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ラブライブ!が好きな人にこそ見てほしい作品『スクールアイドルミュージカル』

「プロのアイドルだったら私たちは失格。でも、スクールアイドルならやりたい気持ちを持って自分たちの目標を持ってやってみることができる!!!
ラブライブ!一期4話より
限られた時間の中で、精一杯輝こうとするスクールアイドルが好き・・・。見つかったよ、答え」
ラブライブ!The School Idol Movieより
「一番大切大切なのはできるかどうかじゃない、やりたいかどうかだよ!」
ラブライブ!サンシャイン‼︎一期四話より

上記はわたしが大好きなラブライブ!の名言の内の一部だ。
【特別なことなんてない高校生の女の子達】がやりたいことに夢中になって自分達のやりたいことに全力になって頑張る姿、楽しむ姿。そんな青春が詰まったキラキラの宝箱であるこの作品が大好きだ。おそらく、そういう人は少なくないかと思う。

そんなわたしは先日『スクールアイドルミュージカル』(以下スクミュ表記とする)なるものに行ってきた。
感想をはっきり言うと・・・・・・・

めっっっっっちゃよかったです!!!!!!!!!!
ほんっとうに、さいっこうにラブライブ!でありスクールアイドルミュージカルでしたっ!!!!!!!!!!
上記のセリフを連想させる要素が詰まっていて、ラブライブ!ってこうなんだよ!って改めて感じる作品でした!!!!!
見終わり規制退場した瞬間にわたしは目の前のファミマでお金を下ろして大千秋楽のリピートチケットを購入していた。
前半が終わる頃にはスクミュ履修済み勢が軒並み絶賛する気持ちがわかるぐらい、本当に面白かった。後半に至っては永遠に泣いていた。

正直言うとわたしはラブライブ!において中の人が表に出るライブやイベントより、アニメ展開重視派だ。キャラクターあってこそのラブライブ!で、その延長線上にライブ等のリアルイベントがあると思っている。楽しみ方は人それぞれだと思ってはいるけど、ここはどうしてもわたしにとっては切り離せないことだ。
そんなわけで、初めは正直言って三次元主体であるスクールアイドルミュージカルに対してあまり期待はしていなかった。なんせ、キービジュアルは三次元。一応二次元のキャラデザはあるけど二頭身デフォルメであるなど、土台となる二次元展開はほぼ無に等しい。
一応ラブライブシリーズの新作が出ると必ず詳細はある程度調べるようにしているのでホームページは見ていたが、正直あれだけじゃあまりキャラクターやストーリーを掴めない。これ、感情移入できるのかな?とかなり思っていた。
それでもラブライブだから、地元である大阪でもやるし一回ぐらい見てみるか。ラブライブ!はミュージカルと親和性はありそうだから見てみるか。そんな気持ちで行ってよかったと今では切に思う。
そんなわけで、観劇した人達の中のラブライブ!史に大きく爪痕を残した『スクールアイドルミュージカル』について語り、そして一人でも興味を持っていただきたいと思う。
終わった作品を今更布教してどうするかって?それはもちろん決まっている。
再演が決まった時に見にきてもらうためだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!

スクールアイドルミュージカルとは

「学校」で「アイドル」⁉︎
10人の少女たちと叶える青春学園ミュージカル、開幕!
ラブライブ!シリーズ初の完全新作ミュージカル
スクールアイドルミュージカル公式サイトより

上記がスクミュ公式サイトに記載されている内容だ。
これまでのシリーズ作品をミュージカル化するのではなく、完全オリジナル作品によるラブライブ!初のミュージカル作品。
もはやそれってラブライブ!なの?楽しめるの?そう不安を覚える人も少なく無いと思う。正直、ミュージカル化に賛成派だったわたしでもなんでオリジナルなん?Aqoursとかでやればよかったのでは?と思っていた。・・・実際に観るまでは。

兵庫にある伝統を重んじるお嬢様学校『椿咲花女子高校』と、大阪にある芸能コースが有名で今勢いのある『滝桜女学院』
椿咲花で必死に勉強だけに打ち込み成績トップをキープし続けていたがスクールアイドルが気になり始めつつ自分には関係ないと諦めていた椿ルリカと、滝桜の芸能コースの看板であるアイドル部でセンターを務めメディアで名前が広まりつつもアイドル活動への楽しさを見失い悩む滝沢アンズ
この二人が出会い、協力してアイドル活動を始めていくことで二人間だけではなくて周りや二校の理事長も巻き込んだ大きな変化を巻き起こしていく・・・。

これが大まかなストーリーだ。公式サイトを参考に書いたのだが、本当に本編の良さはほぼ伝わらない。だが本当に説明しにくいぐらい良い。
2回見に行ったわたしとしては今作のストーリーを一言で言うなら
「スクールアイドルという概念が生まれるまでの過程の物語」だと思う。
ラブライブ!エピソード・ゼロであり、シン・ラブライブ!である。
さまざまなメディアミックスを並行するこのラブライブ!に正史とかはあまりないとは思うが、この作品を観れば全ラブライブ!シリーズを観るのがより楽しくなること間違いなしだ。

実際スクールアイドルミュージカルがどうよかったのか?

じゃあ実際にどこがそういいのかについて話していきたい。
正直挙げればキリがないのでできるだけまとめようと思うので、詳細が気になる方はTwitterタグの  #スクールアイドルミュージカル #みんなで叶えるSIM でツイート検索してほしい。熱意のある感想がたくさん出てくると思うし、おそらくわたしのツイートも混ざっている。

①『スクールアイドル』という概念に真正面から向き合っている

おそらくスクミュ観劇勢は口を揃えて「まさしくラブライブ!だった」と言っていると思うが、これがそう言わせる理由だと思う。
ラブライブ!シリーズではμ'sから始まり、これまで多くのスクールアイドルが描かれてきた。同じシリーズとはいえ10年以上続く長寿シリーズとなってきたため、そのシリーズ・そしてスクールアイドル一人一人がそれぞれ異なる色を持ち多種多様となったと思う。そんな中で必ず変わらないこととはなんだろうか?
それは限られた時間の中で今やりたいことに全力で打ち込む・楽しもうとすることであり、プロのアイドルじゃないからこそ自分達の思い描く形を作り出していくことだと思う。
今作はスクールアイドルとは一体なんなのか?に真正面から向き合い、プロではなくスクールアイドルであることの違いに向き合い描いた作品だと思う。
ラブライブ!ミュージカルではなく『スクールアイドルミュージカル』という作品名なのはそういうところからではないだろうか。
別項目で「スクールアイドルという概念が生まれるまでの過程の物語」だと先述したが、ここ一番で『スクールアイドル』というワードが出た瞬間、わたしは鳥肌が立った。涙は既に出ていたので顔はめちゃくちゃだった。わたし、ラブライブ!が大好きだ。スクールアイドルが大好きだ・・・と再認識させてくれた。
今作を見て「あ、この作品を作った方は本当にラブライブ!シリーズが大好きで、しっかり向き合って作ってくれたんだな」と感じた。多分、だからラブライブ!側もこの企画を承諾したんだと思う。(元々この企画を持ち込んだのはラブライブ!スタッフではない脚本家さん)
ラブライブ!が好きであれば見てほしいと思う理由はここに詰まっている。

②ラブライブがそもそもミュージカルに向いている

無印なんかが特にそうだと思うが、ラブライブ!シリーズは楽曲にて物語の局面を語り・描くことが多い。
第1話のススメ→トゥモロウなんかは分かりやすくそうだし、劇場版なんかはMVを用いて場面展開したりもしていた。そもそも2期序盤でもろに謎ミュージカルしていたが。
サンシャインでは第1期3話のダイスキだったらダイジョウブ!や最終話のミラチケ、劇場版初手からの僕らの走ってきた道は・・・がわかりやすい気がする。
虹ヶ咲では各個人回の話の帰結をMVで描くし、スパスタはほんのちょっぴり等が印象強い。
少しミュージカルとは違うかもしれないが、歌で物語を表現していることが多いという点では共通するのではないだろうか。
そんなわけでラブライブ!とミュージカルの親和性は元々高いと思っていたし、舞台畑のキャストもいるのでいつかやってほしいとは思っていた。それがオリジナル脚本だとは思っていなかっただけで。
なので初めは慣れないところもあるかもしれないが、ラブライブ!シリーズが大好きでずっと追いかけてきた人は見ているうちに慣れると思う。
また、後述するがオリジナル脚本でいきなりキャストドーン!なのもすぐ気にならなくなる。

③三次元なのにアニメを見ている感覚になる

いやそうはならんやろ。いやなっとるから書いてるんやろがい!
これが今作を見ていて一番不思議だったことだ。
前置きにて先述したが、正直実際に見るまでは三次元主体・先行でオリジナル作品を出すことに対してわたしはもやもやしていた。
ライブでキャストを通してキャラが見えるのはキャストの努力と演技の賜物だけではなく、そもそも先行してアニメやアニメMVを見ているからだと思う。実際ラブライブの2.5次元展開がウケたのはその点が大きいと思う。二次元のキャラと三次元のキャストが重なる瞬間にラブライバーはエモみを感じているわけだ。多分。
だけど今作はその先行した二次元キャラがいない。いや、実際にはSDキャライラストで二次元の姿も存在しているが、作品のキービジュアルは三次元キャストでホームページの登場人物を見ても三次元キャストの方が目立っている。
そのような理由でいきなり三次元キャストをドーン!と出されてキャラクターに愛着を持てるのか?と不安だったし、それはラブライブ!と言えるのか?とも思っていたが、いざ実際に見てみるとその不安は吹き飛んだ。

まず、びっくりすることに上演開始から終幕まで一切キャストとしてキャストが話すことはない。ずっと最後まで舞台上にいるのは椿ルリカであり、滝沢アンズであり、マドカやキョウカ(理事長達)であり・・・。
かつて女性向けのてんご舞台はライビュで見たことがあったが、それらでは大千秋楽の最後の挨拶等でキャストとしての顔があったはずなのでこれがかなり新鮮だった。
他シリーズでもライブ中にメンバー間でキャラ名で呼び合うみたいなのはよくあるがそうではなくて最初から最後までキャラクターの魂を宿して喋っているのだ。

そして動きの一つ一つがキャラクター一人一人の個性に沿っていて、それがさらにアニメを見ているような感覚に陥らせていたんだと思う。特にわかりやすいのは明るく大きな動きが多く表情がキラキラしているルリカや、運動音痴の設定があるユズハ(ルリカの幼馴染)だろう。
日常シーンのちょっとした動きやMVシーンの中でもそれらが繊細に描かれていて、キャラが目の前に生きているように錯覚してしまうのだ。

また個人的に面白いと思ったのが、MVシーンがめちゃくちゃアニメしてたところだ。
特にそれがわかりやすいのが作中歌『君とみる夢』で、自分の脳内でアニメならこの角度でカメラがあるんだろうなとか簡単に想像できるぐらいにラブライブ!シリーズのどこかで見たことがあるように錯覚してしまう振り付け・フォーメーションなのだ。
これが本当に面白かった。すごい、実写オリジナルMVでもここまでラブライブ!できるものなのか、と。

④ラブライブ!特有の女の子間の繊細な心理・人間関係描写

往年のラブライバーの皆さん安心してください。今作も女子高生同士のクソデカ感情がぶつかりあってます!!!!!
運命的なガールミーツガール
幼馴染同士の嫉妬とすれ違い、あります!!!!!
わたしアイドル向いてないから・・・の流れ、あります!!!!!
素直になれない二人のすれ違いとツンデレと意地の張り合い、あります!!!!!
アイドル部?ミトメラレナイワァ、あります!!!!!(厳密に言うと今までとは違う)
他にもアイドル活動に真剣だからこそ周りと衝突してしまう女の子や、先輩に憧れ大好きですな後輩キャラ、先輩信者でなんか危ない領域に入りかけてる女の子、今作の矢澤枠とそのツッコミ枠のサバサバ女子等色々てんこ盛りです!!!!!!
ちなみにスマホを重ねて足を挟み込む描写やビンタしてくる幼なじみは流石にいません。
ちなみにこの上記のうちいずれかは理事長同士の描写です。
割と本気で今作の覇権CPは運命的ガールミーツガール・てぇてぇ幼馴染・理事長コンビの三つだと思う。それぐらい理事長二人の存在感は大きいし、ネタ枠じゃなくて結構本気でてぇてぇ。
密かに印象少ないと思っていたキャラが脚本に割を喰らっていたのではなく、そういうキャラ付けなのだとパンフを読んで気付いてからは印象が様変わりするのも細けえ!って思った。

⑤歌やダンスのクオリティが高い

マジですごいです。シリーズトップクラスの実力と言っていいぐらいにはすごい。
とはいえどちらかというと舞台に合わせた動き寄りなので他シリーズと比較するのも難しいが、すごく迫力があった。
最初のきらりひら〜(にじよんの後いつも流れている例の曲)の時点で「あ、この人らやべえ」ってなる。本当に練習してきたんだろうと思う。
特に滝桜のメンバーは作中でメジャーデビューを控えているという設定があるだけあって、めちゃくちゃダンスがキレッキレだった。歌声も伸びやかで聴いていて気持ちいいのに、ちゃんとキャラ声している。これは結構新鮮だったなぁと思う。
対する椿咲花の子達はアイドル部を始めたてという設定のため話の進行に合わせて動きの精度が変化していくのも見どころだと思う。これ細かくてすごいなぁと感動した。
また、MVシーン以外の歌唱シーンでは歌やダンスの上手さが見え隠れしているのも面白い。

⑥シンプルにストーリーがいい

大まかなストーリーは作品概要に大まかに書いたので省くが、本当にストーリーがいい。ガールミーツガールが巻き起こす輝き、そしてスクールアイドルという概念が生まれた瞬間の煌めき。もうこれぞラブライブで見たいものだ!ってひたすら感動した。
μ'sと出会ったときのような輝きと衝撃のあるストーリーだった。
いや本当に面白いんだけど、作中すごくいいシーンになったらあちこちからオタクの啜り泣く声が聞こえるんですよね。もちろん舞台は静かに観劇が基本なのでみんなできるだけ静かにしようとするんだけど、物語の熱量が凄まじくてかつラブライバーとしてはくるものがたくさんあって涙が止まらなくなってしまうという。
劇に集中したいためあまり周りを見ているわけではないけど、周囲の人が全員涙を拭っていて会場の感情が一つに染まっているのって本当にすごいなぁと思った。
時間が2時間ちょっとしかないのもあってテンポも良く、話の流れも綺麗にまとまっていた。

もったいないと思ったこと

散々よかったところばかり書いてしまったのでここがもったいない、よくない、と思ったところも書こうと思う。

①敷居が高い(配信がない)

もう本当にこれに限る。
何度も記述したように、この作品はあまり公式からの説明ではあまりどういう作品かがわかりにくい。しかも土台になるキャラの露出も少なく、三次元が主体な作品だ。
そんな得体の知れない作品にチケット代1万円と人によっては大きな遠征費まで払って見にいくというリスクは負いたくないと思う。
スクミュ側としては現地で見てほしいからっていうのもわかるし、観劇した側としても正直配信ではあの良さと空気感と熱気は伝わり切らないところがあると思うから初見の衝撃を配信で済ませてしまうのは本当にもったいないと思う。
でも、正直わたしも東京でしか上演していなかったら見に行ってなかったし、関西圏内でやってたから見に行ったようなものだ。そう思うと地方の人が気軽にこの名作に触れられないのは勿体無いなと思ってしまう。遠征費も安くはないので。。。
そう思うと大千穐楽だけでも配信して、そこで現地で見たいと思う人達が再演に集まるようにして行ったら良かったんじゃないかなとはかなり思う。
再演するなら大千穐楽だけでも配信して少しでも気軽に触れられるようになったらいいなぁと思う。

②日程

同じラブライブ!シリーズでLiella3rdツアーと日程が被っていたり、虹ヶ咲も近い時期にユニットライブが続いていたりして、オタクが遠征しまくって財布がピンチなところに日程が重なってしまったので、当然未知の作品にまで手を出す余裕は無くなっちゃうよなぁと思った。外伝なのでそこまで調整が難しかったのもあるとは思うけど・・・。
一項目めと重なるところもあるが。本当にこれに限らずラブライブ!運営はもう少しリアルイベントの日程を同じブランドで重ならないようにしてほしいと思うが、それは話が逸れるので省略する。

③宣伝の仕方

これも何度も言っているように、本当にこの作品は口コミを通してしか内容がわからないってぐらいに公式からの情報が少ない。
今までだとアニメMV等であんなキャラなのかな?と想像したりTVアニメでそのキャラクター達と物語を知った上でライブに行きたいと思わせられたけど、今作はキャラもストーリーもキャスト(既存ファン除く)も最初は愛着がないから、ラブライブ!の新作ならとりあえずみるかって勢力しか手を出しにくい構造になっているように思う。
本当に作品がいいだけに勿体無い。再演があるならこの点をなんとかできないかなぁと思う。

最後に

第千秋楽終了後、会場全体は割れんばかりの凄まじい拍手に包まれていた。わたしを含め複数名は思わず立ち上がって拍手していた。(スタンディングオベーション文化を知っていたからとのもある)
徐々にみんな立ち上がって、最後には観客総立ちのスタンディングオベーションとなっていた。カーテンコールが終わってもなお、拍手は鳴り止まなかった。みんな手が痛くても拍手を続けていた。あまりにも鳴り止まないものだから、最終的にスタッフさんが「規制退場をするので拍手をやめてください」と言うまで拍手は続いた。

長々と書いたが、これが全てだと思う。手が痛くなっても拍手を続けたくなる、そんな作品だった。

もしこの記事を見てスクミュに興味を持っても持たなくても、もし再演があれば是非行って欲しい。興味が湧いた方・元から気になる方は

のツイートにあるよう、 #みんなで叶えるSIM タグにてツイートしてくれると嬉しい。見た人は特にツイートしてほしい。
スクミュの再演は既定路線ではないので、みんなで再演やその先を叶えていけたらと思う。みんなで叶える物語、を掲げてきたラブライブ!らしいな。

本当はもっと言いたいことがあるはずなのに思った以上にまとまらなかったので、別個に感想記事も書けたら書きたいと思う。
本当にスクミュをよろしくお願いします・・・。

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