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第三回 いよいよプロジェクト開始

建築事務所(studio velocity)にメールしたところ、すぐに返信があった。

はじめまして、studio velocityの栗原と申します。
この度はお声がけいただきありがとうございます。また新建築8月号の美浜町営住宅河和団地をご覧くださりありがとうございました。計画地の環境をgoogleで拝見しましたが、すばらしいですね!とても環境がいい場所なので、その地域ならではの魅力を引き出せる計画にできそうな予感がしました!もしよろしければ、一度お会いして具体的にお話をおうかがいできればと思っております。

こうして11月12日(日)14時に実家で会うことになった。そのためだけに東京から実家に日帰りで向かうのだから、できるだけ効率的に打ち合わせを進めたい。そこで、以下のメールを送っておいた。

栗原さま
日曜の打ち合わせを効果的なものにするために、
現時点でのイメージをお伝えしておきます。
(もちろん何も決まっていません。あくまでイメージです)

●総予算は60百万円
●集合住宅より戸建の方が需要があるとのことで、戸建を想定
 -小さい子どもがいる4人家族のイメージ
 -各戸に駐車場二台分は必要
●周囲の風景から浮かない、風景に馴染むような建物を希望
●完全に独立した5軒よりも、コミュニティができるような空間のほうがいいかも
 -今後は、そういう街並みが求められそうなので
●日当たりが好いので、屋根で太陽光発電できるといいかも
 (あくまで採算が合えばですが)
●両親の家との連続感も考慮していただければ
 -将来その家をどうするかは決まっていませんが・・・・

思いつきのところもありますが、参考にしていただければと思います。

当日は、事務所代表の栗原さんが一人で来られた。その日は、ほぼ一方的に僕と父がどんな貸家にしたいかなどを語り、栗原さんはひたすらメモを取っていた。僕らがしゃべった量より多くを書いているんじゃないかと思ったほどだ。2時間ほど経ったところで、父が所用があるために外出し、それをきっかけに、初回の打ち合わせを終えた。

栗原さんは帰りしな、周囲の写真を撮っていいかと質問し、デジカメを持って出かけていった。僕は二階の部屋にいたのだが、しばらくして窓から空き地を見下ろすとまだ栗原さんの車が停まっている。その先でカメラ片手に栗原さんが、随分遠くまで歩き周りながら写真を撮っているのが見えた。それから小一時間くらいたっただろうか。薄暗くなって父が帰ってきた。まだ栗原さんの車はあった。

(タイトル写真は実家の空き地に生えているレモンの木。ここ数年冬に大量の実をつける。この木はなんとか残そうと思う)


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