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紀行というより巡礼旅の途中
私の人生そのものが「巡礼旅」だった。そう気づいたのは、小泉八雲の『日本の面影』を読んでからでした。
神社が好きで、巡るようになったのは6年前に脳梗塞になってから。古事記などの日本神話で八百万の神さまの存在を知り、神楽を見たりするのが好きでしたが、それだけが巡礼に値するのかというと、もっと広い意味なのだな、と感じることがありました。
2020年、緊急事態宣言が出たタイミングで、東京生まれだった私は、未知のところに住みたいと考えるようになりました。歌人の柿本人麻呂が言霊について詠んだ歌を知ったときに、取材ライターをしていたこともあり、
インタビューって言霊だな
そう感じて以来、インタビューの中から温度の高い言葉(言霊)を集めて、その方のいまを現す一句をお渡しすることをはじめていました。
柿本人麻呂が過ごしたという伝説や、人麻呂が亡くなったといわれている島根県益田市に住みたいと熱病にかかったように思い始めて、気が付けば観光協会の職を決めて、家も探していただき、島根移住が決まっていきました。
土地の歴史も好きだったこともあり、地域の聞き書きを仕事にしていたこともあって、お話を伺いたい柿本神社の宮司さまにお会いしてお話も伺う機会もありました。
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そんななか、さとうみつろうさんのはじめた『セカイムラ』に興味を持ち、なんとなく登録してから、セカイムラ島根のメンバーと集まるようになり、いつの間にか大根島へ移住していました。
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出雲に呼ばれた
松江と縁の深い小泉八雲の人生は、旅への衝動を『幽霊(ghost)』とエッセイに記すほどでした。それを読んだとき、すべてが腑に落ちました。
人生は目的なんてない。
ただ衝動に導かれて、
その過程を楽しむ。
これまでは、なにか使命を果たしにどこかへ向かっているのだろう、と思っていたのです。
意味なんてない、となぜだか肩の力が抜けて、楽になりました。
また、次の場所へ行くと思いますが、ふわりと行けそうな気もしてます。
まだ、巡礼旅は続きます。
ここまで読んでくださりありがとう。
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