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社長が憧れる社長に聞いた、40代になる前に準備しておくべきこと

株式会社アドウェイズ代表・岡村 陽久(おかむら はるひさ)が、さまざまな悩みを抱える人の元にアドバイスをしにいくブログ「勝手にしやがれ」。ですがお悩みを相談してくれる人がなかな現れず、49回続いたブログは幕を閉じました

その反省点を活かし、この「勝手にしやがれリターンズ」では、逆に社長のお悩みを解決する企画としてリニューアル。岡村をよく知る部下が岡村の悩みを予想し、あらゆるジャンルのプロフェッショナルに解決へと導いてもらいます。今回は40を目前に控える岡村に、ある方をキャスティング。さて、40代一歩目の道しるべを示してくれるのは一体誰なのでしょうか?

業務中の岡村を部下2人が緊急招集

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岡村:なんですか、業務中に呼び出して。寒いよ。
アドウェイズ子会社・おくりバント高山:いきなりすみません。ところで社長、もうすぐ40歳になりますよね。
(以下・高山)
岡村:はい。
アドウェイズ西久保:自分達は部下という立場ですが社長より若干歳上。言わば人生の先輩です。人生の先輩から言わせてもらうと、社長には40代になる覚悟がまだ足りていない。
(以下・西久保)
岡村:覚悟?

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早くも道路でタクシーを捕まえようとする岡村

高山:そう。なんでも社内の噂によると最近キャンプにハマってアウトドアグッズ買い漁ってるらしいじゃないですか。
岡村:何か問題が?
西久保:40代になる上で一番重要なことは何だと思いますか?
岡村:趣味を増やす?
高山:違います。ズバリ40代に必要なことは“減っていくことへの心構え”です。今日はそのことをしっかり自覚してもらうために、ある方をお呼びしています。


老いた身体が辛いことや悲しいことを忘れさせてくれている

高山:今回、40代を生きるうえで大切なことを教えてくれるのはこの方。

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まるでBRUTUS「あえて今聞くレコード特集」の有識者として登場する、老舗喫茶店のマスターのような柳澤さん

柳澤 安慶(やなぎさわ やすよし)
1964年長野県佐久市生まれ。日本の実業家。世界最大の成功報酬型アドネットワーク企業・株式会社ファンコミュニケーションズの創業者であり代表取締役社長でもある。

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毎年柳澤さんがお参りしているという“穴八幡宮”に同行させてもらいながら、話を聞くことに

柳澤さん:いやいや、なんでももうすぐ40歳になるようで。おめでとうございます。
岡村:ありがとうございます。でもまあ確かに最近「このまま40代に突入してもいいのだろうか?」と不安になることはあるんです

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柳澤さん:寿命が80歳だとすると、40歳を超えたら残りの人生の時間の方が短くなりますよね。残り少ない時間の中で今日やることは果たして自分の未来に役立つことなのか。そんな風に無駄な時間を過ごすことに対して恐れ気味になります。
岡村:より未来志向になるんですね。

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柳澤さんが優しくなでれば布袋さんもこの表情

柳澤さん:そうですね。だから積極的に歳上の方たちと接するようになっています。
岡村:若い人ではなく?
柳澤さん:新しい情報を教えてもらうのは若い人が多いですね。その一方で、歳上の方達にはこれからの生き方が学べるんです。歳上の方達と接していると「こんな生き方もアリなんだ」と思えるんですよ。

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柳澤さんが買ったものと同じものを買い求める岡村

岡村:こんな生き方、とは?
柳澤さん:歳を取ると、どうしても肉体は劣化しますよね。頭の回転も遅くなり、忘れっぽくもなる。でも歳上の方達と話をしていくうちに「それってマイナス要素だけじゃないんだ」って感じられるようになったんです。きっと、身体が忘れさせてくれているんですよ。今まで体験した辛いことや悲しいことを。
岡村:なるほど……。

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柳澤さん:若いうちは家族や仕事、家など新しく手に入るものの方が多いと思うんです。でも歳を取ると、そうやって手に入れてきたものがどんどんと減っていく。人はそれを受け入れていかなくちゃいけないんです。歳上の方達には、そういう身近なものが減っていくことへの受け入れ方を学んでいますね。
岡村:だからこそ、プライベートでも人生の先輩は大切にした方が良いんですね。

歳を重ねると、環境・心・行動がリンクする

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岡村:仕事に対する姿勢の変化はありますか?
柳澤さん:実は僕が40になった頃って、日本はリーマンショックや東日本大震災などあまり良いことがなかったんです。リーマンショックでは周りの人が破産したり、仲が良かった人達がお金のことで喧嘩するのを見てきました。震災では日本が悲惨な状況になっているにも関わらず、それをビジネスチャンスとして捉えている人もいた。「そんなことで儲けて嬉しいの?」と思う一方で、実際にうちの会社でも図らずも売り上げが上がった商品があったりして、すごく複雑な気持ちになったんです。
岡村:素直に喜ぶことはできないですよね。

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柳澤さん:社会で起きてる現象と自分の身の回りの状況にズレが生じてきたんです。そう感じてからは、お金儲けからは距離を取るようにしました。
岡村:ビジネスに純粋な気持ちで打ち込めない時期があったんですね。

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柳澤さん:でも、そんな時期を経て「経済的な基盤を作らないと始まらないな」と自分で思い直したんです。
岡村:どうやってモチベーションを取り戻したんですか?
柳澤さん:お金儲けを第一に考えなくてもいい、と思えるようになったんです。社会に新しい価値を生み出すことで、結果としてお金が儲けられたら楽しいと思えるようになったんですよね。
岡村:環境の変化を受け入れた上で心を立て直したんですね。

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真面目に話しながらもおでん屋から目を離さない柳澤さん

柳澤さん:若い頃も同じことを思っていましたよ。でも今だからこそ思えるのは、あのときは自分の心と、仕事に関する考えが完全には繋がってはいなかった。40になって初めてそれがだんだんとリンクするようになってきたんだと思います。

「誰かを喜ばすことって最高に面白いし楽しい」

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無言の圧力に負けおでんを献上する2人

柳澤さん:もう一つ言えるのは、自分以外の人間を喜ばす楽しさを知ったことも大きかったと思っています。僕の子どもは大学生なので、今はもう一緒に遊んでくれないんですが、小さい頃はキャンプに連れて行ったりクリスマスプレゼントをあげたりすると、それはもう半端じゃないほど喜んでくれるんですよ。若い頃は自分が何か成し遂げたときに味わう達成感を重視していたけど、誰かが喜んでくれることは最高に面白いし楽しいんだって気付けたんです。
岡村:お子さんから気付きを得られたんですね。

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柳澤さん:それも、子どもと日常的に一緒に過ごす時間を失って初めて、その時間の価値に気付けました。僕の場合は子どもでしたが、もちろん家族やペットを喜ばすことだって同じことが言えると思います。

喜びのハードルを下げることで感じられる喜びの総量を増やす

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柳澤さん:岡村さん自身は最近変わったことってあるんですか?
岡村:実は最近キャンプにハマっていて。キャンプの何が良いって、不便を楽しめるところにあると思うんです。石油ランタンを使って、まごつきながらも火が付くと、それだけで感動できるんです。東京にいたらそんな経験、中々できないですよね。電気なんてスイッチ一つで付いちゃいますから。

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柳澤さん:そっか、喜びのハードルを下げると結果的に喜びの総量が増えるんだ。歳をとると喜びのハードルを上げることばかりしてしまいがちですもんね。
岡村:食事だって東京で食べてる物と何ら変わらないはずなのに、調理に苦労した中で出来上がった料理は抜群に美味しく感じられるんですよね。いつも食べてるサッポロ一番だって格別になるんですよ。
柳澤さん:なるほど。そういう意味でもキャンプって良いのかもしれないですね。

40代の健康維持に重要なのは体幹を鍛えること

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岡村:あと、最近同年代の社員と話すとだいたい健康の話に行き着くんですよ。柳澤さんは何か気を付けていることってあったりするんですか?
柳澤さん:確かに、40を超えると体調が優れない日も多かったですね。子どもと銭湯に行っても、お腹が出てきた自分の姿が鏡に映るのが嫌で嫌で。それでジョギングを始めたんです。
岡村:40になってからですか?

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話に飽きてきちゃった2人

柳澤さん:はい。最初は走れて数キロ程度でしたが、走っているうちに10キロとか走れるようになって。那覇市のNAHAマラソンでは、フルマラソンを3時間20分で完走しました。それが45歳か46歳のときですね。
岡村:すごい……。それで言うと、僕も最近筋トレを始めたんです。以前はマッサージを週3で通わないといけない身体だったんですが、筋トレを始めるとそれがマッサージより気持ち良いということに気付いて。

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柳澤さん:結局マッサージは深い筋肉まで届いていないことが多いですからね。だから筋トレでは体幹を鍛えてあげることも大事だと思いますよ。
岡村:体幹トレーニングですか。

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柳澤さん:そう。というのも、どうしても日常生活では使わない筋肉は落ちてきてしまいますよね。若いときはそれを補う筋肉があるけど、歳を取るとそうはいかない。結果的に身体のバランスがおかしくなって、腰を痛めたり自律神経を崩したりしてしまうんです。だから、今までの歩き方や姿勢の癖を一度矯正して、正しい身体の使い方を身につけることも必要になってくるんです。
岡村:40年の年月をかけて身体に染み付いてきた癖を矯正する……。40歳からは新しい試練が待ち受けているんですね。

40を超えると自分に本当に必要なものがふるいにかけられて残る

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岡村:最後に、僕も含めてこれから40歳になる人にアドバイスをお願いします。
柳澤さん:40までは自分の身の回りのものや趣味、交友関係など、どんどん増やしていって良いと思います。それが40を超えると身体や心境の変化によって自然とふるいにかけられていく。でも、その中から自分にとって本当に必要なものが残るんだと思います。それ以降は減らしていく体験が始まります。それを受け入れる心持ちで、歳を重ねていけるといいのではないでしょうか。
岡村:なるほど、だから“減っていくことへの心構え”が必要なんですね。

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