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第53回 募集のための施策(1)

竣工が来年2月半ばと決まり、いよいよ賃借人の募集について真剣に考えなければならない。11/19の実家での栗原さんらとの設計打合せに合わせて、地元不動産屋さんとも打合せしてくることにした。

その店は、大手賃貸不動産チェーン「ミニミニ」のフランチャイズであり、地元の「M住宅販売」がフランチャイジーだ。実は、このM住宅の社長を長く父が務めていた。フランチャイジーになったのも、父の判断だったようだ。父はとっくに引退しているが、もちろんまだその店にも知り合いは多いようだ。

へんに父に気兼ねして取り組んでもらいたくはないので、僕は一人でミニミニの店に行った。担当のSさんはまだ若いが、なかなかしっかりした方に見えた。僕は、まずSさんに地元の賃貸マーケットの状況や、取引慣行などについて質問した。僕は、以下のような点について理解した。

アパートは供給過多の傾向があり、敷金、礼金、更新料ゼロの部屋が増えている/エアコン付物件が増えており、なしだと募集に不利かも/共益費を別建てにするよりも賃料に含めた方がいい/庭の手入れは賃借人任せにするよりも、オーナーが一括で実施した方がいい。賃借人によって手入れにレベルにばらつきがでるから/4棟の一体感を保つためにも、共通の建物名を付けた方がいい

予想通り一般的なアパートの供給は増えており、借り手優位だ。ただ、高価格セグメントは顕在化していない。比較的高い物件の供給が、ほとんどなされていないので、未知ともいえる。幸いSさんは、この物件に興味を持ってくれたようで、ハイエンドセグメントに積極的に売り込んでいきたいとのことだった。ただ、そのために魅力を伝えるための材料、資料をできるだけたくさん欲しいそうだ。完成前にも積極的に募集活動を行ってほしいので、僕は最大限努力すると伝えた。

ただ、まだ建築中なので、写真で建物の魅力を説明することはできない。募集資料などに一般的に掲載される間取り図は、無いよりはあった方がいいが、それでは魅力は伝わらない。以下は、実際にミニミニの募集サイトに掲載されている、A棟の間取り図だ。

Awazuku house間取り_page-0001

そこで、僕は二つの手を打つことにした。ひとつは、最も建物を深く理解している栗原さんに、以下のような完成イメージを伝えられる資料の作成をお願いした。

1)建物と外構の模型(モデル)の写真をできるだけ魅力的に撮ってもらう(以前僕が実家の畳間で撮った写真があるが、いまいちなので)

2)一棟でも建物外観がわかるようなCGイメージを作成してもらう   

3)建物の中に入り、中で移動して見える風景を、CG動画で作成してもらう(QRコードでチラシからも飛べるようにする)  

4)竣工直後、作品記録のため写真撮影するは、その中からいい写真を分けてもらう

2)~4)は設計士の業務ではなく、あくまで募集への協力のための作業となるので、設計料とは別に適切な料金を支払う

もう一つの打ち手は、ミニミニのSさんらが営業で配れるようなチラシの作成だ。もちろん、新聞の折り込み不動産チラシのような陳皮なものではダメで、知り合いのデザイナーIさんに依頼することにした。Iさんには、この賃貸住宅開発プロジェクトについては、以前から関心を持ってもらっている。ただ、年末は仕事が目いっぱい入っており、時間が取れなさそうだった。そこを何とかお願いし、12/20以降に時間を取ってもらえることになった。年明けすぐに配布できれば、御の字だ。

なお、建物名は、「AWAZUKU HOUSE」とする予定だ。A棟からD棟を、F1からF4と呼ぼうと思う。「F」はフラットハウス、つまり平屋を意味する。もう一つ別の意味もある・・・。

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