これがコルクラボのPJだよ。外とつながり大きな熱を生み出すとき【連載第8回】
みなさんこんにちは、【オンラインサロン『コルクラボ』に所属して1年経ったので色々振り返ってみた】連載第8回です。
コミュニティって、まずは中の人たちが居心地良い状態をつくっていくことが大事だと思いますが、盛り上がってくるとイベントとかをやってみない??なんて話が出てくることがあるかと思います。
熱が高まると、それをもっとたくさんの人に伝えたい。
自然なことだと思います。コミュニティ内で熱を持ったものがコミュニティの外の人にも熱が伝わって盛り上がってきたらステキですよね。
今回はプロジェクトを通して、中の熱を高めながら、外とつながっていくには、という話になります。たったひとつのプロジェクトの話を書くだけでかなりの長文になってしまいましたが(笑)
おつきあい頂ければ幸いです!
■プロジェクトは誰かのひとことからスタートする
まずはコミュニティ内の話から。運営が軌道にのってきてメンバーの心理的安全が確保されてくると、個人の内面のさらけ出しが起こってきます。
仲間が自分の『スキ』を紹介してくれたり持ちこんでくれたりという現象も起こってきますよね。
そんなとき「あ、自分もそれ気になってたんだよね」という人がいたら、スキを共有できる仲間が生まれる。僕にとっては、また一つコミュニティに所属してよかったなと思える瞬間だったりしますが、そういうときはきっとお酒飲みながらスキを語り明かしたりしますよね(笑)
これが3人くらいで盛り上がっていると、そのうち「なになに?それ楽しそう」というメンバーができたりして、熱量に引き寄せられるように人が集まったりします。これが起こってくるなら、コミュニティの発酵は順調だと思います。
マンガ好きならみんなでマンガを持ち寄って読んでみたり、映画好きならみんなで映画を見に行ったり、詳しい人のスキに便乗すると新しい世界がひらけてきて、好奇心旺盛な人にとってはもうワクワクがとまらなかったりしますよね。
この段階で、はたから見るともう立派な「プロジェクト・部活動」がスタートしているのだと思います。
コルクラボには誰かのスキから始まるプロジェクトやイベントがたくさんあります。
・フェルメールを見に行く会
・好きな漫画を持ち寄ってみんなで読む会
・おいしいものを食べに行く会
・ダイエットをがんばってみる会
・音声をとって配信する会
『スキ』でつながる仲間って仕事とは違ってみんなが主体的に動いて盛り上げてくれたり、運営を手伝ってくれるので居心地の良さはMAXに高まりますよね。これはこれで最高だと思います。
■コミュニティ外のヒトともつながりたくなる
仲間とスキを語っていると、そのうち誰かが「もっとたくさんの人を巻き込んで楽しみたいよね」なんて話が出てくると思います。そんなやりとりがあるといよいよプロジェクトはコミュニティの外に向いていきます。
ただ、外の人を巻き込んでマンガを読んだりイベントを行ったりということを始めると多少の責任も出てくるし、会場も借りたり予算管理をしなければなりません。ここを乗り切るのが肝となります。
僕は、プロジェクトが外向きになるとその瞬間、仲間の集まりが「チーム」に進化することを求められるのかなと最近感じています。
単なる個人の集まりとチームの違いといったら
①共通のゴールがあること
②みんなで頑張ろうという意思があること
が大事になってくるので、ゆるいつながりをぎゅっと濃くしなければいけなくなります。ありたい姿を決めてから、コンテンツを作っていきます。
■この小説がスキ!そんな仲間に出会いたくて
ここからは僕の事例を一つ紹介したいと思います。一冊の小説をもとにスキを外に発信して大きいイベントに育てた話です。
僕はあるとき仲間に一冊の本を紹介してもらって、すごく好きになったんです。『それってキセキ』というアーティストのGReeeeNをモデルにした小説なんだけど、自分の青春とすごくリンクしていて、めちゃくちゃGReeeeNがスキというわけではなかったのにスキが燃え上がったんですね。
それから、仲間といいよねいいよね言ってたら、これは読書会をやって好きな人と語りたいよねという話になり、プロジェクトがスタートしていきました。仲間が著者の小松成美さんと出版社の担当さんにお願いをして、なんと作家さんがきてくれる読書会のイベントが立ち上がっていきます。
告知の方法はツイッターのみで、僕らはたった6人。小さな会議室をかりて集客をスタートさせました。集客には自信がないから、まずは10人くらいを目標にしたと思います。デザインが得意な仲間はデザインを作ってくれたり、司会が得意な仲間は司会をやってくれたり、メンバーの数だけ工夫を増やしていい会にしたいねって毎日連絡をとっていたと思います。この過程は楽しかったなぁ。
このとき、大事なのは「自分の得意な分野で貢献する」これだと思いました。仕事だと、やりたくないこともやらなきゃいけなかったりしますが、コミュニティでは得意なことや好きなことで貢献できるようにしてくことが大事だと思います。
コルクラボの学び★仕事じゃないので、コミュニティ内では無理をしないこと。自分のできることでプロジェクトに貢献する。苦手なことは得意な人に頼っていい。
そうやって、僕らは初めてコミュニティ内のスキからその外のスキとつながる一歩を踏み出しました。当日は何時間も前から会場入りして、なんとなくみんな落ち着かなくて、ドキドキしていて、本当に参加者の方たちがきてくれるのかなとか不安だったなぁ。
■僕らが出会った『スキ』は想像以上の『スキ』だった
読書会は20人の方が来てくれました。が、驚いた。
僕たちの想像をはるかに超える『スキ』の持ち主がたくさんきてくださったんですね。東京の小さな会議室で行った読書会にはなんと全国各地から、飛行機に乗って、夜行バスに乗ってファンの方が来てくださいました。
「もっともっと好きになるわよ!こっちの世界においでよ」
そんな一言をたくさんもらい、著者の小松さんは作品に書かれたたくさんのストーリーを解説してくれました。僕もメンバーも知らないうちに泣いていたと思います。小さな仲間のスキがこんなキセキを生むなんて。
そのとき書いたnoteがこちら↓↓
読書会の感動は僕らの見えないところで、広がっていきました。SNS上で猛烈にハッシュタグがとびまくっていったんです。
僕らが小さな発信力で集客した方たちは、大きな発信力を持った素敵な人たちばかりでした。よく考えてみたら、あんな小さいツイートを見つけて全国から来てくださった方たちなので、熱量の高い方ですよね。
当時は年明けの1月上旬でしたが、2018年の一番の出会いはこの出会いだったなといえるくらいの素敵な出会いに、僕たちはただただ感謝していたと思います。
■読書会の振り返りから次の一歩へ
読書会が終わってから僕らは頂いたアンケートをもとに、振り返りを行っていきました。定量・定性情報でアンケートをとって、フリーワードのテキスト分析もしながら、ツイートしてくださった方に100万回くらい心の中でいいね!をおしながら整理をしていきました。
ここで、メンバーが機転を利かせてくれてアンケートの項目にユニークなものを入れてくれたのが、次の展開へのヒントとなります。
「質問:次回、読書会がある際に連絡を希望しますか」
これがグッジョブ過ぎて、10人以上の方が連絡希望をしてくださり、ツイッターアカウントを書いてくれたおかげで僕らの仲間は6人から25人になりました。
■仲間をゆるやかにコミュニティ化していきイベントが進化
試しにやってみた読書会は大盛況で、僕らはとても満たされた気持ちになったのですが、コミュニティの中でも変化が起きてきました。
イベントの様子を聞きつけて、プロジェクトに参加してみたいと興味を持ってくれた仲間が増えてきたんです。僕らもコミュニティ内のひとりでも多くの仲間にあの日の感動を共有したくてしゃべりまくっていました。
コルクラボの学び★ひとは楽しそうにしているところに集まってくる。
コルクラボは公園みたいで、楽しそうな遊びをしているところに人がやってきて、遊び方を教えてもらってみんなで遊ぶという文化ができています。遊びを考えたり持ちこむのもよし、色々参加してみるのもよし、好奇心旺盛な子どもの心に戻れば色んな出会いのきっかけが生まれるんですね。
そして、コミュニティ外の仲間ともつながり、第2回の読書会に向けてSNSでゆるやかにコミュニティが形成されていきました。
■参加者を運営する側にまきこんでいく仕組み
2回目の読書会は周りの仲間の熱狂に背中をおされて、すぐにやってきました。今度は読書会の1ヵ月前からみんなで本を読み始めてツイッター上で好きなところや読書の進捗を報告しあいながら進めるという仕組みも入れました。ハッシュタグをたどれば、全国の仲間がどこを読んでいて、心動かされたのかを交換できるような仕組みです。これはとても盛り上がって、僕は毎日のように誰かの感想を読みながら自分も読んでいきました。SNS時代の新しい読書体験の可能性を感じますよね。
この仕組みは、参加者の方が発信する側になってくれて言わば運営メンバーの応援団となってくれたので、集客は受付開始から1日で40人、3日でほぼ満席。参加者同士は当日前にそれぞれがコミュニケーションをとってどんどんつながっていきます。
僕たちは意識して運営の裏側を発信するようにしていきました。どんな仲間が運営をしているのか、どんな悩みがあって、活動をしているのかを全部さらけだしています。
そして小さな運営組織の日々にはたくさんの方が応援メッセージを下さり、僕たちはたくさんの仲間と同じゴールに向かっているような、心を支えてもらっているような日々を過ごしていました。
コルクラボの学び★運営のバタバタも発信するとエンタメになる。そして、本気でがんばっていると応援してくれる人が出てきてくれる
■第2回の読書会、まさかのトレンド入り
日々はあっという間に過ぎていき、第2回読書会の日がやってきます。たくさんのトラブルがあったのですが、仲間も参加者もとても温かかったです。60人くらいの参加者のみなさんととても熱い時間を過ごしました。
そして、当日開場に来られない方に向けて参加者のみなさんがツイートで発信してくださったおかげで、#それってキセキ は時間帯のトレンド入りしてくれました。これはほんとにうれしかったです。たくさんの方に輪が広がったことをうれしく思いました。
■プロジェクトはみんなのものになっていく
僕たちはコミュニティの外を巻き込んだプロジェクトを行い、たくさんの出会いと学びを得ることができました。先日は、とうとう学校の跡地の会場を借りて学校に行ってみんなで本を読むという体験もできました。(この話は後日あらためて)
これまでのようにたくさんの方に出会えて、つながり、感動して、今日という日のすばらしさをみんなで味わい、感謝してまた送り出していきます。
読みすぎてぼろぼろの本、付箋だらけの本、同じ本が好きな仲間とつながりたいという僕らの思いはどんどん現実になっていきました。
著者の小松さん、編集者の中條さんまで参加くださって、作家と編集者とファンが一度に集まるという、今考えてみるとすごいイベントになっているなと思います。
著者の小松さんは、読者の方とこれだけじっくり話をして、愛されていると実感したのは初めてだとお話しくださいました。
参加者の方達からは、この本に出会えたことに対する感謝のコトバがとびかっていました。僕らもその輪の中にいました。
イベントの最後に僕たちは、自分たちの思いを参加者の方たちに伝えました。これまでの読書会の資料やノウハウは全部まとめたので、お渡しできます。これからは全国各地でみなさんも主役となってスキを発信していこうというメッセージをさせていただきました。
僕たちのプロジェクトはみんなのプロジェクトの種になったらいいな。
全国でもっとたくさんのスキが増えるように、これからもそんな活動をしていきたいと思っています。感謝。コルクラボのプロジェクトってすごい。
内容を分割しようとしたのですが、一気に読んでいただいたほうが熱量が伝わるのではと思い、長文ながらもそのまま書ききってしまいました。
書ききれない話がまだまだあるのですが、読むのも大変だと思いますので今回はこの辺にしておきます。(続く…)
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いつもnoteを読んで下さりありがとうございます。
今回の記事は約10回の連載になる予定です。
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なお、僕のツイッターは @kawahao です。
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