第49回 洗濯物干し
懸案だった洗濯物干しの検討を、本格的に始めた。もともとは、洗濯物が敷地内で無秩序に干されている光景が、あまり好きではないという僕の個人的な想いが発端だった。乾燥機ではなく、日光のもとで屋外に干すことはとてもいいことなのだが。だから、庭のある一戸建てであっても、設計に洗濯物干し器具と位置を組み込んでおきたかったのだ。
当初は、残っている古材や石を活用し、自立型の物干しをオリジナル製作することも考えていた。しかし、やはり費用がかさむことと、そもそも最近は乾燥機を使うので物干しは不要という家庭も増えているとの声もあり、方針変更することにした。
洗濯物干し自体の存在感をできるだけなくし、使用しない場合はできるだけ人の眼に触れずにすむようにしたい。日照の問題もあるので、棟ごとに位置も変わってくる。A棟とB棟は、物干しに適す南側に庭がある(下図面参照)が、C棟とD棟にはない。それぞれの位置に対応した設計にすべきだ。
11月9日に提案された最初の案は、二つの案だった。ワイヤー案と軒天ポール案だ。
A棟とB棟の南側の庭は、キッチン棟とリビング棟によりL字型に囲われている。それぞれの棟の外壁からワイヤーを吊るし、そこに洗濯物を干すというワイヤー案。
C棟とD棟は南側に庭がないので、リビングの掃出し窓のあるところの軒からポールを2本ぶら下げ、その先端へ物干し竿を挿しこむという軒天ポール案。
軒天にベース(上右写真)を設置し、そこに着脱式の物干しポールをはめ込む(上左写真)。ステンレス製のポールの下側を持って、簡単にはめられるそうだ。このポールの下側が輪になっており、そこに物干竿を通す。荷重の目安は20㎏。
軒天ポール案は気にいった。室内から干すこともできる。なにより、使わない時はポールを外せるので、乾燥機家庭でも邪魔にはならない。便利なものがあるもんだ。
一方のワイヤー案には懸念があった。ワイヤーは張りっぱなしで、使用しない時も簡単には外せないそうだ。ホテルの浴室にあるような、巻き取り式のワイヤーがないか探してもらったが、屋外で使用できるものは見つからないとのこと。この案は却下することにした。
11/18に実家で行った打合せでは、栗原さんから全棟を軒天用ポールでいく案が提示された。C棟とD棟は変更なしだが、A棟とB棟は大きな変更だ。赤丸が軒天用ポールの位置。
A棟の軒天用ポールは、以下のように庭に面したキッチン棟壁面に設置するという。
B棟は大きく位置が変わった。南側の庭に面したL字面では、どちらの面も軒が高く軒天用ポールは届かないので、当初案から変更しリビング棟南面(下図参照)に物干しを設置することになる。陽当りと敷地の余裕を考えれば、南側庭面が好ましいが仕方ない。
僕はこの提案を受け入れ、全棟軒天用ポールにすることに決定した。ただ、干す量を増やすために二列にできないか、鈴木さんに調べてもらうことにした。
これですんなり決まると思ったのだが・・。
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