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火事になった時に読むものをまとめました

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火事になると、その瞬間から世界は一変します。その時に何かの助けになればと、自分の経験をかきつづけています。直後は本当に大変だと思いますので、これだけ読めばをまとめました。
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#家が火事になりました

家が火事になりました。

人生には時に思いがけないことがおきます。 その朝、僕は仕事仲間とともに、首都高で移動していました。そこに突然、出勤途中の妻から電話がありました。 「我が家が燃えてるらしいの」 「えっ、なに燃えてるって」 「とにかく家が燃えてるの」 最初はなにをいっているのか全くわかりませんでした。でも胸騒ぎを押さえながら自宅に戻ることにしました。すぐに高校3年生の長男と連絡をとりました。家族全員が避難できていることがわかり、一旦はほっとしました。でも息子は興奮した声で最後にこういい

火事で僕のメンタルはどうなったか。

 古今東西、火事について書かれたものはほとんどない。火事になってネットを漁ったけれど、保険について書かれたものぐらいしか見つけられなかった。被害者がどんな目にあって、どんな想いを抱えるのか、当事者の自分が残しておけば、いつか誰かの役に立つと思い、noteを書きつづけている。  今日はメンタルのことを書く。あれから半年が過ぎ、あの頃の自分を客観視できるようになった。大変なことが起きると、心のことはないがしろにしがちだ。しかし火事という災禍を乗り越えるためには、メンタルにどんな

火事にあっても、大丈夫って笑えるように。

 家が火事にあった、という方から時おりご連絡をいただきます。noteの記事へのメッセージだったり、Twitterへのリプライだったり。何もできることはありませんが、丁寧に返信を書き、ひとつのことを伝えます。  「火事は人生の一大事。ためらうことなく人に助けてもらってください」  ご連絡をいただくのは、火事にあった直後のタイミングがほとんどです。家を失い、家財を失い、最悪の場合は親しい人を失う。火事に会うということは、それまでの「変わらない日常」が突然終わり、思いがけない「

もし火事にあったなら、読んでほしい。

 誰にでもおきる可能性があります。あるサイトによると、住宅火災が起きる確率は、0.024%なんだそうです。確率はあくまで確率。火事の当事者になれば、その瞬間から人生が大転換します。何をしていいのか、まったくわからないほど混乱します。そして、助けになる情報はほとんどありません。だから僕の場合、何がどうだったのかをできる限り具体的に記しておきます。家はほぼ全焼でしたが、近隣への延焼はほぼなく死傷者もありませんでした。不幸中の幸いでした。 この記事を読んでくださった皆さんにお願い

新しいバッグを買うのに気後れすること。

 火事にあった人の話を聞くことを続けています。多くの人たちの大変な経験をアーカイブし、使ってもらえるようにしたいと思っています。火事についての情報は、本当に少ないです。でももし火事になったときに知っていれば、役に立つことは沢山あります。今回はメンタルのお話をします。  先日出会ったある若いご夫婦が、こんな話をしてくれました。少しずつ日常を取り戻してはいますが、まだ仮住まいをしていて、燃えた家の再建中。そんな生活のなかで、ある思いを抱えて続けているといいます。 「新しいバッ

家は燃えたが、きっと何とかなる。

火事になり、家を失い、あっという間に半年が過ぎました。これまで火事のリアルを伝えるためにnoteを書き続けてきました。火事なんて誰の身にも起きない方がいいに決まっていますが、万が一なってしまった時にお役に立てばと思っています。 今日は最も大変だった最初の3ヶ月を時系列で振り返ってみます。 2月10日 火事当日。連絡をうけて出先から戻ってきた時、映画のワンシーンのような状況に驚きました。この時はまだボヤ程度だと思っていました。 家に入ると言葉を失いました。窓ガラスはすべ

火事になったらどうなるのか、教えます。

 火事の体験談を集めるプロジェクトをはじめます。  この1年、自分の体験をnoteで発信する中で、何人かの火事の経験者と知り合いになりました。それぞれユニークで、多くの学びがあります。  海苔やお菓子のスチール缶にいれておいたものは燃え残った。だから今もスチール缶を集めている。  スマホを持ち出せず、すごく困った。身分証もなく買い直すのに大変な労力を要した。  肉親をなくし、ソーシャルワーカーにお世話になったが、自分の辛さを理解してもらえない。欧米のようなグループケア

家が燃え、妻の身体におきたこと。

 心と身体はつながっています。仕事でももう少し頑張ればって無理をしがちですが、そんな時こそちゃんと休んだ方がいいです。まして火事は人生の一大事。もし自分が火事にあったとしたら、そんな想像しながら読んでみてください。  今から8ヶ月前、僕の家は火事にあいました。いわゆる全焼です。幸いにも家族は全員怪我もなく無事です。近隣への延焼もほぼありませんでした。  最近、ふとしたことがきっかけで妻と火事の話になりました。改めて聞いてみると、知らないことがいっぱい。あの時どうだった、