見出し画像

第39回 上棟式

9月2日の17時15分頃から、はれて上棟式を行った。その日、無事棟上げが終わったA棟に、S建設のHさんが祭壇を用意してくれていた。祭壇の上の二つの三方には、茄子と梨と昆布、そして塩と米が置かれた。由来はわからない。それ以外には、お祝いの日本酒一升瓶二本も置かれた。地鎮祭は神主さんに来て頂いたが、上棟式は略式で行うためお願いしていない。

上棟式4

夕方とはいえ、まだ太陽は沈んでおらず暑い。祭壇の最前列には、両親と僕、妻、姉が並んだ。その後ろには、スタジオベロシティの栗原さん(正月から病気療養だったので、今年にはいって初めて会うことができた)と鈴木さん、そして今日の上棟に参加してくださった大工さんらが並んだ。

Hさんの司会によって、以下の式次第で進められた。

1.拝礼の儀
2.四方お神酒参りの儀
3.施主挨拶
4.設計者挨拶
5.上棟式終了

四方お神酒参りの儀では、棟梁がお神酒(一升瓶)を、僕が塩を、家内がおお米粒を建物の隅にまいていった。この建物は四角形がふたつ重なった形をしているので、隅が8か所もある。一同注目の中、三人で八か所を順番に廻り、祈りを捧げながら僕らはまいていった。やはり何となく厳かな気持ちになる。

上棟式3

施主挨拶は、父にしてもらった。「完成の暁には、今度は我々がしっかりとマネジメントしていく」という言葉が、なんだかおかしかった。その後で、設計者を代表して、栗原さんが簡単に挨拶された。言葉に出してはいなかったが、今年はじめから病気のために現場には来られなかったことへの想いが、僕には感じられた。

上棟式2

こうして終了。その後、大工さんら一人一人に、僕がご祝儀を、妻が水羊羹セット(たねや)を、姉が缶ビール6本セットを手渡した。大工さんの顔を見ながら「ありがとうございます」と言ってご祝儀袋を渡すと、真っ黒に日焼けした大工さんが、とても嬉しそうに受けとってくれる。最近は上棟式を行うことも少なくなったそうだが、やはりこういう節目に、直接感謝を示すのはとても大切なことに思えた。ビジネスライクに考えれば、こういう出費も時間も無駄だと判断されそうだが、人の気持ちとはそういうものではない。準備はそれなりに大変だったが、やって良かった。

なお、残るC棟の棟上げは、9/13に延期された。帰り際に「9/13は大丈夫か?」と大工さんらに尋ねる声が耳に入った。10人を超えるような大工さんを集めるのは、この人手不足の折、やはり大変なのだろう。

全員が引き上げるのを見届けて、僕と妻も18:18発の電車に乗って東京に戻った。帰り際に、母と姉が残ったお赤飯でおにぎりを握り、持たせてくれた。

***************

それから11日経った9/13、最後に残ったC棟の棟上げが無事予定通り完了したとのメールが、S建設のHさんから以下の写真とともに届いた。

画像2




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?