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ブレワイゼルダ姫に恋をした女の話

 ブレワイゼルダ姫さま最推しかつゼルダ姫さま絶対擁護派のプレイヤーとして思うこと。
 封印の力の覚醒があれほど遅くなった責任というか原因って、ゼルダが無才で出来損ないだったからとかそんなんじゃなくて、有事の際の対策を考えていなかったハイラル王家全体にあるのでは。
 有事の際の対策っていうのは、「先代のゼルダが不慮の事故や病、暗殺、天災などで夭折する可能性を想定して、修行法を次代のゼルダのために文献なりなんなりで残しておく」とかそういうこと。
 ハイラル王国ってラウルとソニアの時代から数万年続いてきた大国なのに、そのあいだ誰も「これから先の時代でなにか不測の事態が起こった場合にそなえてあらかじめ対策を講じておこう」とはならなかったんだろうかと考えることがしばしばある。


王の手記。

 これを読めば王が娘に対して抱いていた気持ちがわかるけど独学で修行してさっさと力に目覚めて姫巫女としての責を果たせとか無理難題だろ…とふつうは思う。私は思った。ずーっと思ってた。ハイラル王家はなに考えてんの??と怒りすら覚える。

 なぜもっと早くこの考えに至らなかったのか?
 王は娘がいっこうに力に目覚められないのにはなにか別の理由や原因があると思わなかったのか?
 修行について記述された文献や書物を網羅してみるとかそういうことはしなかったのか?

 王を責めたいわけじゃないんだ。
 でも判断が遅すぎたよ…。

 王として娘に厳しく接しなきゃいけない…それはわかるし正しいこと。
 でも少し、ほんの少しだけでもいいからゼルダが抱える苦悩に耳を傾けてあげてほしかった。
 頭ごなしに遺物研究は逃避にすぎないと否定して叱るのではなく、話を聞いてあげてほしかった。想像だけど、ミファーが自分自身のことで悩んで苦しんでいたらきっとドレファン王は娘を心配して話を聞いてくれるんじゃないかなって思う。ミファーとゼルダの対比はそのままそっくり父娘の関係にもあらわれてるだろうから。
 リンクでもなく四英傑でもなく、ハイラル王にゼルダの一番の味方でいてほしかったんだよ、私は。

 王が娘に向きあうのがもっと早くて、かつ知恵の泉から帰ってきたゼルダにミファーのアドバイスがしっかり届いていたら…と思わずにはいられない。
 あの瞬間に厄災復活って嫌がらせ以外のなにものでもないでしょ。しかも王女本人の17歳の誕生日にひとつの国が滅亡って本当に悲劇でしかない。
 なにもかもタイミングが悪すぎた。


 あとこれは個人的な考察?妄想?だけど、封印の力が極限まで目覚めなかったのは時を操る力のほうが強かったからなんだろうなって思ってる。ティアキンが世にでた今となってはもうそうとしか考えられなくなった。モドレコ(逆再生の能力)を授けてくれるのがゼルダであること、初代四賢者たちから「時の賢者」と呼ばれていること、ミネルの「倍化されているのは時の力のようだけど」という言葉。本編のなかでこれだけ示唆されてたら間違いない。
 あとだしの設定と言われればそうなんだけど、これ以上に納得いく理由が思いつかないんだよね。
 ティアキンをプレイする前は祈りの熱量(この国を守りたい、誰も死なせたくないという気持ち)が弱かったからなのかなーって漠然と思ってた。四六時中「一刻も早く力に目覚めなきゃ。もう誰にも失望されたくない」っていう強い焦燥の感情に支配されてしまっていて、「なんのために祈るのか」って部分が完全に見えなくなってたんだろうなと。
 時を操る力のほうに適性があるって考えたら、歴代のゼルダ姫と同じ熱量の祈りじゃだめだったのも納得がいく。もしかしたらラウルじゃなくてソニアのほうの力を継いだイレギュラーな姫巫女はブレワイゼルダがはじめてだったのかもしれない。やっぱりハイラル王家は対策を講じておくべきだったよ…。

 ブレワイの真エンディングでゼルダが「私の力は100年の封印で枯れ果てたのかもしれません」って言ってるけど、ティアキンでしっかりマスターソードの声が聞けてたのであれは力をチャージするための期間だったんだと考えてる。ゲームで必殺技使ったらクールタイムがあるみたいな感じ。100年ものあいだ継続して力使ってたらそりゃそうなるよね…。

 ソニアとの関係を見ていて、やっぱりゼルダには同じ力を使える人物がそばにいないとだめだったんだなとひしひし感じる。先輩(という言いかたはおかしいけど)に力の使いかたを1からちゃんと教わればゼルダは自由自在に力を行使できるようになる。実際ムービーで逆再生の力使いこなしてたしね。
 そういう観点から考えるとウルボザじゃあだめなんだろうなあ…。同じ力を持つソニアのほうがより強くシンパシーを感じられるんだろうね。
 母親が亡くならなければなあ…本当に。たとえ時を操る力のほうに適性があってなかなか封印の力に覚醒できなかったとしても、母親がいればその苦悩や劣等感はきっともう少し軽いものだったはず。
 あぁーーー考えれば考えるほどしんどくなる…。


このセリフすごい胸が痛くなる。

 だって「死んでしまった」じゃなくて、「死なせてしまった」って言ってるんだよ…。それが本当に悲しい。私が殺したって言ってるようなもんじゃん。
 このムービーは嶋村侑さんの慟哭の名演技も手伝って作中で一番悲痛なものになってると思う…。

リンクの表情が切ない…。
何度観ても悲しくてやりきれなくなるムービー。



 私はブレワイ初回クリアのころからゼルダがとても好きだったんですけど、やっぱりミファーやトワプリのゼルダみたいな「姫らしい姫」じゃないところにとてつもない魅力を感じるんだなあと。まわりの人間に劣等感を持ったりリンクにきつくあたったり好奇心旺盛で好きなことには目を輝かせたり…そういう人間臭さのあるところがたまらなくかわいくて好きだなと思ったんですよね…。共感しやすい等身大の少女を目指して作られたっていう話を見て納得。
 だから「付いて来ないでください!」のシーン私はわりと好きだよ。年ごろの少女感あるから。姫なのに姫らしくないっていう設定がよくあらわれてるよね。ブレワイのゼルダがこういう精神的に未熟なところのある多感な少女だったからこそ「私にしかできないことがある」って言えるようになったティアキンのゼルダに心から感動できたわけだしね。

 ミファーもまあ悪くない。優しく美しく、それでいて槍術にも長けた幼なじみの女性。そして民から慕われる姫君。属性もりもりな子だし惹かれる人が多いのも納得できる。でもなぜか私はゼルダほど強い感情は持てなかった、彼女には。私リンクが好きになったのはゼルダのほうで、救いたいと思ったのもゼルダだった。たぶん完璧すぎてキャラとしておもしろくない、共感できないと思ったのかも。これと同じような感覚でトワプリゼルダにはそんなに惹かれなかったのよね私。スカウォゼルダは好き。
 私は完全無欠な主人公タイプのマリオと怖がりでちょっとドジなルイージだったら断然ルイージ派なんだけど…たぶんそれと同じ理由かもしれない。わかりやすい欠点があるから魅力的に見える、応援したくなる、みたいな感じなんだろうね。たぶん。

 ゼルダのことが好きだからミファーの気持ちに応えられないっていう罪悪感でゾーラの鎧を着られなくなった時期があったなあ。ティアキンでも新式英傑の服ばっかり着ててゾーラの鎧は水の神殿攻略以来一回も着用してないや…ごめんねミファー。
 私リンクにとってミファーは幼なじみのお姉さんであってそれ以上の感情は持てなかった。旧友に対する親愛はあるけどそれは恋ではないし恋にはならない。だから私リンクはゾーラの鎧にこめられた意味を知ったとき激しく動揺したし困惑もした。…という妄想をするのが好き。別にいいよね、ミファーよりもゼルダのほうが好きなリンクがいたって。近衛騎士、英傑という身分でありながらゼルダ姫に恋をしたリンクが世界のどこかにいたっていいよね。
 だってプレイヤーの私自身がミファーよりもゼルダを好きになったんだもの。ゼルダかわいいなってしあわせになってほしいなって思ったんだもの。

 そういえばミファーって最初はミノカサゴだかなんだかをモチーフにしてデザインされたらしいね。マスターワークスに書いてあった。のちにイルカモチーフのあのデザインに修正されたっぽいけど、変えてくれてよかったってちょっと思っちゃった。

 あとこれは個人的なモヤモヤ。私はミファーだけを特別にかわいそうだとは思えないです、はい。
 かわいそうなのはミファーだけじゃない。リンクもゼルダもほかの英傑もハイラル王も犠牲になった民もみんなかわいそうだと私は思ってる。
 ミファー推しの人ってほかの英傑はどうでもいいと思ってんのかなって感じることがあるのでね。



壁画に興奮するゼルダさまかわいすぎるな!
髪切ってかわいさましましになったよねほんと。

 ブレティアのムービーを交互に観ててふと思ったんだけど、ティアキンのほうはキャラの表情が自然というかかなり動くようになっててすごいなと。
 エンディングのゼルダの顔をよーく見ると泣きそうにまぶたが震えててそこでまた感動したっけ。
 ブレワイのほうは今観ると表情とか口の動かしかたとかなんかぎこちない感じがするね。


 この笑顔見くらべてはしんど…ってなってる。ただいまリンクのほうは初回クリア時泣き散らかした。
 本当に心の底からしあわせになってくれ。
 もう厄災も魔王もいないんだ。もう封印の力に呪われなくていいんだ。新生ハイラル王国の初代女王として民から愛されつつ生をまっとうしてくれ…。
 そしてできればリンクと結婚してほしいな!
 私リンクはいつでもプロポーズできるからね!
 リンゼルはいいぞ!!!


 姫らしい姫じゃないから好きって上に書いたけどティアキンの覚悟ガン決まりかつ自己犠牲のかたまり民から慕われまくりなゼルダもめちゃくちゃ好きだと思ったんだよなあ。ブレワイでは無才だの出来損ないだの言われてたのに対してティアキンだと姫の器遺憾なく発揮しまくりだったし。自分の身よりも世界の安寧が大切で、リンクを助けるためなら人の姿すら捨ててしまう…「あーゼルダってそういう子だよね」ってなったもん龍の泪のあのシーンで…。


白龍ちゃんかわいい好き。

 パラセール操作しながらスクショむずい。夜に白龍に会いにいくと光っててきれいなんだよね。見かけると探索ほっぽって絶対会いにいっちゃう…。
 ゼルダ本人と同じくらい愛してる。
 かわいすぎるから蛇くらいの大きさになってリンクに飼われてくれないかな…そういうリンゼルの二次創作ありそう。いっそ自分で書きたい。
 金色のたてがみの上で昼寝するリンクが見たい。そしてたてがみの感触がゼルダの髪のやわらかさと同じだってことに気づいてわんわん泣くリンク…。


 世間ではミファーのほうが人気なのはなんとなく察してるけど、私はこの先もゼルダ推しを貫くよ。

 というかこの記事、ミファーよりゼルダのほうに惚れた人間もいるんだからな!ブレワイやった人間が全員ミファー好きになると思うなよ!っていう世間に対する私怨をこめたものだったりする(笑)
 もともとミファーがメインヒロインって吹聴するようなミファー推しにモヤってたのもあったから文句のつけようがないほどゼルダががっつりヒロインしてるティアキンが世にでてくれてよかった。私は推し贔屓っていうのをさしひいてもブレワイのメインヒロインは間違いなくゼルダだと思ってるぞ!