漫画家になるのは無理だなと思った

 ここ半月くらい、カワイ肝油ドロップの空き缶ばかりをながめてそれを絵にしてるのだけど一番最初のそれは空き缶の子どもと似ても似つかない別の顔で、それはそれでいい味出してるとカワイは自分で自分を褒め、自慢げにツイッターのアイコンにまでしたのだが、いまちょっと離れた壁に額装されたそれは(そんなものを額装するのか、そうだよ、私は自分の作品は、ハンコから文からツイートから日記からそしてそれにとうとう油彩が加わったが、そうだよ自分が大好きなんだよ自分から生まれた作品の第一の熱狂的なファンが私だ、だから額装までするのだ)、やはりひいき目にみても、空き缶の子どもの顔と似ても似つかない(主題提示部繰り返し。わかりやすく言い換えると、ベト5やドボ9で省略されるあれ)。
 
 飽きもせず完成の翌日からまた同じものを描き始めて今、五枚目と六枚目の途中なのだけど油絵の具というのは乾かないものだね、そしてぼんやりしているものだね。どうせだから七作目はもっともっとぼんやりさせたい。

 そして、だんだん空き缶の子どもの顔に近付いていくのもとても面白い。時間をかけただけ、ちゃんと結果としてあらわれてくれるのだな、どんなことでもというのを再確認した。たしかここに書いた。

 子どもの頃、マンガの上手な同級生がいた。自キャラを自分で作り上げて描ける人だった。私もやろうとおもった。子どもの私はその時に気付いた。「私は同じ顔を二度と描けない」
 漫画家になるのは無理だなと思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?