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第55回 募集のための施策(3)

最近はネットで家さがしをする人も多い。しかし、不動産物件紹介サイトでは記載できる情報に制約があり、AWAZUKU HOUSEの魅力を伝えることは困難だ。既存の不動産チラシでも同様だろう。

ましてや、ただでさえ地元では高額物件。しかもまだ完成していないので、写真も見せられない。そうなると、何よりもこの物件に強い関心を持ってもらうためのストーリーが必要だ。それを伝えるには、紙のリーフレットでは限界がある。そこで、豊富な情報を掲載した専用サイトを開設することにした。

そこへ関心ある人を呼び込むためのツールとして、紙のリーフレットを位置づけることにした。リーフレットを手に取り関心を持った人が、そこに書かれたQRコードから専用サイトに飛び、そこで詳細な情報を取得し魅力を感じてもらう。つまりは、リーフレットは専用サイトの抜粋版という位置づけだ。

そうなると、専用サイトの中身が重要だ。デザイナーのIさんと、サイトで何を伝えるかから相談を始めた。間取りや広さ、駅からの距離といった一般的な不動産情報ではない。伝えたいのは、この物件の作り手はどのような想いで作ったのか、それを形として実現するためにどのような工夫をしたのか、という点ではないか。もし、自分が真剣に住居を探すとしたら、そういうスト―リーを知りたいと思ったからだ。

また、そうした情報は、必ずしも今近隣の街に住んで住み替えを検討している方だけでなく、もっと遠方の人にも知ってもらいたい。その地域に住まなければならないから、そこで家を探しているという方だけでなく、その家に住みたいからその地域に住む、という方もいるくらいにしたいとの願望がある。東京から移り住む人がいてもいいはずだ。

そうなると、ピンポイントの立地条件ではなく、この地域(広域)の魅力をある程度伝える必要がある。なかなか自分の生まれ故郷を、そういう目で見たことがないので、やや不安ではある。僕も含め、地元の人間は単なる田舎じゃないかとすぐ思ってしまう。本当の魅力には気づかないものだ。

こうしてサイトの中身がだいたい決まっていった。
・立地環境
 ー日本全体の中で捉えると、この地域にはどんな特徴があるのか
 ーこの場所に住むと、周囲にどんな風景が広がり、どんな風土なのか
 ー交通アクセスは(東京や大阪からも含め)
・敷地全体と個別の建物はどのように出来上がっているか
・ついては、こだわりのポイントはどこか
・オーナーの想いは
・それを実現させるべく、建築家はどう考えたか
 →栗原さんにいくつかの質問を送り、回答してもらった

そして、12月29日の夜、年末ぎりぎりに募集用専用サイトが完成した。それが以下だ。

このサイトの最後に、本note連載を束ねるmagazine(「建築家とつくる実家の貸家プロジェクト」)を紹介している。AWAZUKU HOUSEのMaking videoならぬMaking blogになるからだ。いずれ住む方には、どのようなプロセスを経て出来上がったのかを、じっくり読んでもらいたいと思っている。

サイトが完成するとすぐに、「物件ファン」というユニークな不動産物件情報を紹介するサイトに、紹介してもらうべくメールで情報提供した。(現時点で反応はない)

サイトが完成し、それの抜粋版であるリーフレットの体裁も自ずと決まったた。ボリュームは多くなくてもいい。A3用紙を二つ折りした、4ページものとすることにした。ただし、高級感を醸し出すべく、紙は上質のものとする。

そして、立地紹介で使用した地元ホテルとお寺の写真の掲載許可を取り、年が明けた1月11日、やっと原稿が完成した。コピー(フレーズや説明文)は全てIさんにより、僕はほとんど直しを入れていない。
以下がその表紙だ。

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これを200部印刷し、印刷費(紙代込み)は15,480円、単価77.4円。ミニミニに印刷会社から届くのは、1月18日(土)だ。

募集用リーフレットの使い方や、考えられる配布方法は以下だろう。
 1)ミニミニ店舗に置いておき、物件探しに来た方に手に取ってもらう
 2)ミニミニの取引先法人で配る
 3)それ以外の場所(店舗など)に置かせてもらう
  当初そのあてはなかったものの、ミニミニが毎月フリーペーパーを約100部発行しており、それを地元のスーパーなどに置いていることがわかったので、それに挿しこんでもらうことにした。

建物完成予定は2月半ば。さて、どれだけの募集効果があるだろうか?





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