第13戦車中隊最後の姿(後編)~海田市駐屯地~
前回に引き続き、最後に見た第13戦車中隊についてです。
今回は11月26日に海田市駐屯地で行われた第13旅団創設24周年・海田市駐屯地創設73周年記念行事での様子です。
久しぶりの海田市駐屯地
コロナ禍でのイベント自粛
それは自衛隊も同じで、部隊や駐屯地の創設記念行事は一般開放を中止し、部隊や関係者だけの開催が続きました。
前回2022年(令和4年)の式典も隊員や車輌に航空機の行進が行われましたが、一般公開はなしでした。(外からは見られた)
今回はようやくの一般開放再開
第13戦車中隊が参加する最後の時に近くで見られて良かったです。
しかし、この時の観覧席は招待者の席がいつもの雛壇のように作られた場所では無く、横に招待者席が広がって一般来場者の観覧に立てる場所がかなり狭かったですね。
この年の式典
施設科のバケットローダが土砂をすくうバケットに筆を付けて「和」と書く習字を披露
登壇した観閲官である第13旅団長の徳永陸将補は隊員と部隊の団結を表す文字として「和」を掲げたと語っていました。
観閲行進の先陣である県旗の行進
第13旅団の担当地域である広島県・岡山県・山口県・島根県・鳥取県の中国五県の旗が入場
この年の広島県旗はカープのマスコットキャラであるスライリーと共に行進、このツーショットは初めてだ。
来場者、特に子供達はスライリーの登場に喜んでいる様だった。
第13戦車中隊ラストステージ
観閲行進の車輌行進でトリを飾るのは戦車部隊だ。
この流れは例年変わらない。
第13戦車中隊にとっては最後となる観閲行進は4両の74式戦車に加えて、1両の16式機動戦闘車が74式戦車の後に続きました。
観閲行進で4両のディーゼルエンジンから出た白い排気煙、これが名残を感じさせます。
訓練展示は敵軍に占拠された地域を自衛隊が奪還すると言う想定
この時の敵軍役として74式戦車1両が赤い星を付けて参加
訓練展示の終盤
自衛隊が総攻撃をする段階
74式戦車が突撃し、軽装甲機動車が続く。
いつもは戦車も装甲車も停車し、下車した普通科隊員が突撃して敵を制圧したとして終わる。
この時の訓練展示では、1両の74式戦車が丘を上がり空砲を放った。
いつもと違う終わり方
最後の空砲が最後の舞台を終わる雄叫びのようであった。
訓練展示が終わり、第13戦車中隊の74式戦車は後ろにカゴを装着する。
カゴは戦車試乗をする来場者が乗る場所だ。
2024年3月、とうとう第13戦車中隊は第13偵察隊と統合した第13偵察戦闘大隊に改編された。
第13戦車大隊から60年以上に渡る第13旅団戦車部隊の歴史は幕を閉じた。
それは他の74式戦車を装備した戦車部隊も同様だ。
残る74式戦車が全て引退し、陸上自衛隊は令和の新たな姿になったと言えます。
米ソ冷戦時代から今までの長きに渡る日本を守る任務を全うした74式戦車
御苦労さまでした。
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