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第45回 敷地内通路の決定

11月に入ってからも、何度も栗原さんや鈴木さんとメールや電話で相談を続けた。そして、紆余曲折を経たものの、11月12日に敷地内通路と雨水対策を決定した。

191113_福澤様邸賃貸_外構計画

大きな論点だった雨水の処理だが、やはりコストと見栄え、メンテナンスの観点から雨どいはできるだけ設置しないことにした。従って、普通の敷地内通路ではなく、水路兼用案を採用。

片流れ屋根からの雨水が、直接通路兼水路に落とせるところはそれでいいが、それに該当しない3か所(上図面の赤い線)は、ネトロンパイプで排水することにした。ネトロンパイプとは以下イメージ写真のような黒いプラスチックでできた管だが、網状になっており水を通す。このパイプの上に砂利を敷き、そこに落ちた雨水はこの網を透過しパイプに流れこみ、そしてパイプが接続された排水升へ流れ落ちる仕掛だ。

ネトロン

雨水を通路兼水路にも落とせず、かつネトロンパイプが設置できないD棟東側(上図面の青い線)だけは、雨どいを設置することにした。ここは軒下地面に駐車場がかかるため、地面を一部堀り込むことができないからだ。下の写真はスタジオヴェロシティ設計の美浜住宅だが、この雨どいと同様の仕様になるだろう。

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なお、検討する上で、通路兼水路のイメージがどうしても湧かなかったので、鈴木さんにCGイメージを作成してもらったものが以下だ。

191112_福澤様邸賃貸_水路CG-rs_page-0001

左が通常時で、右は雨水で満たされた時のイメージだ(こんな景色は、現実には拝めないだろう)。地面を掘り込んで、底に砕石を敷いた上にモルタルを流す。深さは端部で5cm、中央部の排水口があるところで26cm。

191112_福澤様邸賃貸_水路CG2

中央部に近い辺りであればそれなりの高さがあるので、ベンチ代わりにもなるかもしれない。

それから、通路兼水路に掛ける橋の案はやめた。コストが思った以上にかかることと、そもそも橋をかけたら通路としての機能を果たしにくい。何とか古材を利用したいとの思いから橋の案が出てきたようだが、冷静に考えれば必要ない。その代わり、古材を使ったベンチを各棟に設置することにした。それは次回説明したい。

さて、敷地内通路を掘り込みが必要な水路兼用としたために、完成予定が約3週間延び、2月中旬になってしまった。年度末の転居シーズンには、ぎりぎり間に合うだろうか。



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