男のプライド

弊社に少し前に人事異動があったことは書いた。

その移動で、何度聞いても誰も名前を覚えられない
部署、仮に「スーパー・イベント・パフォーマンス・推進室」、略して
「SEP推進室」としておこう、が生まれ、
その室長に、ある男が選ばれた。

この男というのは、2年ほど前に社長に
「あまり採算のとれてないAとBの事業をつぶして
かわりにCという事業部をつくりましょう!
試算はこれで、部長は僕で!」みたいなことを
熱心にプレゼンして採用されたあげく、

そのCという事業の売り上げは

「駅前でチョコレート売ってる留学生のほうが
稼げるのでは」くらいひどいもので、
シャレにならない大赤字を出したまま、事業部自体解散となった。
その後の人事異動で、まさかのこのC事業部長に
このEP推進室長のポストが与えられたのだ。

1:社長はこいつになにか弱みを握られている

2:社長はこの男に惚れている

3:社長は脳の機能に障害が出ていて、この男に関しての思考回路がおかしくなっている。

どれかな、と思った。

でねこの推進室長ってのがなんにも仕事しないんです。

例えば私の仕事がりんごをつくること。

営業の仕事がそれを売るための宣伝広告や
販路を広げること。

だとすればこの推進室長の仕事は
「りんごを売るためのイベントを企画すること」なんです。

でも、この「りんご販促イベント」の
企画書を私に全て書けという。

それは筋が違うのではと聞いたら
「協力して、一緒にやりしょう!」と輝く笑顔で言われた。

いや、そうだけど、責任の所在がどこにあるのかって話。

で、仕方なく企画書書いてこれみてくださいって
いったら、いかにも自分が書いたように社長に持って行った。

で「この点はいいんですが、この点の採算や
集客見込みはどうなってますかね」とか
「フィードバックを持ってきました」とかいってね、

こっちは、りんご畑の世話で忙しいのよ!
お前がやってくれ!って

思って

「すいません、私がやるより、そちらでやっていただいたほうが
よいものができると思います、私門外漢なんで」といったら、また、

「いえいえ!一緒にやりましょう!』

おまえ一緒にやろうとかいって、
いつも17時半には帰っちゃうじゃねーかよ!

そうか。1回数千万単位の赤出してるから、
もう怖くて責任持てないのね・・・・。
責任は持てないけど、なんとか室長にはしがみつきたいのね。

でも、マンパワー的に私は難しいのに、
わたしこのままだとキレちゃうかもと思っていたんですがね。

その推進室長の部下の子が別件でキレ、

「だからあんたに誰もついていかないんだよ!」と
啖呵をきってくださったそうで。

よくやった、と、昼ご飯のあとのデザートに食べてね、と
おやつをあげて頭をなでようとしたら
推進室長に新たに呼び出されて、小さな会議室から
出てこない。
かわいそうだな。

仕事の責任はとりたくないし、嫌われたくないけど
「なんとか長」みたいな役職が欲しい。

男のプライドって面倒臭いですね。








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