D棟2階から

第40回 キッチン仕様の検討

10月4日、スタジオ・ヴェロシティの鈴木さんからキッチン仕様の変更案についての提案があった。もともとの案は、以下だった。

旧案

一般的な流し台と吊戸棚のセットだ。僕はこれに対して、全然疑問を持っていなかった。

しかし、鈴木さんはふたつの課題を指摘した。まずこうした吊戸棚は、背が低い女性では棚の奥に手が届きにくく、結局手の届く手前側しか使わなくなってしまうのではないか。もうひとつは、流し台の下部の収納棚は、暗室状態となるため湿気が溜まり害虫が発生しやすくなるのでは、との指摘だ。言われてみれば、そうかもと思える。

そして、新しい案は以下だ。

新案1

吊戸棚をなくし、代わりにかなり低い高さに二枚の収納板を設置するというアイデアだ。上段(床から約1.6m)は単なる集成材の一枚板。下段(床から約1.3m)には、ステンレス見切り棚板を据える。

新案2

ステンレス見切り棚板にしたのは、料理中に洗った食器を一次的に置いておくスペースを確保するためだそうだ。ここに洗った食器を伏せて置けば、真下にシンクがあるのでそこに水が流れ落ちる。そういったスペースを上部に確保することで、調理作業用のスペースはより広くなる。

流し台の新案も大胆だ。

新案3

下に収納庫がないだけでなく、支える足もない。壁に直接接合するとのこと。シンク下の排水管以外は完全にオープスペースだ。これであれば湿気がこもって害虫が発生することもない。デザイン的には、シンプルでおしゃれ。前面が木製なので、フローリングにも合う。ただ、通常ガスコンロの下に普通あるグリルがない。最近の家庭では臭くなるのを嫌がり、魚をグリルで焼かなくなったという話を聞いたことがあるが、やはりグリルは必須ではのだろうか?

収納スペースをこの流し台の上下にあまり必要としない家庭にとっては、新案は魅力的かもしれない。しかし、自分が調理しないだけに、よくわからない。妻に聞いてみると、やはり収納は必要とのことだった。ただ、この住宅にはもっと若い家庭に住んでもらうことを想定しているので、果たして妻の意見は参考になるのだろうか?ちなみに、スタジオ・ヴェロシティのスタッフは、(栗原さんの奥さん以外)全員男性だ。

ところで、新案ではレンジフードが薄型に変わっていた。(内観イメージ画では、冷蔵庫上部左の白い箱型で表現)薄型にすれば、その分高い位置に設置できるため、調理する人の邪魔になりにくくなる。費用も同じとのことだったので、これは即変更を決めた。(なお、新案全体の正確な見積もりはまだだが、それほど追加費用が発生するわけではなさそうとのこと)

10月8日の実家での打合せでキッチン仕様を決める予定だったが、結局決められず、以下を宿題としてペンディングとした。

①流し台と吊戸棚部分を、新旧案の組合せとすることは可能か?(追加費用は?)②最近に若い家庭のキッチンの使い方はどうなのか?③新案とした場合、追加費用は?④新案で上の棚を3段にしたらどうなるか?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?