恋人ができないです


最近気づいたが私は多分、陸で一番モテない。
母親の股間あたりから生まれて数十年、私には恋人ができたことがない。なぜなのかは明白である。顔、スタイル、雰囲気、性格。全てがしょうもない。何か一つでもよければいいのに、全部がダメダメなのである。おさしみの方が可愛いまである。別にモテないことで困ったことはないといえばないが、このまま行くと、死ぬまで私にはパートナーがいない。一番愛している人、一番愛してくれる人がいない。それはなんだかさみしい。私はとりあえず年内に恋人を作るのを試みている。その試みのために私は以下のことを頑張ってみている。

1.容姿を磨く

これは単純に見た目を可愛くすると言うことである。とりあえず手始めに脱毛、エステ、ジム、などなど色々やってみたが、全部すぐにやめてしまった。まず脱毛に関しては痛すぎる。初めてやられた時は警察に通報しようかと思ったくらいだ。エステに至っては、よくわからない外人が私をヌルヌルにしてモミモミにするのだ。これに耐えればスッキリするのかと思えば、ヌルヌル感が残って本当に気分が悪くなるだけだった。ジムなんてもうジムの中にある温泉を使っていただけで、運動なんてしてない。エステからジムの温泉に行って、ヌルヌル、モミモミ、ホカホカになるだけだった。ヌルヌル、モミモミ、ホカホカなんて馬鹿馬鹿しくて人にも言えず、ジムもすぐにやめた。こんな私だが、なんとなく過ごしていたら4キロくらい痩せていたのでこのままダイエットだけでも頑張ってみようと思う。

2.料理上手になる

よく、「相手の胃袋を掴んで、ハートも掴むのよ!」などと言うので、「はい。ぜひ参考にさせていただきます。」といった感じで料理を頑張ろうと思った。私は、「弱火で3分は、強火で1分半だろう!」というような人間なので台所は出禁であった。とりあえず、私は本当に料理をしたことがないので、ゆで卵を作ることから初めてみた。ゆで卵のできる過程としては、①なんか台所からいい匂いがする。②母が皿に乗っけて持ってくる。というところしか知らないので、詳しく知るためにネットで調べてみた。どうやら、お湯を沸かしてからの卵を入れてからの何分か待ってからの殻剥いてからの完成!であった。めんどくさすぎる。こんなにもめんどくさいことを母はやってくれていたのかと感動した。私の足は台所へ向かっていたのに、いつの間にか近所のコンビニにいた。私は逃げてきてしまったようだ。ゆで卵も作れなくていいのか…!私…!だが、作れないのではなく、作ったことがないだけだと考えてみると、なんだかすごく気が楽になってしまった。「作ったことない」となると、「実は作れる」と言うニュアンスを感じる。これからもゆで卵を作ったことがない人間として生きさせてもらおうと思う。

3.人と出会う

私は本当に家から出ない。太陽のことを都市伝説か何かだと思っている。そんな私が、最近外に出歩くようにしているのだ。これも人と出会うためである。ひたすら犬の散歩をしまくっているし、外食にもたくさん行く。犬の散歩をしていれば、野良の横浜流星に出会う確率が0から0.00001くらいにはなるのだ。これほど素晴らしいことはない。「可愛いワンちゃんですね。どうです?横浜あたりでお茶でもしませんか?横浜だけに(笑)」なんていうお茶目な会話も夢ではないのだ。こういう時、必ずと言っていいほど私の犬はウンコする。人が話している時にウンコをするのが生きがいの可愛いフレンチブルドッグなのだ。こんなことならフレンチトーストの方を散歩させてりゃよかった。そんな後悔も遅く、横浜流星は長い足で去って行く。もう犬に肛門強化の訓練をさせるしかないのだろうか。まあその訓練が成功したとしても、横浜流星がウンコしてしまった場合にはもうお手上げだが。

4.人としての魅力を上げる

これは最低限の清潔感、人への気配り、などなどの内面の魅力のことである。風呂に入ったり、サラダを取り分けたりとか、そういうことである。風呂でサラダを取り分ければ大モテ間違いなしなのだ。そもそもサラダなんて取り分けてから出すべきなのだ。そうしないからサラダひとつで気配りがどうとかの話になる。だがそうすると、「俺のにはきゅうりが1個しか入ってないのに、あいつのにはきゅうりが2個も入っている!」などとしょうもないクレームが出たりするであろう。そんなことをレストラン、または居酒屋でホールの人間に言っても、知らんがなと言った顔で「申し訳ございません」と言われるだけである。こういう時、キッチンの者は本当に気楽である。お前の作ったサラダでホールはピリついているのに、顔も名前も隠し、裏でひっそりと料理するだけなのだ。何回同じミスをしても、怒られるのはホールの人間なのだ。『キッチン』から、『卑怯者』に今すぐ名前を変えるべきである。

さあ、ぜひみなさんもこの4つを参考に共に頑張ろうではないか。
ちなみにこんなにも恋人ができない私だが、至って毎日幸せである。イラストを描いたり、アニメーション作ったり、家族友達と話したり、犬と一緒に遊んだり、昼寝をしたり。こんなにも毎日充実している。ただ、この毎日の中に、自分のことを一番に愛してくれる人がいたら、さぞ幸せなのではないかと思い、たまに恋人が欲しくなる。年内にいい人に出会えなければ、ゆで卵でも作ってみようかと思う。

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