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遅い仕事術。

 仕事ができる人は、レスが早い。その場でサクッと判断して、どんどんと物事を決めていく。そういうイメージありますよね。

 でも、実はそんなに単純な話ではありません。

 仕事柄、多くの人の仕事をみてきました。まあまあ仕事ができる人は、確かにどんな局面でも物事をサクサクと決めていきます。そういう人が上司だった場合、とても楽ですよね。でも本当に面白い仕事をする人の場合は、少し違います。簡単にいうと早さの違う思考回路をどちらも持っているのです。日常のほとんどの雑事は早い思考で片付けていきます。しかし、案件によっては、遅い思考回路が発動します。こうなると納得する答えに辿り着けるまではテコでも動きません。ぜんぜん早くありません。むしろ激遅です。

 遅い思考回路の発動は、クリエティブの現場ではしばしば見られます。

 エヴァンゲリオンを作った庵野秀明さんは、ドキュメンタリー番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」でも描かれているとおり、映画づくりの現場でも、なかなか決めないといいます。スタッフがいくら急かしても決めない。ダメ出しはするけれど、軽々に答えは出さない。現場が止まろうが、公開日が遅れようが、自分の望むレベルの答えがでるまでとことん粘り倒します。

 テレビ制作の現場でも、そんな人を見てきました。

 ディレクターとして「プロフェッショナル 仕事の流儀」や「クローズアップ現代」、そして「NHKスペシャル」などを作っていた30代の頃、NHKでも屈指のスゴ腕のプロデューサーからよく言われていた言葉があります。
 
 深夜の編集室で、VTRの編集が行き詰まったときに よく彼はその言葉を口にしていました。、もう20年も前のことだけど、今も仕事と向き合うとき、僕はその言葉を思い出して襟を正します。

 それはこんな言葉です。

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