関節はやわらかければいいというものでもない
はい!こんちわKATZです!
今日のテーマは「関節は柔ければいいというものでもない」
これについて解説をしていきます。
目次
結論 柔ければいいというわけではない
関節が柔らかいとは何か
関節弛緩性について
ホルモンの影響と可動性
まとめ
結論 やわらければいいというものではない
たまに「関節が柔らかくないからダメ」「柔らかいからいい」というような議論が飛び交うことがあります。日常生活に支障をきたしていなければとは思いますけど、そもそも柔らかいというのはいくつかに分類されます。今日はそれを整理整頓してみましょう。
関節が柔らかいとは何か
関節が柔らかいとは何か
関節弛緩性:運動方向は正常だが過剰な可動性を有している、Joint Laxity
関節動揺性:Loose Jointである、関節面同士が明らかに緊密ではない、異常に自由な動きをする関節、動揺関節Flail Jointとも言うことができ、正常では存在しない異常な関節運動が生じている関節である。原因によって神経性・靭帯性・骨性に分類される
関節不安定性:特に靭帯損傷や骨の形態異常により異常な関節運動がある場合
例えば足関節の場合
過背屈は関節の弛緩性
関節の遊びを超えての回内外などは関節の動揺性・不安定性とされる。
これらのことより、柔らかいと一重に言っても弛緩性なのか動揺性なのか、不安定性なのかで考えていく必要がある。
関節弛緩性の原因は先天的なものや競技特性によって発生するものが多い
アスレティックトレーナーテキスト5検査測定と評価 P32
アスレティックトレーナー専門科目テキスト 検査測定と評価 第3章 P61
関節弛緩性の検査方法
関節弛緩性の検査には全身関節弛緩性テストは7項目で評価をする
手関節:手関節を掌屈し母指が前腕につく
肘関節:肘関節の過伸展が15°以上ある
肩関節:背中で指が握れるくらい
膝関節:膝の過伸展が10°以上ある場合
足関節:足関節の背屈が45°以上
脊 柱:立位体前屈で手掌全体が床につく
それぞれ1点(左右で0.5点ずつ)で全身弛緩性を有する場合は4~5点以上が多いとされる。
ホルモンの影響と可動性
エストラジオールとプロゲステロンが膝と足首の関節の可動性に及ぼす影響
Bruce D. Beynnon, PhD bruce.beynnon@uvm.edu, Ira M. Bernstein, MD, […], and Denise Durant, MD+4View all authors and affiliations
Volume 33, Issue 9
https://doi.org/10.1177/0363546505275149
目次
抄録
参考文献
アクセス取得
その他
抄録
背景
女性アスリートは男性アスリートに比べて前十字靭帯の損傷が多いとされています。女性は生理周期の特定の段階で前後の膝の可動性が増加すると、これらの損傷のリスクが高まるとされています。これらの要因がどのように組み合わさって損傷リスクが増加するのかは明らかではありませんが、生理周期中のホルモン変動によって関節の可動性が周期的に変化し、靭帯損傷のリスクが増加することが研究から示唆されています。生理周期中に関節の可動性が周期的に変化するかどうか、また、その変化がエストラジオール(E2)およびプロゲステロン(P4)の周期的な変動によって調整されるかどうかはほとんど知られていません。
仮説
血清エストラジオール(E2)およびプロゲステロン(P4)のレベルが増加すると、足首と膝の関節の可動性が増加します。
研究デザイン
コホート研究。証拠レベル、2。
方法
生理周期中の女性と、対応する時間間隔の男性(コントロール)で、足首の可動性、前後の膝の可動性、およびエストラジオール(E2)とプロゲステロン(P4)の血清濃度を測定しました。足首の可動性はストレスX線写真から測定され、脛骨に対する前方距骨の移動と、脛骨に対する距骨の傾きが含まれます;前後の膝の可動性はKT-1000関節計で測定されました。
結果
女性は男性に比べて膝と足首の可動性が高かった。しかし、女性の通常の生理周期において膝と足首の可動性に変化はなく、男性の時間経過においても変化はありませんでした。エストラジオールとプロゲステロンの変動と足首及び膝の関節可動性との間には関連性がありませんでした。
結論
膝と足首の関節の可動性は女性の方が男性に比べて大きいですが、生理周期中に起こるエストラジオールとプロゲステロンの周期的な変動は関節の可動性の周期的な変動を引き起こしません。靭帯損傷のリスクがある被験者を特定するために関節の可動性を使用する研究は、プレシーズンのスクリーニング評価など、特定の時点での測定を考慮する必要があります。
まとめ
ざっくり、要するに、関節が「緩い」場合は前十字靭帯損傷のリスクも上がる、それに加えて性差もあって、特に女性の場合は月経前後で影響を受けることがあるよ、ってお話でした。今日もお読みくださってありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?