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第25回 工務店の入札(続)

2月9日(土)、スタジオ・ヴェロシティの鈴木さんは、学生インターンを二人連れて、ホソバの移植をしに実家に来てくれた。私は東京にいたので、後日、鈴木さんが写真(下)とともに以下のようにレポートしてくれた。

「枯れているものが多かった交差点に近い側の半分を移植しました(写真右側)。強風で倒れる可能性があったので、ロープで各木を繋いであります。
完全に枯れてしまっていたものは5本程度で、その他はまだ緑色の葉が残っており、復活する可能性がありそうでした。

写真中央より左側の木は、もともと植えられていた場所に風通しと採光が確保できる程度の間隔をあけ、植え直しました。」

作業には相当手こずったらしく、母によると昼過ぎから夜10時過ぎ頃まで作業していたらしい。夜間は照明がないので、乗ってきた自動車のヘッドライトで照らしていたそう。その際、エンジンをかけていなかったので、バッテリーがあがってしまい、JAFを呼んだりして大変だったらしい。よくそこまでやってくれたと思う。

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ところで、肝心の工務店との交渉。その後、最安値のM建設はこれ以上の値引きは難しいとの回答。S建設は第二案以降も交渉に応じてくれた。結局ユニットバスを施主支給とすることで、減額できた。(M建設は施主支給には応じない)最終的に事業費総額で、M建設との差は90万円となった。まだS建設の方が高いわけだが、当初案では520万円も高かったことを思えば、相当努力してくれた。あとは、この差をどう解釈するかだ。

設計事務所は、S建設とは取引実績があり信頼している。M建設とは取引はない。それがM建設が、他社に比べ最初から低い見積もりを提示してきた理由だろうが。ここまでくれば、今後の工事がいかにスムーズに進み、かつ出来上がりに品質が良いかが判断の分かれ目だ。だが、それは僕にはできず、スタジオ・ヴェロシティの判断に委ねるしかない。

率直に聞いてみた。その回答が以下だ。

『金額差を許容していただけるのであれば、S建設をオススメします。これまでの経験から考えると、工事の質・円滑性や竣工後の対応は会社の規模ではなく、担当する現場監督個人の力量に左右されるからです。S建設の監督とは頻繁にコミュニケーションをとっているため、工事に対するスタンスと人柄は十分に把握しています。

S建設を選択するメリットは、
・工事の信頼(M建設が信頼できないという訳ではありません。)
・竣工後の対応速度
といった工事中と竣工後の信頼への「確実性」が高いというところと、腕の良い職人を選定することを心がけており、仕上がりもキレイですので、テナント候補者の方が物件を見学したときの印象も良くなるというメリットもあるかもしれません。(どんな職人を連れてくることができるかも、監督の力量によります。)』

ここまで言うのであれば、もう迷いはない。2/16に、S建設に発注することを伝えた。その際に、工務店との交渉と並行して進めてもらっていた建築確認申請手続の状況を尋ねると、それも峠を越えたとのこと。

確認申請前の建築許可申請の詳細協議(事前根回し)が長引いていたが、やっと決着がついた。手こずっていたのは、上下水道の引込方法で、当初設計より増額になってしまうような方法を行政側が要望してきたので、当初設計通りに進められるようにする交渉に時間がかかったそうだ。

今後のスケジュールは以下となっている。

2月25日 : 建築許可申請 提出
~3月18日 : 同審査期間(最大3週間程度)
3月20日~22日 : 建築確認 申請期間(3日程度)
4月着工

なお、建築許可とは、市街地にはしないと指定された土地(市街化調整区域)に住宅を建てる場合に、都道府県知事に許可を得る必要があるとの都市計画法第43条によるものだ。この審査が結構大変。だから詳細協議という名の事前根回しが欠かせない。それでも審査に鵜最大3週間もかかる。

また、建築確認とは、建築基準法第6条に定められたもので、法的に適切な建物なのかを確認する行為だ。申請先は建築許可とは違って、民間の指定機関で、僕の場合は株式会社確認サービス(そのまんまの社名だ)に提出することになっている。今回のような木造二階建て以下の小規模建物(4号建築物)は、制限はあまりないため、3日程度で申請は認められるそう。

施主の捺印が必要となる許可と確認両方の申請書類を、東京に郵送してもらい2/21に返送した。一軒当たり7枚、合計で28枚もの書類に捺印した。(その後追加があり、さらに16枚の書類に捺印)

いよいよ次は、融資の交渉だ。最近は毎日のように賃貸住宅向け融資の問題が、新聞やTVを騒がせている。金融機関はどう対応してくれるだろうか?

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