリガーとして捉えるのが普通だと思う。
(順次、在留資格者、ビジネスマン、観光)

筆者が思う要因は
・冬型の季節(寒さ、乾燥)により、ウイルスが活性化した
・国民の気の緩み(マスク、手洗い、三密等)
・外国人の流入(及び、水際作戦の失敗)

2:局地的に増えている場所と原因
現在感染が拡大しているのは以下の場所である。
・北海道
・東京
・神奈川
・群馬
・大阪
・福岡

北海道に関しては、気候の影響が強く出ている可能性が高い。
また、札幌、函館など都市部を除くと人口密度が極端に低く、医療設備が整わないのであろう。これは、事前に手を打たなかった厚労省と医師会の問題である。

東京・神奈川・群馬に関しては、気の緩みに関する感染とそのベットタウンである神奈川が多いと推測できる。

大阪も気の緩みが原因と思われるが、話を聞く限り局地的、つまりクラスターが大型化しているのではないか。

福岡に関しては、外国人の流入が原因だと思う。各国、海外からの流入に関しては2週間の自費隔離が原則であるが、日本は出発国の陰性証明と検温だけである。偽の陰性証明で、6人中5人が罹患していた事がニュースになったのは記憶に新しい。

3:GoToが直接的な原因でないと思う理由
先にも書いたが、GoToで感染しているのであれば、観光地の京都、奈良、仙台、静岡(伊豆)等でも増えていないとおかしく、
また、日常での移動でも同様に増えるはずである。
(意見として、GoToトラベルの先で、箍が外れて宴会等が開かれているのが原因)

4:経済的効果
少なくとも、GoToは経済を回している事には違いない。
ホテルが槍玉に上がっているが、
・目的地までの移動手段(鉄道・航空)
・宿泊施設
・宿泊施設への食料・物資配達
・食料・物資の問屋
・食料・物資の生産者
などが恩恵を受ける。
自民党の裏のドンと呼ばれる二階氏が観光協会の支援を受けている事は事実であろう。だから、菅総理は逆らえず止められないというのは、短絡である。
仮に、きっかけは支援があったとしても、一定の効果があれば問題ないはずである。

筆者としては、
・ライフライン(電気・ガス・水道)
・インフラ(鉄道、回線)
・一次産業(農業、漁業)
・二次産業(工場など加工)
・三次産業(小売り、サービス)
の順で大事であると思っている。もちろんすべて重要である事に違いはない。特に、工場は一度止めると再開には莫大な費用が掛かり、またその下請けは倒産する率が高くなる。

渡邉哲也氏のYoutube発言で
「店頭販売のみ、消費税0%」は面白い案だと思った。

私は少なくとも、門倉氏などが唱える、「コロナ禍が収まってから」では遅いと結論付けている。

5:政府への要望
・政府は、都道府県単位の情報だけでなく、
 さらに細かい地域(市区町村)での感染状況の把握。
 もしくは、各都道府県への分析結果の発表の義務付け。
・死亡者の経過(PCR陽性、入院、重症化、死亡までの日数)の把握。
・感染者の邦人か外国籍か、流入ビジネスマン等の公表。
・予備費(現在17億?)を医療従事者へのボーナスへ
 ※1~4月くらいに分けて
・水際作戦の徹底(邦人も含め、海外からの流入)、自費での2週間隔離。
・老人ホーム、旅客船などの病院化
・感染指定の引き下げ

6:野党・マスコミにしてもらいたいこと
・GoToの廃止に対する、エビデンスの検証
・その他の要素(季節性、感染予防、外国人流入等)の検証
 =>外国人流入を、マスコミ等がほとんど報じないのが不思議である。
   GoToより、よっぽど政権へのダメージとなると思うのだが。
・予備費を医療関係者へのボーナス支給の提案
・各自治体への県単位ではなく、市区郡単位での感染状況の発表
・安倍前総理の政治資金、学術会議の問題先送り
・ワイドショー等で、無責任な情報を流さない事

7:医師会等へ
・尾身会長自ら、れっきとしたエビデンスを含めGoToの中止を訴えること
・医師会は、他の要素も踏まえた、エビデンスを探す事
・自分たちが第3波が来るまで、何をしたかを公表する事
 そして、準備を怠った事を反省する事。

故に、各自が意識をもって自己防衛を行う事。
具体的には
・三密を避ける
・マスク手洗いの励行
・適度な換気、加湿
・十分な睡眠、栄養
これらが十分徹底されれば、GoToは失敗ではないと思う。

<<まとめ>>

・二階氏の観光業界との癒着で中止できない可能性は低い
 ただし、観光業界からの要望で開始された可能性は十分にありうる。
・野党、マスコミ、専門家はエビデンスを示すべき
・野党、マスコミ、専門家は外国人流入問題を取り入れるべき
・重要な情報も正しく流すべき。

最後に、亡くなられた方にはご冥福を祈り、その関係者にはお悔やみを。
闘病中の方には一日も早い回復を、医療従事者の方々には只々感謝するばかりである。

続く



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