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家が火事になりました

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2020年2月10日に家が火事になりました。火事が起きる確率は、0.04%と言われています。でも起きてしまえば100%。突然、大混乱が始まります。何が起きて、何にを感じたか、いつ…
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#カメラ

家が火事になりました。

人生には時に思いがけないことがおきます。 その朝、僕は仕事仲間とともに、首都高で移動していました。そこに突然、出勤途中の妻から電話がありました。 「我が家が燃えてるらしいの」 「えっ、なに燃えてるって」 「とにかく家が燃えてるの」 最初はなにをいっているのか全くわかりませんでした。でも胸騒ぎを押さえながら自宅に戻ることにしました。すぐに高校3年生の長男と連絡をとりました。家族全員が避難できていることがわかり、一旦はほっとしました。でも息子は興奮した声で最後にこういい

悪い大人ほど、よく笑う。

 金髪で大きな口をあけている大人と、全身黒尽くめにサングラスの大人。どうみても悪い大人じゃないですか。でもめっぽう面白いんですよ。サングラスの大人は、ワタナベアニさんです。最近話題の本「ロバート・ツルッパゲとの対話」の著者にして、写真家でありアートディレクター。今日の「渋谷のテレビ」に遊びにきてくれました。  土屋敏男さんの作った、欽ちゃんのドキュメンタリー映画「We love television?」の写真を撮っていることもあり、独特の強面が脳裏に焼きついていました。そし

なぜ写真を撮り始めたのか。

 火事になって3ヶ月が過ぎました。いつか誰かの役に立つだろうと、その経験をnoteに書き続けています。今回は、写真を撮ることについてです。  火事をきっかけに、写真を撮るようになりました。僕は写真を撮るプロフェッショナルではありませんが、撮りたいものが沢山あって、いつもカメラを持ち歩いています。家族の日常や路傍の花、散歩で出会った犬。火事にあい、会社を休み、家族と多くの時を過ごすようになって、何気ない日々を愛おしく思うようになったからです。  火事の直後は、iPhoneで

君を撮るためにカメラを買ったんだよ。

 火事になった直後、日常を撮ろうと思った。3週間会社を休んで家族と過ごした。それが落ち着くと今度はSTAY HOMEが始まり、会社にもほとんど行かず、半径5メートルの世界に閉じこもる毎日が続いた。変わらぬ日常もカメラを手に、目を凝らせばドラマチックだ。花を撮れば、色の鮮やかさに目を奪われる。空を撮れば、雲の広がりにワクワクする。雨の日は憂鬱な気持ちが写真に滲み出る。天気が違えば、光が変わり、撮れる写真も変わる。  カメラは、ただ記録するための道具ではない。火事の後、肌身離さ