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令和五年度 都立入試 最終応募確定~これから合格を勝ち取る方法~

都立入試 最終応募確定

2月14日、都立高校の願書再提出が終わり、一般入試の最終応募者数が確定しました。
普通科は男子が募集人員11470人に対し、最終応募者数16681人で、最終応募倍率は1.45倍(前年度1.46倍)、女子は募集人員10449人に対し、最終応募者数15291人で、最終応募倍率は1.46倍(前年度1.46倍)ということで、全体的には前年度と比べてほぼ横這いでした。
上位校、特に神セブンと言える日比谷や西、国立など進学指導重点校は毎年10数%~20%くらいの不受検(棄権)が発生し、またこのレベルの高校は毎年1~3%の入学辞退が発生することを見越し水増合格を出すので合格発表時の実質倍率は最終応募倍率から0.1~0.2ポイントは下がります。
よって、出願したものの、「受かる見込みはないかも」と思っている受験生、まだ希望がないわけではありません。

これから都立入試本番に向けて

さてここから後は志望校の変更はないので、約2週間、入試本番に向けてラストスパートをかける以外にすることはありません。2週間で受験前の自分の実力をワンランクアップさせることは十分に可能です。都立高校入試で「ワンランク上」という場合、それは5教科入試得点で30点を目安に考えます。
つまりこれから2週間で30点アップを目指そうというわけです。30点アップさせられれば、ボーダーラインより少し下にいた受験生は確実に合格できます。

特殊な作戦や魔法があるわけではありません。あくまで本人のやる気と取り組み次第であることは言うまでもありません。ではその方法とは。

入試本番までにワンランクアップさせる方法

どの過去問集でも構わないので、それをよく見てもらうと、全ての小問ごとに配点が書かれています。
記号問題や語句問題の短答式ですと概ね「5点」配点です。これだけで7割~8割くらいの配点はあります。これまでの模擬試験の成績表を見返してください。きちんと確実に得点できていましたか?もしかしたら毎回「気分で」「雰囲気で」解答していませんでしたか?
そんなことを繰り返していると、入試本番の独特の緊張感の中では「勘」も鈍りまくって、ことごとく「×」の選択肢を選んでしまいますよ。
例年、模擬試験では合格ラインを超えていたのに不合格になるケースの原因の1つはこのパターンです。逆にしっかりと「根拠を考えて」解答して小問1つ5点づつ回収すると、たったそれだけのことで5教科でなんと計25点を回収できます。どうですか?ワンランクアップが決して夢物語ではない、現実の心がけ次第であることが実感してもらえると思います。

教科別得点アップの狙い目

では次に教科別に見ていきましょう。

【国語】

漢字の大問1「漢字の読み」、大問2「漢字の書き」はあきらめすに練習を続けてください。これだけで配点は20点あります。入試はおおむね平均的に6割から8割の得点の幅で合格するように作られています。8割なら調査書点がよほど低くない限り合格です。その8割つまり80点の内の20点が漢字でもらえるのです。頭を働かせることが求められるのは残り60点分だけということになります。
小説文、論説文、古典を含む対話文は各小問5点配点で、自由作文だけが10点配点です。令和4年度は自由作文以外はすべて記号選択でした。過去の都立そっくり模擬で○でも×でも構わないので「なぜその選択肢を選んだか」を家の人に説明してみましょう。考えずに気分で選んだものがゾロゾロ出てくるはずです。まだ時間は十分にあります。1つで多く「理由づけて」選ぶ練習をしましょう。勘で答えて×だった1つ5点だけでも回収できれば大成功です。

【数学】

大問1は計算問題で構成され小問9個で46点配点です。100点のうちの半分が計算問題なのです。これはきっちりと確保しておきたいですね。そうすると合格ライン突破まであと約20点取ればいいことになります。昨年は大問1の正答率が68.3%だったので、これを8割9割ゲットしておけば、50点近い基礎点数を確保できるだけでなく、ライバルに対して差をつけることができます。大問3の関数グラフ問題、大問4の平面図形、大問5の立体図形はそれぞれ過去の模擬試験などで問1をしっかり見直しましょう。いわゆる「問1問題」は教科書の類題レベルなので、取りこぼしが多かった人はこれだけでも重点的に復習しておけば、5×3=15点を回収することが可能です。
なお大問5の最後の立体図形の応用問題は正答率は1桁となる難問になります。これができなくても多くの高校では(みんなできないので)合否に大きく影響しません。進学指導重点校ではここでもいかに部分点をもぎ取るかが重要になります。

【英語】

大問1はリスニングなので大問2以降で得点の回収を図るとすると、これからの限られた時間で得点回収が可能な設問はやはり下線を引いた箇所についての記号選択問題です。これも国語と同様に、過去の都立そっくり模擬を利用して、なぜその選択肢を選んだのかを説明してみて、1つでも多く「理由づけて」選ぶ練習をしましょう。英語は中1から学び始めた「外国語」なので、国語ほどの読解力は求められません。つまり国語に比べて内容は平易で、下線部に関わるキーポイントもほぼその周辺(理由を問われていれ、ほぼその直前)にあるものです。1つ5点だけでも回収できればいいのです。

【社会】

社会は知識として知っている者が有利な教科ですが、そういう受験生はまれで、多くの受験生の知識の差ははほぼイーブンです。そこでの分かれ目はやはり地図、雨温図、グラフなどの読み取りです。多くの苦手な受験生はこれを避けるか、やま勘で解いてしまいますが、これも「理由をつけて」正答を絞れば正答にたどりつけると可能性は高くなります。また問題文に絡ませた下線部について問う選択肢問題も時代を特定する語句を紛れ込ませてヒントを入れて作っています。「理由をつけて」選択肢を選んだり並び替える練習をくりかえすことで5点の回収は可能になります。

【理科】

理科は数学と同じで問1が教科書の類題レベルの内容になります。また実験問題は模擬試験や過去問集で出題パターンを見ておきましょう。そうそう手を変え品を変えた実験を想定できるわけではないので、似たような実験問題が出てきたら儲けもんです。理科でも記号選択の択一問題が出ます。徹底して「理由をつけて」選択肢を選ぶ練習をしましょう。

最後に 都立入試本番に向けて

入試まで2週間です。2週間で多くの問題集をこなすなど、とてもムリで意味がありません。
ある予備校講師が言ってました。入試で一番怖いのは基本問題だと。
・これまでできた問題については、「もうできるから」と放っておかないで、天地が逆さまになってもいつでも確実に正答できるように地固めをしましょう。入試では大きな緊張感に襲われるので。
・これまで雰囲気や勘で答えていたものは、しっかりと「理由をつけて」解答にたどり着くようにしましょう。
この2つをしっかりやることでほぼ2週間は過ぎます。

おまけ 入試問題の種明かし

ここで種明かしをしましょう。入試問題を作る側の心理で言うと、4択の選択肢を作る場合、まず作るのは「正解」です。まずこれをしっかりと作りこみます。これにケチがついたら問題不成立・全員正答となりシャレにならないからです。
次に明らかな「誤答」を作ります。これは作り方が簡単なので。
残り2つはあれやこれや知恵をめぐらせて「ズレた」選択肢を作ります。ズレた選択肢を2つ作るのはとても難しく、どうしても1つは見た目が誤答に近い選択肢になってしまいます。よって4択問題は明らかな誤答と誤答に近いズレた選択肢を消去すれば、残り2つまで絞り込むことができます。
ここまでくれば仮に判別がつかなくても○か×かの2択に持ち込めます。どちらかの選択肢がズレた内容になっているので、そこを見抜けば正解です。
記号選択問題は4つを一度に相手にすると「どうしよう」と思いますが、さっさと雑魚の選択肢を蹴散らしてしまえば、じっくりと判別する時間をとれます。

入試は時間との戦いだ

入試は時間との戦いです。「時間がなかった」は言い訳になりません。与えられた土俵(時間)は全員同じです。じっくり読んでじっくり考える時間は、みんな初めからありません。
高校側は「こんな受験生に入って来てほしい」などとまっとうな理屈をこねますが、極論すると、実は、入試とは、限られた時間の中でいかに早く多くの「処理」ができるかの能力を問うているのです。
選択肢問題で雑魚の選択肢をさっさと消去することができれば、「考える時間」を確保することができます。
そのためには選択肢を感覚で選ぶのではなく、「理由づけて」雑魚の選択肢を排除する作戦を取りましょう。迷って、迷って、迷い続けても時間が過ぎてゆくだけです。さっさと「理由を探して」片づけて、残り5分の余った時間でもう一度考えることにしましょう。

多くのことを書きましたが、その反面、多くのことを求めてはいません。1教科5点ずつ上積みするだけです。ワンランクアップして合格を勝ち取ってください。

〔練習問題〕この文章の中で「雑魚の選択肢」とは何を指していますか。文中のから20字以内で抜き出しなさい。

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