見出し画像

いつか教科書にのる時代に、ぼくらは生きている。

 むかし、チェルノブイリのドキュメンタリーをみたことがある。原子炉からほど近いプリピャチ。暮らしのよすがは残っているけれど、ひとけはなく、まさに「からっぽの町」だった。それはありえない光景、だったはずだった。

 でもコロナ禍の今、「からっぽの町」はめずらしくなくなった。 

 お店に入る時には、消毒を求められ、体温を測られる。マスクを外せば、人の目が気になる。ニュースは不謹慎を糾弾する。ひとつひとつは大したことじゃない。でもそんな生活が続くうちに、ぼくらの心は削られ、世界のあちこちにからっぽの町がふえていく。

 いつか教科書にのる時代に、今ぼくらは生きている。

画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

画像6


あなたからのサポート、すごくありがたいです。