引っ越し

夢でみた場所と同じ光景に出会ったという、それで住むことを決めたひとつの奇跡みたいな解釈によってつなぎ止められていたこの場所を離れ、また新たな場所へとお引っ越しをすることにした。

そして、わたしはわたしひとりで生きていくのだと思っていた20代前半の、それもまたひとつの解釈でもってつなぎ止められていた「わたし」という居場所からもお引っ越しをして、ふたりですこし広いお家に住むことにした。

わたしはかれのことがとても好きで、かれはわたしのことを好きなのかどうかはわからないけれど、一緒に住むことになるにいたるまで、驚くほどスムーズにことは進んでいった。


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