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見えてるあれこれは増えて、翼にも枷にもなる

TOMOOさんという歌手の「Grapefruit Moon」という歌の一節。

転職をする人、会社を辞めてフリーに転身する人、起業する人、パートナーとの結婚を迎える人、子どもが生まれて休職や転居を迎える人…

僕らの年代は、今、何らかの転機を迎えている人が多い。30歳という年齢が目前に迫り、社会的に「若い」と言われる年代を終えようとしている。

皆、数字に意味がないことは理解しながらも、1つの区切りとして「30歳までの目標」や「20代のうちにやっておくべきことリスト」を設定する。

数日前にも、高校時代の苦楽を共にした友達から「婚約した」という報告のメッセージを受け取った。彼の幸せは素直に嬉しいし、本当におめでたいと思う。


もう苦いのも食べられると気がついた頃に思う
それはさ、豊かさ?鈍さか?なんてね

TOMMO 「Grapefruit Moon」より

歌詞はこう続く。

社会人になり、ビジネスマンとして働くようになった僕は、30を目前にして少し足踏みをしている。

社会通念上「人生のステップ」を上っていく友人たちを横目に、羨ましいというより、どうしても他人事としか感じられない自分にやや戸惑っているのだ。

いや、もちろん、他人の人生に関係する事柄は「他人事」だ。それは分かっている。

でも、家庭を持って、子どもを育てて…何だか僕には遠い世界のことのように思える。


年齢を重ねるごとに恋愛関係になるのも億劫になってきた。

恋愛がしたくないわけじゃない。パートナーは欲しい。

でも、否が応でも周りの人たちに見せられる「その先」を意識すると、「社会の色々」を知ってしまったもう若くない僕は、以前のように純粋な気持ちだけで行動することは難しい。


仕事もプライベートも経験が増えてきて、「こうやったら上手くいきそうだ」というアタリがつけられるようになってきた。が、それは、純粋に、無鉄砲に飛び出そうとする僕の「枷」となることも分かってきた。

僕も「王道」の流れに乗ろうと思えば、乗れるのだと思う。苦いものも食べられるようになってきた。でも、それが豊かさか鈍さかは、今は見分けがつかない。

グレープフルーツムーン
あの月は
渇くほど冴えてく果実

ほらあと少し
面白くなるまで

TOMMO 「Grapefruit Moon」より


最近の素直な感情を、できるだけ飾らないように文字で残してみた。
きっと何年後かに見返したら青臭い日記だと感じると思う。

青臭く感じられれば、それはそれでいい。

もう少し、面白くなるまで、社会の波に体を委ねるのは待とうと思う。


冷蔵庫にグレープフルーツはない。オレンジを剥いて食べるとしよう。


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