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楽して補助輪から卒業しよう

子供の自転車からどのようにして補助輪を取るか。

これは親なら誰しも一度は経験する子育てのハードル。
でもどうすればいいのか分からない。
近所の同い年のお友達はすでに補助輪から卒業している。
「ウチの子は…」とついつい焦ってしまう。

そうやって意を決して、いきなり補助輪を外し、後ろの荷台を支えながら、汗水垂らして、一生懸命に窮屈そうに自転車の後ろを走ることにトライする。
子供はこけて、膝を擦りむいて血を流し、「もうヤダ」と泣き出す始末。
そこで、片輪だけ補助輪をつけての片輪走行を試みるが、これも実際はバランスが悪く、うまくいかず、補助輪のない側にこけたりする。
またまた「もうヤダ」と泣き出す始末。
親は誰しもここで途方に暮れて、「ウチの子は、いつになったら補助輪が取れるのだろうか?」と心配になる。
(結局、いつかは取れているものだけど)

私も最初はそうだった。子供が4歳の終わりくらいの時に、公園で後ろを支えながら伴走してた。私は足がつっかえてこけるわ、子供も自転車ごとこけて「もうやりたくない」と泣き出す始末。
途方に暮れて、自転車に外した補助輪を付け直して「今日もダメだったか」としょげた思いでトボトボと帰り道に着いた。
子供は補助輪がついて安心してウキウキで自転車をこいでいる。

ふと気が付いた。
「あれ? 補助輪のガラガラが鳴っていない間がある」
自転車をよく見ると
「ガラガラ鳴っていない無音のときは、補助輪は左右両方ともかすかに宙に浮いている」
「どちらかに傾いた時に補助輪が地面を支えてガラガラ鳴っているのだから、ガラガラ鳴らない時間が長くなれば、補助輪を使わずに走っているのと同じことになるんじゃじゃないか!?」

そこですぐに誰もいない河川敷に移動して嫌がる子供をなだめながら延長戦。補助輪をつけたまま、子供にはとにかく思いっきりペダルこがせた。

3周くらい回って戻ってきたら、自転車を多少傾けないと接地しないくらいに補助輪を後ろに引き上げて角度を少し上げ、
「ガラガラが鳴らないように走っておいで」と言って送り出す。
補助輪がついているから子供は安心。ガラガラ鳴らないときに大きく褒めてやると子供心にガラガラ鳴らないようにバランスを取りながら乗っている。

5周くらい回って戻ってきたら、自転車をかなり傾けないと接地しないくらいに補助輪を後ろにギュッと引き上げて、
「ガラガラが鳴らないように走っておいで」と言って送り出す。
補助輪がついているから子供は安心。ガラガラ鳴らないときに大きく褒めてやると子供心にガラガラ鳴らないようにバランスを取りながら乗っている。

5周くらい回って戻ってきたら、さらに補助輪をギュッと後ろに引き上げて(もう補助輪は後ろ向きで、地面と平行)、
「ロケット噴射みたい! ガラガラが鳴らないように走っておいで」と言って送り出す。
後ろ向きでも補助輪がついているから子供は安心。ガラガラ鳴らないように(すでに鳴りようがない)バランスを取りながら乗っている。

最後は、
「もう補助輪は必要ないね」とは言わず、
「燃料ブースター切り離し!!」といって補助輪を外し、
「ガラガラが鳴らないように走っておいで」と言って送り出す。
子供は補助輪がなくなったので一瞬怖がったが、すぐにガラガラ鳴らないように(鳴るわけがない)バランスを取りながら走り出した。

この間、私はベンチに座りながら「頑張れ、ガンバレ~、レッツゴー、レッツゴー!」と掛け声を掛けていただけ。かなり楽ちん。
「よく頑張ったね」と言うと、
「パパがガンバレって応援してくれたからだよ」と嬉しいお言葉。

こうして外すことができた補助輪を手にしながら自転車屋さんに立ち寄ってスタンドを取り付けてもらい、晴れて家に帰ることができた。

その後、約20年、この方法はテレビでもネットでも紹介されてないようなので、もうそろそろ皆さんに公開しましょう。

子供用自転車の後ろを持って一緒に走るなどという親子とも泣きたくなるような苦行はやめにして、親子ともども楽ちんで楽しく補助輪から卒業してください。
(苦行は、それはそれで、いい思い出になりますが)





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