善意という暴力(2019/9/26)/堀内進之介【読書ノート】
本書は、暴力の定義が時代とともに「構造的暴力」として広がってきたことを詳細に解説しています。特に注目すべきは、構造的暴力が必ずしも悪意から生じるわけではないという点です。本書では、中央集権的な「国家」による暴力と、ネットワーク型の「母性的支配」による暴力が議論され、後者が詳細に探求されています。
この「母性的支配」は、例えばネットショップのレコメンデーション・システムのような、善意からくる強制的な選択にも見られます。しかし、このようなシステムが過度に人に適応すると「官僚制」