インフォメーション・インフレ/21世紀のインフレ
21世紀に入って新しい物価上昇の形が登場した。
それが「インフォメーション・インフレーション」だ。
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インフレの新型三分類
これまで概念として存在したインフレの形は次の2種類。
①需要牽引型インフレ
②供給不足型インフレ
需要牽引型インフレとは景気が良くドンドン商品が売れることによって値上がりしていく現象。
供給要因型インフレとは国内ではどうしようもない海外事情によって値上がりしていく現象。
現下の日本は従来の経済学において「供給要因型インフレ」とされる状態だ。
ロシア・ウクライナ問題に絡んで原油価格が高騰し、日本国内ではどうしようもない海外事情によって物価が上昇している…
だが、現下の日本におけるヘンテコなインフレは実際にはそれだけでは説明がつかない。
日本政府がおりからの財政赤字を金科玉条として徹底的に公共事業を削減しているので、原油価格の高騰があったとしてもデフレ基調で推移するはずだ。
特にここ5年における人件費の高騰は従来の経済理論における解釈の幅を超えた。
そこで新しいインフレ概念が必要になる。
それが「インフォメーション・インフレーション」だ。
インフォメーション・インフレとは??
インフォーメーション・インフレとは何だろうか?
少しだけ長くなるがお付き合い頂きたい。
個人情報の商品化
1995年のIT革命を端緒として、個人情報の商品化が開始された。
人々はネットに繋ぐことで、個人情報を商品化し売却することが可能になったのだ。
例えば、スマホ。
スマホを持つと「誰が?」「どこにいるのか?」という個人情報が商品化されてIT企業セグメントに売却される。
その売却代金分だけスマホ利用料金が割り引かれ、我々はスマホというスーパーコンピューターを格安価格で利用できているのだ。
つまり、スマホを所有しネットに繋ぐことで我々は知らず知らずのうちに個人情報を売却し情報所得を得ているのだ。
このように1995年以降において、
我々はネットに繋ぐことで個人情報を商品化売却できるようになった。
個人情報商品化によるデフレバイアス
個人情報の商品化はネット通販で顕著なのだが、サービス価格をドンドン低下させている。
価格の低下はデフレを招くので、これは個人情報商品化のデフレバイアスだと言える。
このように、1995年以降に始まった個人情報商品化はデフレバイアスを世の中にかけ続けている。
実際、日本では1995年のIT革命直後、1997年から20年以上にわたりデフレとなった。
いささか逆説的ながら、この「21世紀を前に日本が先進国で唯一デフレに突入した」ことから日本は個人情報商品化における先進国だと言えるのではないだろうか。
何故日本が個人情報商品化における先進国になったかといえば、日本は敗戦によって諜報機関を失ったことが大きく関与している…
ここらの議論は本日の主題から乖離するので深入りは避ける。
どうしても続きを聞きたいというリテラシーの高い御仁がおられたら…
まあ、お任せする…😉
個人情報商品化によるインフレバイアス
個人情報の商品化がデフレバイアスになることはすでに述べた。
だがその一方で、個人情報の商品化はインフレバイアスにもなるのだ。
人件費を考えてみよう。
目下において働く時には労働力を売却している。
そして原則として働く時には個人的にネットにつながることは出来ない。
だから働いている時には個人情報の売却が途切れてしまう。
つまり、
働いている時には個人情報商品分の稼ぎがなくなる。
この「働いている時の個人情報商品分の稼ぎ」も、賃金に「上乗せ」しなければ労働市場で人が集まらなくなっているのだ。
2024年を生きる人々は、ネットに繋がるだけで個人情報を売却して情報所得を得ている。
したがって、
「働いているとネットに繋げられない。すると得られるはずの情報所得が失われてしまう。だから我々を働かせたいなら情報所得分も補填せよ」という無言の圧力で賃金が上がっているわけだ。
2020年〜 人件費高騰の正体1/2
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働いてしまうと、ネットに個人的に繋げなくなる。
ネットに繋げなくなると個人情報を商品化して売却できなくなる。
個人情報を商品化売却できなくなると、情報所得が減少する。
この働くことによる情報所得減少分を、人々はほぼほぼ無意識のうちに企業で働く際に要求し始めている。
だから、
2020年ごろから賃金の上昇が著しいのだ。
インフォメーション・インフレとは??
インフォメーション・インフレとは、働くことによる情報所得の機会損失分を人件費に上乗せすることで生じるインフレである。
従来の需要牽引型インフレとも供給不足型インフレとも全く異なるメカニズムで起こるインフレだ。
デフレのネット空間//インフレのリアル空間/インフォメーションインフレでますます広がる乖離
個人情報が商品化されることで、ネットでは価格が安くなる。
その一方で個人情報が商品化されないことで、リアルの労働現場では人件費が上がり、それを要因としてリアルの商品全般が高騰していく。
ネット空間はデフレ基調。
リアル空間はインフレ基調。
こうして、ネットとリアルで価格の乖離が大きくなっているのだ。
また、現下進行しているロシア・ウクライナを震源地とする供給不足型インフレ(コストプッシュインフレーション)も絡んで物価が不景気の中で上昇している。
原油由来の価格上昇バイアス。
情報由来の価格上昇バイアス。
その一方で、下地にある慢性的な需要不足による構造的な価格下落バイアス。
新しいインフレの三分類を用いれば、
物価の問題を、
三つの要因には分解できる。
だが三つの要因が絡む、いわゆる「三体問題」は非常に非情なまでに厄介なのだ。
インフォメーション・インフレの未来
わかんない🥴
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