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第25回 アトリエを解体し物干しスペースへ

母屋東側には、父が2018年に増築したアトリエがある(経緯はこちらで)。約4畳半くらいの広さで、そこで油絵を描いていた。10㎡以上なので、建築確認申請を出す必要があったのに出していない違法建築だ。知り合いの大工に頼んでつくったもので、図面もない。

かつてのアトリエ内部

そのアトリエは台所部分に接続されている。増築前は台所の東側の窓から日差しが入っていたが、今では窓の向こうにアトリエ内部があり、日差しは全く入ってこない。食べものを扱う台所が、暗くなってしまうのはよくない。

また、母屋自体はリノベーションなので建築確認申請は不要だが、その前面に建築する2棟は当然必要だ。完成後、検査官が検査に来る。その際に、この違法建築を発見した場合、最悪撤去命令が下る可能性があると建築家の栗原さんは懸念する。さらには、母屋に無理な形で接続しているため、母屋の耐震性能を落としている恐れもあるという。構造面からその調査をするにも費用がかかる。

当初は、アトリエの建物は残して、共同ランドリーとして活用することも考えたが、最終的には解体することを決めた。(また費用がかさむ)

ここは陽当たりがいいので、洗濯物干しスペースにどうかと考え、栗原さんに案を考えてもらった。それが以下の図面だ。

洗濯物干しスペース案

灰色部分はコンクリート土間。それを避けて三本の柱を立て、屋根を張る。壁はないく、いわゆる東屋だ。雨が降れば使われないのでそれで十分。台所の日照にも、できるだけ影響を与えないサイズで検討してもらうことにした。見積もりは105万円。

下の写真は、栗原さんが設計した別の住宅だが、赤い波線で囲まれた部分のようにするイメージだ。洗濯物干しだけでなく、東屋(あずまや)的に半屋外の憩いの場や、ちょっとした作業場としても使えるかもしれない。

三角屋根のイメージ

この三角屋根の物干しスペースを設置した場合、それが台所の日照にどれだけ影響を与えるか心配だったので、太陽が最も高い夏至の日でシミュレーションしてもらった。以下は、夜明から日没までの、台所東側の窓からの日照シミュレーション動画。


夏至10時

三角屋根が台所への日照を妨げる心配は、さほどはなさそうだ。

母屋東側の物干しスペースとカウンターの位置


さらに、物干しスペースの手前の母屋壁面に大小二つのカウンターを設置する案になっている。下側の大きいカウンターは、奥行き60㎝長さ2.3ⅿ。上側の小さいカウンターは奥行き30㎝長さ1.8ⅿ。これらの上に位置する屋根の端が、約75㎝庇のようにせりだしているので、多少は雨はしのげる。ここに作業道具を置いたり、ちょっとした作業台にもなりそう。ただ、見積もりは33万円。防水仕様とはいえ、高い。再検討してもらい22.5万円になった。

カウンター断面図

母屋室内に共同のランドリーを設ける計画なので、そこから洗濯物干しまでの動線も気になる。一度玄関から出て、ぐるっと回ってこの物干しまで来るのは、やや遠い気がしないでもない。

玄関を回らずに母屋北側の路地を通って、物干しに行くルートも考えられるが、狭いので調査が必要だ。


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