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2019年10月25日22通目

10月下旬、土屋死刑囚から手紙が届いた。

返信さえ送ってくることがない彼からの、いきなり届いた手紙に、何があったのだろうかと少し不安な気持ちで封を開けた。

冒頭には、相変わらず過ごしているとの近況報告が。その後の本題には、

「河内さんと文通・面会を希望している収容者がいる」という旨が書かれている。そのまま読み進めた。

浜名湖連続殺人事件の容疑者から

夏の暮れ、土屋氏の元に、同じ東京拘置所の収容者から手紙が届いたという。

その者の名前は川崎竜弥。浜名湖連続殺人事件という事件の犯人だそうだ。

事件名をネット検索してみた。

すると2019年3月16日中日新聞朝刊に、こう報道されていた。

【控訴審判決で、東京高裁は十五日、一審静岡地裁の死刑判決を支持し、弁護側の控訴を棄却した。】※ 今年3月15日

川崎氏は、土屋氏と数回の文通のやり取りのうち、私の存在を知り、面会を希望するに至ったそうだ。

さらに土屋氏は私に、川崎氏に対して

「取材や文通をして頂くことはできませんか。」

と提案をしてきた。詳しくは本人までという文章で締めくくられていた。

追伸には、私が土屋氏の事件について寄稿したときの週刊金曜日を読んだという報告と感想が書かれていた。児相に入った年齢と出所年齢が誤っていたとの指摘もあった。

本件に限らず、報道や新聞でも誤った情報が流れている。書く一人として、事実関係は当然正確でなければならないと改めて痛感させられる。手紙が届いた翌日、私は土屋氏に返信した。

2019年10月25日22通目

土屋和也さま

こんにちは。お手紙ありがとうございます。

土屋さんから手紙が送られてくることが殆どないので(笑)、何かあったか?!と思い、すぐ封を開けました。

まず、週刊金曜日、読んでくださったんですね。ありがとうございます!

そして、記載事項の誤りがあったこと、申し訳ないです。

私は土屋さんの事件背景について、過去の新聞紙をたどって調べていました。新聞には児童養護施設に入ったのが、1歳〜2歳と記載されています。でも、本当は4歳。このことを教えてくれたのは、風の家の佐藤さんです。

世に出てる情報が誤っていて、まだまだ知られていないことを実感します。

今後も、これから発信する私の文章に誤りがあった場合、ご指摘頂ければ幸いです。

続いて、川崎竜弥さんの件。

ご提案、ありがとうございます。

文通や面会等、もちろん差し支えないのですが、私は沖縄住まいなので頻繁には通えず、どうしても出来ることが限られてしまいます。

実は土屋さんとの面会も、私が環境を変えたことで途切れ途切れになり、申し訳ない気持ちでいます。

既に私の所在地などを、川崎さんに伝えているとのことなので、まずは手紙を待ちます。その後、取材に関しては検討しますね。

12月、東京に行きます。

12月16日に拘置所にお邪魔する予定なので、お時間いただければと思います。

これから寒くなる季節、体調崩されませんよう、ご自愛ください。

2019.10.25 河内千鶴

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ひとりごと

11月の1週目が経過した現在、先述した事件の犯人とされる川崎竜弥死刑囚からは、まだ手紙が届いていない。

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