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腰が終わた

最近、労働労働労働労働死刑死刑死刑死刑労働労働労働労働だったため、ずっと絵をかいていた。
仕事において私は、締切ギリギリにならない限り絶対に動かない。
どんだけイケメンなKPOPアイドルが私を励まそうと、こればかりは絶対に動かすことはできない。
どんだけアダルトに励まされたとしても、絶対に動かない。

そして、締切1日前〜当日になってやっと動き出す。
だが、当初の予想通り、かいてもかいても終わらないのだ。
しかも、一気に集中してやらないと間に合わないので、食事なんて絶対に楽しんではいけない。
両手で食べるなんて、死んでも許されない。場所が場所なら銃殺案件だ。
そのため、主食がキシリトールになり、体が緑色になってきた。

そんな日々を何ヶ月も続けていたら、とうとう腰が、今までにない痛さを披露し始めた。その痛さというのは

『腰からケツにかけての場所が、
"くゎんくゎんくゎんkwkwkwk……ドゥーンッ……ベコベコベコベコォ〜ッ"』

というかんじである。
しかも、くゎんくゎんくゎん…ドゥーンときたら、自分の心の声担当の人達が「くるぞくるぞ……」とクラブみたいに盛り上げてくる

in 腰


最悪なのが、この状態でも仕事はしなきゃいけないことである。
と言っても、家でひとりで仕事している分には問題ない。
腰に対して変な動きをしたり、痛い部分を急に殴ったりすれば、一時的に痛く無くなっている感じがするのだ。牛の姿をしたブタみたいなペット兼犬が、私の奇行にビビるだけで他はなんの問題もない。


問題は出社した時である。会議中いきなり自分の腰を殴ったりし出したら即・奇行解雇だ。
しかも、全く見た目に痛さがでないので、そこそこ健康だと思われてそうで本当に悔しい。
「大丈夫?整体とか行ったほうが良いと思う」
とか言われると、本当に腹立たしい。
頭にナイフ突き刺さして出社してきた相手に「大丈夫?皮膚科とか行ったほうが良いと思う」と言っているのと全く一緒である。
本気で痛いのに、整体でなおるレベルだと思われているのが、めちゃくちゃ腹立たしい。しかも、体の一部位が痛い時に”整体に行く”という考えのない世間知らずのチビデブクリエイターと思われているのも、めちゃくちゃ腹立たしい。

そして、"予約してその時間に行く"という行為が戦争より嫌いな私だが、取り返しがつかなくなる前に整形外科を予約し、普通に時間通り行った。
そして私より姿勢のいいお爺さんのお医者さんに治す方法を教えてもらった。
「治すには、まず毎日ストレッチ。痛いのは鎮痛剤と湿布とコルセットで我慢。それ続けて痛くなくなってきたら腹筋。あと、この紙に書いてある4つの筋トレメニューを週に2〜3回しましょう。」
みたいな感じのことを言っていた。

ストレッチ、毎日!?
痛く無くなるまで、鎮痛剤!?湿布!?コルセッ……我慢!?
筋トレ週2〜3回!?
明らかに初対面の人に与えていいタスクの量を超えている。
運動など絶対にやりたくない。ふざけるな、お爺さん。だが20代の自分より姿勢がいいジジイの説得力は半端ないし、普通に診察してもらった立場なので、何も言い返さず快く受け入れた。

腰が痛いのに処方箋で1時間ぐらい待たされ、鎮痛剤を受け取った。
こんな弱そうな白い無味のラムネに何を鎮痛できるというのだ。もっと凄十みたいなパッケージにした方がいいんじゃないか。

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帰って鎮痛剤をのんだが結局、全く効かなかった。
ストレッチも、一時的に痛く無くなるだけだった。
湿布なんて腰をひんやりさせただけだった。
だが、コルセットはすごく良かった。というのも腰の痛みが引いたとかではない。焼肉に行った時に「満腹だ…」と満足した後、コルセットはずしたら締め付けていた分のお腹のキャパが広がり、「え待って!もっと食える!」と、二度満足することを許されるのだ。

眠る時が一番辛かった。ベッドがふかふかなことを医者に伝えた時に、絶対にそこで寝てはいけないと、ものすごい形相と歯並びで言ってきた。そのため、高反発マットが届くまで、床で寝ることになった。腰の痛みに耐えてまでスマホを見てゴロゴロするより、寝た方がいい。だが、人は寝るとき、目を瞑ってただ黙って意識が消えるのをただ待っているしかない。そんな中でも腰は痛いし、辛いし、痛い。
なんで私ばっかり。ただ猫背で過ごし、毎日イカれた食生活をし、運動という行為から逃げ続けていただけなのに。
一度自分を可哀想に(❗️)思い始めると、卑屈な思考が止まらない。そうなると、もう完全に寝られなくなってしまった。
この腰の痛みは外部からきているというより、内部からもっと内部にかけて痛いという痛みなのだ。なので、外部から殴ったり押したりするという外からの痛みをプラスすることで痛みが腰全体に分散し、脳が「なんかどこ痛いかわかんないけど、なんか痛いよぉ」となる。
”痛い”から、”なんか痛い”に昇格することで、腰から意識を逸らすことができる。
かといって寝ている間に腰を蹴ったり、殴ったりしてくれる彼氏もいない。
そんな時、椅子の足を腰の患部に置いて寝ることを思いついた。その重さは死ぬほどちょうど良く、即スヤスヤと寝られた。自分は物理的にも精神的にも、椅子の上にいる人間だと思っていたが、椅子の下で踏まれることで即スヤで寝ることができたし、本当に助けられた。次椅子が困った時は私も何かしてあげたいとも思ったが、それはそれ。これはこれである。

そんな生活を続けていたら、じわじわと痛くなくなってきた。ドクタージジイの言う通りすぐ筋トレを始めたが、すごく辛い。
腹筋も、3回ぐらいまで頑張ってできるのだが、あとは寝転んで数を数えるだけになってしまう。


その後も腹筋のやり方が悪いせいか、また腰を痛めてしまった。
だが、痛い→我慢→痛くない→筋トレを永遠に続けていると、少し腹筋が割れて微妙に美ボディになってきた。その上、普通に顔なども痩せてしまい、猫背で生活習慣が終わったまま微美ボディたるものを手に入れてしまった。
顔も体の形もスッキリしたのに猫背だけは治ってない姿が、傍から見ると非常にばかばかしい。なんかゴージャスなのに一部が残念というか、猫背のCAさんといったような感じだ。

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今後もずっとこのままだとし、私が80歳まで生きるとする。そして一年で腹筋が6個割れるとする。
現在22歳なのでクソ単純計算すると、58×6=348。
80歳のおばあちゃんになる頃には 腹筋が348個に割れてしまうのだ。

そんなことになったら、サーカスの出し物にされるかもしれない。腹筋で人を呼び、腹筋で笑いをとる。そんな毎日。そんな私に同情した人が、命かながらそこから一緒に抜け出してくれるとする。その人と結婚するかもしれない。照れくさいながらも、愛を育もうと初夜を迎えた時、風呂のタイルのように大量に割れた腹を見て、相手は一体どんな顔をしていればいいのだ。一体誰がそんな私に欲情してくれるというのだ。

彼は均等に割れた四角の集合にトラウマを抱いてしまうかもしれない。板チョコ工場の社長である彼は、板チョコをまともに見られなくなり、会社を辞めるしかなく、職を失うかもしれない。急に解雇された板チョコ工場の労働者達が彼の家を燃やしに来るかもしれない。その後彼は路上生活になり、丸めのチョコしか食べられなくなってしまうかもしれない。

人に迷惑かけたくない。そう思い、私はとうとう腹筋をやめた。
妄想で済んで良かった。人ひとりの未来を救った。と思い満足していた私は痩せていた期間も全くモテなかったことに気づいた。やはり人は、外見でなく中身が大事なんだつって。

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