脈略もなく突然襲われた感じ

わたしはある種のジャーナリズムの世界に少しだけ身を置いていて、それは情報を見つけてきてまとめて発信するという点で見る人にとってはジャーナリズムなのだけれど、大上段からジャーナリズムを構えている人に対しては頭が上がらず、だからこそある種なわけなのだけれど、それでも考えるわけです。情報が飛び出していってその後、わたしはその情報の受け止め方をコントロールできないということを。そして、コントロールできないのだけれど飛び出していった情報に責任を持たなければならないということも。

わたしは会議室にいて、議題は様々だったのだけれど、いつの間にやらシャルリエブドについて男の人が話していました。

彼らもこうして会議をしているところにテロリストが入ってきて殺されたんだな。

と彼は言いました。

わたしはその瞬間、ニュース映像で見た襲撃の映像が思い出され、そして彼らが何が起こっているのかもわからぬままに自分が殺されるかもしれないという、殆ど本能の条件反射で必死に逃げ惑い殺されていった光景が想像されました。そしてその光景は現実にいるわたしの、会議室にトレースされて、ドアを蹴破って入ってくる黒ずくめの銃を持った男たちと逃げ惑う私を含んだ会議室の中の人々と殺されてしまうわたしがとても現実的なこととして見えてしまって、わたしは突然本当に襲われてしまったようでとても怖かったです。

こうして、脈絡のないところであのテロのテラーが機能していることにわたしは驚きました。

あまりに多弁であるとわたしは殺されるかもしれないなんていう恐怖が、ある種のジャーナリズムなんていっている私にまで及んでいて、するともちろんわたしは口を慎まないといけないのかなとも思ってしまうわけで、テロリストはもちろんわたしのことなんて知りもしないのに、彼らが与えやうとした恐怖がわたしにまで働いてしまっていることのおぞましさを思いました。

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