佐波 蘭子

コーヒーは人生の句読点のようなもの。とめどなく流れゆく毎日に、少しの寛ぎをくれる。ほっ…

佐波 蘭子

コーヒーは人生の句読点のようなもの。とめどなく流れゆく毎日に、少しの寛ぎをくれる。ほっと一息ついて飲むコーヒーのように、安らぎのある言葉を紡いでいきたい。

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暮春の一コマ

スカイブルーの空に雲がたなびいている。網戸越しに清涼感のある風が部屋にすうっと入ってくる。冷やし中華をすする音と道路を通る車の音だけ聞こえる。 季節が巡ってくるのは普段と何も変わらないのに。世界中がステイホームしているなんて、まるでSF映画でも観せられているみたいだ。 間延びした空気が漂う部屋にいると、現実を忘れそうになる。いまが未曾有の事態にあるなんて。 オリンピックもどこか遠い国の夢物語のよう。ついこの間まで友達と何の気兼ねなく会っていたことがにわかに信じ難い。その

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