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人生には時に思いがけないことがおきます。 その朝、僕は仕事仲間とともに、首都高で移動していました。そこに突然、出勤途中の妻から電話がありました。 「我が家が燃えてるらしいの」 「えっ、なに燃えてるって」 「とにかく家が燃えてるの」 最初はなにをいっているのか全くわかりませんでした。でも胸騒ぎを押さえながら自宅に戻ることにしました。すぐに高校3年生の長男と連絡をとりました。家族全員が避難できていることがわかり、一旦はほっとしました。でも息子は興奮した声で最後にこういい
人を、人たらしめるものとは一体なんなんでしょうか。食べたり、寝たり、生殖への欲求は動物にもあります。 それは「何かを愛おしむ」ことなのかもしれません。 火事の朝、パジャマで間一髪で逃げ出した小学校6年生と3年生の娘たち。幸いなことに怪我ひとつありませんでした。しかし彼女たちは「日常」のほとんどを失いました。ランドセル、教科書、靴、漫画、コスメ、アクセサリー、すべてが真っ黒な炭になってしまいました。 その日から、家族5人でAirbnbでの生活を余儀なくされました。