キャスティング

てんてこまいである。11月にある本番の舞台、劇中にガチンコで卓球の試合で4チームが戦い、優勝したチームのエンディングが上演されるというマルチエンディングシステム。つまり、4種類のラストシーンを書かねばならず、脳みそが乾いた音を立てている。4月にコロナの影響で中止になった舞台なので、毎日、中止か?本番はあるのか?の間で、日々溢れる感染者何人だ、マスクが1万円だの大騒ぎの日々に、筆が明らかにそわそわしている。あれから半年、久しぶりに読み返してみると、腰が入ってないな!と思えるセリフやシーンがちらちらと見られ、どうも、あの頃の自分が、未来の自分に「なんとかしてくれ」託している節がある。いい迷惑だ。なにせこちらはエンディングを4パターンだ。楽させてくれよ、当時の俺。ああ、これが自業自得か。だけど、とても正直に言えばあの頃、面白いことが本当に思い浮かばなかった。絞り出しているのが読んでわかる。呑気にギャグなど考えていられるような気分じゃなかったのだろう。そう思えば、8月にバカなコントを書き、今回もくだらない笑いを沢山かけているのは、心も少し落ち着いてきた証拠かもしれない。

閑話休題。そんな大騒ぎの執筆の息抜きに、学生の公演のキャスティングを考えている。「10月中に」と口走った手前、10月中に決めてしまうしかない。1年生、2年生の合同自主公演という、特殊な形態なので、また難しい。

得意そうな役、つまり、合ってるなと思う役をふるのか、読めない予想がつかない役をふるのか、悩む。

上演全体として完成度をあげることを狙うなら、前者の方が確実だろう。
比較的経験と技術のある2年生を難しいところに配置すれば打率は上がる。
でも、せっかくなのだから冒険するのもありじゃないかとも思う。とにかく

2年生のキャスティングが鍵なのは確か。
この生徒にこの役をやらせたらどうなるんだろう、
この生徒とこの生徒を絡ませたらどういう化学反応が起きるのだろう、
この生徒とこの生徒をダブルキャストにすると、とても刺激や気づきがあるのではないか。

欲張りたくなる。掘っても掘っても終わりが見えない、というか、掘るたびに手応えと、まだまだ、という感触があり続けるような、稽古がとても楽しくて仕方なくなるような、そんな夢のようなキャスティングができたらいいなあ。と思いながら、今は学生と話す機会を増やしている。だらだら雑談していると、見えることや気づくことは山ほどある。し、それがないとキャスティングの材料が足りない。今も、もう少し材料がほしい。

だが、4種類のエンディングでそれどこれではないちゃない。考えつつ、考えようと思います。そういえば、耳の大きい女の子は可愛らしいなと、思いました。何かを見て思ったのだけど、何を見たのかがさっぱり思い出せない。

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