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2019.10.24 分岐ルートの中で
明日の夜のバスで実家に帰らせていただきますが。荷造りをしていたら遅くなってしまった。
エドワード・ボンドの「男たちの中で」という舞台を観た。
2年次に上がってからずっと授業でエドワード・ボンドの戯曲に取り組んでいるので、我々にとって見逃せない演目だった。というか「男たちの中で」の演出家である佐藤信氏が我々の卒業公演としてエドワード・ボンドの「戦争戯曲集」を選んで演出もしているので、そういう事なのだ。
我々にとっては取り組まなければならないし興味があるものなので意欲的に舞台を見られたのだが、興味関心の度合いによって見終わったあとの感想がかなりバラバラになるんじゃないか?という作品だった。なんというか、セリフが噛み砕けないので展開も唐突に感じてしまうのだ。
ネタバレを防ぐために例え話をすると、兵士が上司に「赤ちゃんを1人殺してこい」と言われる。自分の子どもと他人の子どもとどちらを殺すか、自分の子どもを殺すのだ。コレはエドワード・ボンドが戦争戯曲集の第3部を書く際のきっかけとなったインプロビゼーションの内容なのだが、何人かでインプロを行った結果全員が自分の子どもを殺す決断をしたらしい。不思議だね、他人の子ども殺すでしょと思っちゃうけど。
曰く「喜んで人の名を捨てる者はいない」らしい。
「男たちの中で」は、この結果(例えだが)を戯曲の中でキャラクターに導かせるためのセリフ運びが難しいのだ。詩的すぎる。あと決断するのにあまり迷わないので結末が唐突に訪れて、置いてけぼりにされてしまう。未だに嘘では?と思っているよ。
会社という社会での戦争の中で、書類とペンという武器を使いどう上手く生き残ってゆくかというあらすじ。しかし理性的策略が渦巻く中に、本能的とも呼べる生き残りたいという欲が大きくにじみ出ているのが面白かった。人間味というか、本性とはまた違うんだけれど普段抑えているものがつい出てしまう瞬間の人間の可笑しさ。三揃いのスーツ着てさっきまで利益が株がと言っていた人がふとしたきっかけで「社会人とは別の生活」みたいなものが見えるのだ。そのギャップが面白いなと思ったよ。
みんなも見て〜。
夜飯。ミスド。
隣の席にいた女子高生3人が、女子高生会話をしていた。今度のテストの話とか、盛り過ぎている自撮りの話とか。
他者から見たらただの女子高生だが、本人たちからしたら女子高生という分類に属しているがれっきとした個々人なんだよな。ときどき他人の事を分類でしか認識していない時がある。
その女子高生にもサラリーマンにも店員さんにも別々な人生というのがあるのだ。家があって、帰ったら何か食事をして、その家も食事もみんな違う。世界には分岐ルートがありすぎる。
もう寝るという選択肢を選ぶ事で、明日の寝坊の回避率を少しでも下げないように努めます。この選択でルート分岐、なるか!?
なるか!?じゃない。寝坊するな。
本買ったりします、『不敬発言大全』が今一番気になっています。