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自転車と胡蝶蘭

近所に住む友人スーさんとご飯を食べに行った時のこと。

お互いに自転車だったのですが、スーさんの自転車がなんと高校時代から使っている30年ものだったのです。自転車って30年も使えるの!?

全然古ぼけてなくてなんかキリッとした佇まいで、一方私の3年ものの自転車の方がボロボロでハンドルは曲がっているわキーキー変な音はするわベルは割れているわ、スーさんの自転車の方が10倍年上なのにこの状態の差にびっくり。

聞くとスーさんはこの自転車が大好きで、朝駅まで乗って駐輪場に停める時に「行ってくるね」と話しかけてから出勤し、帰りは「ただいま」って言って乗って帰るのだそう。そして雨が降って自転車を置いて帰らないとならない時は、バスの中から自転車のことを想い、次の日の帰りに迎えに行った時には「昨日はごめんね。」と謝るのですって!

なんというかわいい話なんだ…!だからスーさんの自転車は30年経っても元気で綺麗なんだ!

それに引きかえ私のひどさったら!何にもメンテナンスしてあげないからキーキー言っているのに「キーキーキーキーうるさいなあ。あー早く新しいの買いたい。」なんて思っていたのですから。可哀想すぎる。さすがに帰りに「ごめんね、帰ったらクレ556するからね。」と言いました。


さらにスーさんの素敵な話がもうひとつ。

会社に贈られてきてしばらく飾ってあった胡蝶蘭。数日後まだ綺麗に咲いているのに「これ明日捨てるけど、どうする?」と同僚に聞かれ、驚いたスーさんは「もらいます!」と、鉢を抱えて連れて帰ったのです。

そうしたらお母様が

「あら素敵!これは名前をつけないといけないわね、、、○○子、なんてどうかしら。」

スーさん「そんな普通の名前じゃダメだよ。もっと気品のある名前じゃないと…!

『胡蝶夫人』なんてどう?」

というわけでその日から胡蝶蘭は胡蝶夫人となり「胡蝶夫人、今日も綺麗ね。」「胡蝶夫人、美しいわ〜。」と2人から褒められて元気でいるのだそう。

これまた、がーーーーーん。

わたくしも以前胡蝶蘭を贈っていただいたことがあったのですが、「げ〜絶対枯らすわ〜。」と思ってしまいました。

そしてうちに不釣り合いな胡蝶蘭を可愛がることもせず、無視状態。(書いていてげっそりするひどさ加減!)

そうしたらあっという間に花が落ち枝(あれって枝なのか?)だけになってしまい、最終的に「庭に植えたらまた花咲くかな?」と庭に植えられると言う、、、「ユカさん!胡蝶蘭は庭に植えるものじゃありませんよ!!」と後で編集さんに話してギョッとされましたが。

ああひどい。本当にあの時の胡蝶蘭ごめんなさい。私のところへ来てしまったばっかりに、、、!そういえば植えたんだけどどこに行ってしまったんだろう。


スーさんの自転車と胡蝶夫人の話を聞いて、物や植物にも気持ちは伝わるって言うのは本当のことなんだなあと思いました。

この話が本当に大好きで、その後いろんな人に話していたので、ここにも書いてみました。

この話を聞いてからは、ちゃんと物、植物、動物に話しかけるようにしています。

こちらの記事がお役に立てたら幸いです!