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第34回 雨水排水管で解釈変更

8/10、設計事務所とのオンラインでの打合せで、またも役所の解釈変更の話を聞かされた。今度は、町役場の土木課。雨水排水管の問題。こういうことだ。

現在母屋の雨水は、南側道路に埋設されている雨水排水管につながってお寺脇の川に放流されていることはわかっている。ただし、母屋から道路下までの経路は不明だ(第24回参照)。この道路下の雨水排水管は、本来は町が管理すべきものだが、町はその存在を知らず管理もしていない。かつて父が勝手に道路を掘って雨水排水管を川まで通したようなのだ。今回、新築する2棟の建築確認申請するにあたって、雨水排水ルートを記載する必要がある。当然、既存の父が設置したらしい排水管に接続することになるので、事前に設計事務所は町の土木課にその使用を相談して内諾を得ていた。土木課担当者は、既存の雨水排水管を町の管理下に置くこと、個人が設置した排水管が町の道路の地下を勝手に占有しているので、その占有許可を得ること、もしその管が破損した場合は所有者である僕が費用負担して修繕することが条件だったが、承諾していた。

その前提で土木課に道路占有許可申請を提出したところ、(また)新任担当者が許可を出せないと電話で言ってきたというのだ。その理由は、既存の雨水排水管は町が設置したものではなく、どうなっているのか把握できていないので管理できないからというものだった。もし、既存管を使用できないとすれば、僕の費用負担で新たに道路を掘って新しい管を設置するか、町に依頼して側溝を掘ってもらうしかないという。側溝設置を依頼しても、いつ工事してもらえるかはわからない。

この話を聞いて、怒り心頭した。前任者の内諾を得て進めてきたのに、担当者が変わると方針が変わって不利益を被るのは納得できない。設計事務所に頼んで、その日にも土木課に赴き交渉してもらうように依頼した。認められなければ、行政訴訟も辞さないと伝えてもらうことにした。

お盆明けに交渉が成立し、既存管の使用は当初通り認められた。どうやら、若い新任担当者が、過去の経緯を理解しないまま上司の了解もなく、杓子定規に判断して連絡してしまったことのようだった。慌てた前の担当者と上司が収拾に努めたようだ。本当に役所のいい加減さには腹が立った。

ただし、占有許可を出すための条件が出された。父が設置したであろう雨水排水管は母屋前から東側に伸び、お寺の前で右折し川まで続いているが、その右折ポイントでは北からくる別の雨水排水管と合流していることがわかっていた。それは隣(LS棟敷地北)のkさん宅から川までの雨水排水管ルートにあたる。つまり合流点から川までは、母屋とkさんが共同で使用しているのだ。これは推測だが、先に父がこの母屋前から川までの雨水排水管を設置し、その後引っ越してきたkさんが新築するにあたって、父が設置した排水管に接続することを認めたのではないか。

道路地下の既存雨水排水管

したがって、合流点から川までの部分は共同で使用しているので、共同で占有許可申請をする必要がある。当然、その部分の破損時の修繕義務も、両者が負うことになる。kさんにしてみれば、これまで何の問題もなく雨水排水管を使用してきたのに、僕が新築することにしたため、面倒な占有申請をしなければならず、修繕義務も負うことになる。あまり気持ちのいいことではないかもしれない。

土木課は暗に、共同で使用している分も含め今回僕が単独で申請し、修繕等のトラブル時の対応策については個別2家族間で話し合って決めてもらってもいいと言ってきた。申請さえ出されれば、あとは勝手にやってくれということだ。しかしその場合、公式にはこの雨水排水管は全て僕の所有ということになる。将来のことも考えて、それはよくないと考えた。やはり実態に合わせて、合流点から川までは共有にしたほうが正しい。

9/2に僕は実家に行き、設計士とともにkさんを訪問し、共同申請書と誓約書に署名捺印をいただいてきた。ややこしい説明にもかかわらず、信頼して承諾して下さったことに感謝したい。


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