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営業マンじゃなくても「三方良しの営業」ができれば人生はめっちゃ豊かになる

株式会社アドウェイズ代表・岡村 陽久(おかむら はるひさ)の抱える多種多様なお悩みを、あらゆるジャンルの有識者に相談していこうという名目で立ち上げられた当ブログ「勝手にしやがれリベンジ」。ですがこのコロナ禍の真っ只中においてゲストを迎えることが難しい現状に陥ってしまいました。

開始5回目から早速八方塞がりになり、「自分達で語れる議題って何かある?」と悩んだ末「営業しかないじゃんね」という結論に終結。今回は3回目で語ったzoom営業とはまた違う切り口で、リアルの場を前提とした営業についてソーシャルディスタンスを守りながら語りつくしました。     

自分の利益だけじゃダメ。令和は自分・相手・社会が喜ぶ三方良しの営業力が必須

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岡村:そういえばこの前うちの会社に、とあるシステムの導入を提案しに来た営業マンがすごく優秀だったんですよ。
高山:どんな提案だったんですか?
岡村:正直言って提案自体は1時間のうち55分は興味が持てなかったんですよ。
西久保:だいぶ耐えましたね。
岡村:でも最後の5分で同席してた役員が「会社全体ではなく一部の部署のみで導入することはできますか?」と聞いた瞬間その営業マンの顔付きが変わったんです。
高山:チャンスを敏感に感じ取ったんですね。
岡村:その営業マンは即上司に電話して確認を取り「今日中に決めていただけたら可能です」と回答をくれました。

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西久保:シンプルな手法が岡村さんに刺さったんですね。
岡村:そうなんですよ。僕は営業出身だから、本気で売りたいという気持ちを見せてる営業に弱いんですよね。
高山:特に「今日中に」というのがこのケースのポイントですよね。
岡村:そうです。その時点で興味が80%くらいだった場合、3日も経てば50%に落ち、一週間たったら30%まで落ちるじゃないですか。となると、80%を100%に上げるのは当日しか無理なんです。

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西久保:営業マンはその場を逃すと温度が下がり続け、契約できなくなることを理解していたんですね。
岡村:そう。最後にはその営業マンの洞察力や行動力に胸を打たれて契約しちゃってました。何よりその提案を受けて、営業マンとしての初心を思い出せたことが嬉しかったんです。
高山:なるほど。その営業マンは岡村さんにピッタリハマる提案をできていた、と。
岡村:それだけじゃないんですよ。

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高山:えっ?
岡村:結果的にそのシステムは「これがないとうちの会社が成り立たない」というくらい良いサービスだったんです。その営業マンはただの営業マンじゃなくってうちの会社にとって勝利の女神だったんですよ。
高山:寓話みたいなオチ。
西久保:最終的にはうちの会社の利益にも繋がった。

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岡村:そう。そこが重要なんです。営業って自社の商品を販売する力だけじゃなくって、三方良しじゃないとダメなんです。
高山:三方っていうのは?
岡村:営業マン自身、クライアント、社会の三方です。クライアントや、クライアントに関わる社会に利益がもたらされてはじめて営業スキルが活きるんです。
西久保:三方良しが大前提だと。
岡村:だって目先の利益だけを追い求めていたらクライアントとの関係も長く続かないし、提案に説得力も生まれないですから。

三方良しの営業トークってどう組み立ててればいいの?

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高山:でもこの場合は結果として三方良しになったってだけで、提案時点で三方良しの未来を伝えることって難しいんじゃないですかね?
岡村:少し広い視点から提案すればいいんじゃないですかね。
西久保:視点を広く持つ。
岡村:そう。僕がこの会社を立ち上げる前って換気扇のカバーを個人宅に売る訪問販売をしていたんですよ。最初は「換気扇の掃除をする手間が省けますよ」ということくらいしか言ってこなかった。                               

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高山:そこからどう提案を変えたんですか?
岡村:ちょっと俯瞰で考えてみたんです。換気扇にカバーを付けることで換気扇に汚れが溜まらなくなる、そうするとキッチンや室内の壁も綺麗に保てるようになる。更に汚れが外に流れ出ないことで外壁も綺麗に保てるようになる、そうすると近所の家の壁に汚れが付着することもなくなる。

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西久保:営業マンとお客さん、ご近所さんの三方良しですね。
岡村:そうです。三方良しの社会は、半径5メートルの小さな社会でもいいんです。実際、その提案に切り替えてから売り上げがめちゃめちゃ上がりました。
西久保:言い方一つでその商品が二方良しから三方良しに広げられるパターンもあるわけですね。

三方良しの営業力を使えば、中華屋でアイスコーヒーが頼めるようになる

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西久保:その話を聞いて、岡村さんが中華屋にアイスコーヒーを導入したことを思い出しました。
高山:中華屋にアイスコーヒー?
岡村:今のビルに引っ越す前ですね。まず前提として、僕は食事をする場所を決めるときの必須条件があるんです。特に重要なのは食後にアイスコーヒーが飲めることです。
高山:飯よりアイスコーヒー。

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岡村:当時、オフィスが入っていたビルに勤める人達で繁盛する中華屋があったんです。でもそこは飯は美味しくてもアイスコーヒーがメニューになかった。
高山:だって中華屋ですもんね。
岡村:だからアイスコーヒーの導入を交渉しようと思ったんです。
高山:え、どうやってですか?
岡村:まずそこの中華屋に通い詰めました。多いときは1日に2回。
高山:多いな。
岡村:通うだけじゃなく、いいお客さんになるためには店内での振る舞いも重要です。レジでの「ごちそうさま」はもちろん、食べ終わったら「あー!美味しかった!」を大きすぎず小さすぎず適度なボリュームで言ったり。
西久保:ちょっと大きめの独り言。
岡村:そうやって徐々に信頼関係を構築した後「この店の常連には、自分が働くオフィスビルに勤めている人が多くいる。でも皆、飯を食べた後はアイスコーヒーが飲める喫茶店に流れているんです。それはこの店にとって機会損失じゃないでしょうか」ということを熱弁しました。
西久保:なるほど。

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岡村:結果「このお客さんが言うなら」ということで見事アイスコーヒーが頼める中華屋になったんです。
高山:中華屋なのに。
西久保:自分だけじゃなくて、その中華屋とオフィスビルに勤める人の利益に繋がったんですね。
岡村:この場合も該当する社会はそのオフィスビルを取り巻く小さな社会ですけどね。

いきなり法外な家賃を催促されたときも三方良しの営業力で回避

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高山:他にはどんなシチュエーションで活用できるんだろう。
西久保:昔、オフィスの家賃で揉めたときもそうじゃないですかね。
岡村:6階建のビルにオフィスがあったときですね。そこのビルは6階建で最上階にオーナーが入居していたんですよ。でもそのオーナーが飛んじゃったんです。
高山:えっ。
岡村:そのときに分かったんですが、どうやらそのオーナーの会社がグレーな会社に融資を受けていたようで。結果、その会社の債務がグレーな会社10社の手に渡ってしまったんです。
高山:お先真っ暗じゃないですか。

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岡村:ちなみに1〜3階を借りていた会社はまともな会社でしたよ。当時4・5階を借りていたアドウェイズとその1〜3階の会社は、債務を引き継いだ10社からそれぞれ家賃を求められるようになったんです。
高山:めちゃくちゃだな。
岡村:抗議したら「じゃあ電気を止めてやる」って言われて。
西久保:実際に真っ暗じゃないですか。その状況をどうやって収集させたんですか?
岡村:東京電力に電話して確認してみると「ビルのオーナーじゃなくても、そのビルに入居してる店子が主幹事として電気代を取りまとめれば電気は通る」と言われたんです。だから「自分が電気代を取りまとめて納めます」と申し出ました。

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高山:それで、アドウェイズ以外の1〜3階の会社を説得したんですね。
岡村:そうです。その後は僕がアドウェイズ含む1〜5階の電気代を納め続けました。
西久保:それで自社のアドウェイズ、1〜3階の会社、電気代を受け取る電力会社の三方がハッピーになったわけですね。
岡村:すっごく感謝されましたよ!債務権のあるグレーな10社以外からは。
高山:三方良し一方悪しだけど、そこはまあいいか。          

対人トラブルが0に。三方良しの営業力を家族・友人・恋人に活用

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岡村:要は営業力に大切なのは「相手がどうして欲しいか」を想像する力とそれを体現する勇気なんです。実際に僕自身そういう考えになってから実生活でも対人でトラブルになったことってないですよ。
高山:そうは言ってもこれまでのシチュエーションって中々のレアケースだからなあ。
西久保:よくある関係性でも活用できるんですか。
岡村:はい。社内以外にも家族間、友人間なんかでも汎用が効きます。

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高山:じゃあ恋人間とかどうでしょう。
岡村:何かシチュエーションください。
西久保:じゃあ付き合って1年になる26歳の同い年のカップルのオカ美(仮名)とハルヒサ(仮名)。オカ美は、ハルヒサから「最近連絡が途絶えがちになって不満だ」と伝えられます。でもオカ美もオカ美で日々の業務に追われながら同期が出世していたりする現状に焦っているから正直恋愛モードにはなれない。そんな状況をハルヒサも知ってはいるけど……。
高山:やけにディテールが詳細ですが、これは西久保さんの思い出ですか?

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西久保:違います。
岡村:きっとハルヒサも純粋に連絡がこないことだけに不満を感じているわけじゃないんですよ。「オカ美のことは好きだけど、自分ばっかり好きだと思われたくない」という気持ちが「連絡が怠慢になっている」という言動に繋がっているんです。
高山:好意を素直に伝えられず愚痴になっちゃう。

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岡村:だから抜本的な解決方法は連絡を強制することじゃなく、連絡を取り合いたくなる関係性をもう一度築き上げることです。
西久保:もし岡村さんがハルヒサだったら何をするんですか?
岡村:まずオカ美は今、会社でオカ美の居場所を見出せていない状況ですよね。だったらハルヒサは自分自身がオカ美のプライドが守れる場所になればいいわけです。ハルヒサは「デキる上司や出世した若手も周りにいるけど、一番尊敬できるのはオカ美だ」ということを伝えるべきですね。

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高山:「相手がどうして欲しいか」を想像する力。
岡村:そうすれば、オカ美も心に余裕が生まれて再度ハルヒサとの関係が良好になるはずです。さらに、再度自尊心を取り戻せて仕事にもいい影響が出るかもしれない。
高山:ハルヒサとオカ美、オカ美の職場の三方良しが完成しましたね。
岡村:違いますよ。オカ美が自信を取り戻したことにより、ハルヒサの精神衛生も改善される。それによってハルヒサはさらに業績を上げ給料が上がる。それによって、行きつけの焼肉屋でいつもより高いランクの肉が食べられる。それによって、その焼肉屋は多店舗展開でき……。
西久保:この話いつまで続くんですか?
岡村:あと250方くらいが幸せになりますね。ちなみにこれはあくまで確認できる数字なので、その後利益がもたらされる対象は計り知れません。三方良しの営業力は人生を豊かにしてくれるんです。
西久保:最後いきなりビジネスセミナーのタイトルみたいになっちゃった。

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