第58回 建物の施主検査(1)
いよいよ2月8日、施主検査のため現場を訪れた。敷地内通路兼水路は、モルタルがまだ固まっておらず完成はしていない。樹は植えられているものの、芝生はまだ敷かれていなかった。
施主検査はあくまで建物の検査だ。S建設のHさんと設計の栗原さん、鈴木さんとで初めて室内に入った。A棟(F1棟)から順々に見ていった。A棟でまず気になったのが内壁(ファルカタ合板)の色だ。
ファルカタ合板は、桐に似た白っぽい色目の材。ただ自然の材だけに色に多少ムラがある。標準サイズの板を購入しているので、壁に使用する際には2枚継ぐ必要がある。その時、色目を合わせないと違和感が出てしまう。A棟では、上の写真のように色味がかなり異なる材が使用されていた。どうやらA棟を最後に工事したため、同じ色目の材の組合せが難しくなってしまったようだ。僕はすぐに栗原さんに、対応を頼んだ。
次の寝室に入った。すると以下のエアコン用配管と配線が目についた。寝室にはエアコンの配管は通してあるが、設置は賃借人が必要に応じて行うことにした。だから配管が壁まで来ているのはいい。ただ、露出したままではまずい。賃借人がエアコンを設置しない可能性もある。僕はこれらを隠すカバーを設置することをお願いした。
寝室上のロフト内を見るべく、梯子を登った。すると、梯子が手前側に少し動き、一瞬ヒヤッとした。以下はロフト内から梯子を見下ろした写真。少し分かりにくいが、手前の床の端に白い凹の字型の金属製溝がついている。この板床と金属の立ち上がりに挟まれた7,8cmの溝に、梯子に付いている白い金属の凸部をひっかけて梯子を固定する仕組みだ。しかし、溝の幅が凸部に対してわりあい広いので、少し動いてしまうのだ。ただ、その幅を狭めるとひっかけが難しくなってしまう。
いろいろ相談し、溝内に板をあてて、溝を2,3cm程度狭めることにした。なお、梯子のもう少し下側に、もう一組凸の具材が付いており、それを溝に収めることで梯子を空中に固定できるようになっている。梯子を使用しない時は、そこに梯子を収納することで下の部屋のスペースを有効に使うことができる。
以下は、ロフト内の窓から南西側を観た景色。栗原さんに製作してもらったCG動画に出てきた風景とほとんど同じなのに少し驚いた。
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