_ご提案天井仕上げ_桧化粧構造用合板

第32回 部材の検討が進む

敷地関連や建築申請などの、いわば外側の準備が少しずつ進行するのに並行して、建物の内側の部材等の検討も進めている。

まずは、さんざん悩んだ床フローリング材。4月の初めに、設計事務所の鈴木さんから耳寄りな提案がもたらされた。断熱材を購入する業者さんから、無垢のフローリング材が安く購入できるとのこと。これまでの見積もり㎡単価は(第23回参照)、パインの無垢材:2,390円、杉の無垢材:4,150円、桧の無垢材:4,000円だった。それが、杉の無垢材:2,424円、桧の無垢材:3,939円。桧は、これまで別荘の設計士の紹介で格安ルートを見つけていたが、今回はそれとほぼ同等。しかし、杉はこれまでより圧倒的に安い。

これまでは、パインか桧で迷っていた。しかし今は、杉か桧の選択だ。桧への愛着はあるものの、この価格差(4棟で差額36万円)なら杉を選択すべきだろう。また、同じ杉で比較すると、以前より4棟で約50万円の節約となる。探せばあるものだ。念のため、以下のサンプルを送ってもらった。厚さは15mm。

これで迷いに迷ったフローリング材の選択も、あっさり決着がついた。

次に5月21日、やはり鈴木さんから天井仕上材を変更してはとの提案が来た。天井仕上材については、昨年8月にサンプル(以下の写真)も送ってもらった上で、「桧構造用合板」で決定していた。節は多いが安価だ。天井であればそれほど目立たないので、見栄えよりもコスト重視の選択だった。

鈴木さんからの提案は以下だ。

最近、建材屋さんに「桧化粧構造用合板」という材料を紹介していただきまして、こちらは樹種は現況案と同じ桧なのですが、(正確には合板のうえに桧の単板が貼られている材です。)節が無く、木目もキレイな点が特徴です。賃貸という住人を特定することができない(住人が固定ではない)建築であるということを考えると、好き嫌いが分かれにくい、節のない材料としたほうが、借主の幅が広がるため、賃貸としての価値があがるのではないかと考えております。「【現況天井仕上げ仕様】桧構造用合板」より「桧化粧構造用合板」のほうが材料単価が高価なため、1棟当たり5.1万円程度の増額で4棟分で20.5万円程度の増額となりますが、仕上げの仕様を上げ、借主の幅を広げることを考えますと、費用対効果は悪くないかと思いご相談させていただきました次第です。

早速、以下のサンプル2種を送ってもらった。左が最高級である特A。右は、その下で、少し節が入るかもしれないA。

値段は、当初案の桧構造用合板:¥1450/枚、桧化粧構造用合板(特A):¥2200/枚、桧化粧構造用合板(A):¥2000/枚だ。特Aだとトータルで20.5万円の出費増だが、たしかに見栄えは全然違う。たとえ天井であっても、目には入るだろう。いや、もしかしたら天井こそ、床と違って障害物が一切ないので、床よりも目立つのではないか。そこに節がたくさんあるのと、全然ないのでは全く印象が違うのでは、と思えてきた・・・。桧化粧構造用合板(特A)でいくことにした。(タイトル写真が特Aの一枚板。サイズは、1枚あたり910mm×1820mm。これを4棟で、280枚使用する予定。)

7月9日、施主支給品(施主が直接購入)となっていたユニットバスの見積もりが、鈴木さんからメールされてきた。部材は既に決めており、金額だけ未決定だったものだ。そこには二種類の見積もり書が添付されていた。一枚はメーカーから僕宛の見積もり。もう一枚は、社名は伏すが施主支給専門の流通業者からの僕宛の卸売用見積書だ。メーカー見積書には、細かな部材もセットで一棟当たり735,600円とある。一方の流通業者見積書は、4棟一式で1,193,304円とある。

???一瞬、理解できなかった。メーカーだと一棟735,600円、それが流通業者だと298,326円。念のため、鈴木さんにメールし、確認を求めた。すると、予想通りではあったが、一棟当たり735,600円が定価で、それを298,326円で購入するとのこと。なんということか。建設業界の深い闇を垣間見た気がした。

僕は、流通業者の見積書に記載されていた銀行口座に、その場で即スマホから1,193,304円+消費税を振り込んだ。

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