JISS(国立スポーツ科学センター)でトレーニング指導員として働くメリット・デメリット

私はフリーランスになる前は、JISS(国立スポーツ科学センター)でトレーニング指導員として働いていました。

「トレーニング指導員」というのはJISSが呼んでいる職種で、基本的にはS&Cコーチのことです。

JISSを退職してフリーランスとして活動を始めてから3年以上がすぎましたが、今だからこそ、JISSでトレーニング指導員として働いた経験を客観的に振り返ることができるような気がします。

そこで、本noteでは、私が考える「JISSでトレーニング指導員として働くメリット・デメリット」について紹介します。

JISSのトレーニング指導員については、ちょくちょく公募が出ているので、「ちょっと応募してみようかな〜」と興味のある方の参考になれば幸いです。

※ちなみに、一応、退職した後も守秘義務があるので、基本的にはJISSのホームページや公募等で外に出ている情報をもとにお話をしていきます。内部の人間しか知り得ない秘密の情報みたいなものは含まれません。


ポジションによる違いについて

メリット・デメリットについて話す前に、いくつか情報を整理しておきます。

働く場所による分類

まず、JISSで「トレーニング指導員」という職種で公募されている場合、所属先というか働く場所が3箇所に分かれます:

①トレーニング体育館
②ハイパフォーマンスジム(HPG)
③ハイパフォーマンスサポート事業

私は「トレーニング体育館」で働くトレーニング指導員でしたので、本noteではそちらでの経験をもとにお話します。

ただ、この分類は私が所属していた当時のものなので、現在は変わっているかもしれません。

少なくとも私の退職後1~2年は、公募でもこの3つは明確にわけて募集されていたと記憶しています。

ちょっとややこしいので、今後、公募に申し込む予定の方は、事前に問い合わせをして確認されることをオススメします。


雇用形態による分類

また、トレーニング体育館でトレーニング指導員として働く場合でも、いくつかのパターンがあります。

①定員職員
②契約常勤職員
③非常勤職員

①はいわゆる正社員みたいな立場で、任期がなく、自主退職しない限りは定年まで働ける雇用形態です。定員職員の数は極めて限られているので、この公募が出る確率はほぼゼロです。

②は任期付きのフルタイムポジションです。通常、任期は4年です。私はこの雇用形態でした。

③はパートタイムのポジションで、通常、週に3回勤務で、1日あたりの勤務時間も少し短いパターンです。

JISSでトレーニング指導員として働くことに興味のある場合、②か③の公募に応募することになるでしょう。

②はフルタイムでの勤務になるので、基本的に今やっている仕事はすべてやめることになります。

一方、③はパートタイムでの勤務になるので、それだけで食べていくのは厳しく、他の仕事も並行してやることになります。

また、アスリートやチームの担当となり、トレーニングプログラムを作ることができるのは基本的に②の常勤スタッフだけです。

③の非常勤スタッフは、基本的には自分でトレーニングプログラムを作ることはできず、常勤スタッフが作ったプログラムをアスリートが実施するのをサポートするような形です。

非常勤スタッフの公募資料にもその業務内容として

“常勤トレーニング指導員の計画したトレーニング・プログラムを忠実に再現し、アスリートに対してトレーニング指導を行う”

と明確に書かれています。

ここを理解せずに非常勤スタッフに応募して採用されてしまうと、働き始めた後に「あれ、トレーニングプログラム作らせてくれないのかよ!?」となってしまうので、事前に把握しておきましょう。


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